かわいらしいナプキンでお弁当箱がつつまれている。

トウジは生まれて始めて女の子にお弁当を作ってもらったのだ。かなり緊張している。

真っ赤になりながらつつみをほどく。

…シュル、パサ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新世紀エヴァンゲリオンGK

ENDLESS WALTZ MODE-AS

第1.X話 邂逅 SIDE-Another 決戦!お昼休み

 

 

 

 

洞木ヒカリ14歳。

気づくとベッドの上にいた。

「知らない…天井ね…」

ボソッとつぶやく。

1日入院しその翌日彼女は家に帰った。

 

 

退院翌日。土曜日。学校はない。

 

家で寝ているヒカリ。

うなされている。あれからずっと一睡もしていないらしい。

 

 

翌日。日曜日。学校はない。

 

ヒカリはふらふらとどこにいくわけでもなく歩いていた。

 

その足取りは重かった。

ヒカリの顔はいつものみずみずしさなどかけらもなく髪は乱れきり頬はこけ目は窪んでいた…。

そしてそのダークブラウンの瞳には何も映ってなどいない。

 

彼女とアスカはあんなモノを見てしまったのだ。精神障害がおきてもおかしくはないのだ。

ヒカリが寝たのは20:00時頃だった。

だが目を閉じるたびに脳裏にアレがはっきりと浮かび上がるのだ。

…ねても…さめても…アタマから…離れないの…

 

ふとアスカをシンジが支えていたシーンがアタマをよぎる。

 

おもむろに抱きしめるシンジ。

…ビクッ

アスカは一瞬驚愕の表情を浮かべ震えが止まった。

支えを求めるように貪欲にシンジに抱きつくアスカ。

体をかさねて抱きしめられていないと得体の知れない何かに飲み込まれてしまいそうだったからだ。

シンジはアスカの意図を理解しやさしく抱きしめる。

アスカの表情が次第に穏やかになっていく。

彼女の瞳から涙が零れ落ちる。

抱きしめ合う二人。

 

…わたしには…誰も…?

フッとアレが浮かぶ。

い、いや…イヤーーーーッ!!

アレがまた彼女の脳裏にフッと浮かんでは消える。

違う違うわ!思い出したくなんてないのよ!

さらにあの光景が鮮やかにフラッシュバックしていく。

 

─夢は現実の続き。現実は夢の終わり。

─NERV内救急施設

「…シンジ…入るわよ」

「…碇君?」

 

ドアの向こうからアスカとヒカリが入ってくる。

そこには…そこにいたのは…白い布を顔にかぶせられているピクリとも動かないアレがいた。

「…!?…ま、まさか…」

「そ、そんな…い、いや…」

その場に崩れそうになるアスカ。

「ア、アスカ!?もしかして…い、碇君が…」

その先の言葉をヒカリは口に出せなかった。

 

イヤーッ!私に入ってこないで!! そんなものもう見たくないの!!

 

アスカとヒカリはベッドのすぐ横に中腰の状態でたつ。顔を近づける2人。

そして…意を決して白い布を取った…

…ぱさっ

 

やめて!もう思い出したくなんてない!イヤーッ!

 

「「…!!」」

そこには…そこには目を見開ききり絶叫するかのように口をあけ何か呪詛を呟いているのではないかと錯覚させる断末魔の表情を浮かべるまるで呪われ悶死しているかのようなゲンドウが…いた。

超至近距離でゲンドウを肉眼で確認してしまったヒカリ!彼女の中のなにかがひずむ。

「…い、いか、碇」

現実が…歪んでいく。

「げ、ゲ、ゲンドウ?」

…ズリズリッ

それらは自動人形のように首だけ回転しアスカとヒカリの方へ向く!

「「!!」」

「「い、いやっ…だ、だめ…」」

ゲンドウらの虚ろな白目を剥いた4つの眼がアスカとヒカリに向けられる。

「「…ニヤリ」」

あやしく口元を歪めるゲンドウら。

!!!!!!!!!!!!!!!

「「い…いやぁぁぁぁっいやぁぁぁぁあああああああああああ…っ!!!!!」」

「「もうイヤ。もうイヤ!イヤーーッ!!」」

 

イヤーーーーーーーーーーッ!

…ヒカリの精神はまたさらに砕かれた。

体をこわばらせながら白目を剥いて地面に昏倒し痙攣するヒカリ。

 

彼女の意識はそこでとだえた。

…彼女は確実に自我崩壊の道を辿っている(爆)

 

 

ゲンドウの顔は能力的にアラエルクラスなのだろうか?

しかもゲンドウは物理的にも接触しようともしていなければ間接的にコンタクトを図ったわけではない

どうやら精神を蝕む能力はアラエルより上のようだ。単独兵器として使用可能なのでは?

 

 

「…委員長!?イインチョやないか!?」

慌てて駆け寄ってくるトウジ。

 

「い、委員長どないしたんや!?」

手を差し伸べるトウジ。

「…す、すずはら…?」

現実に引き戻されるヒカリ。

 

手を差し出すヒカリ。

手がしっかり握られる。

そしてトウジにひきおこされたヒカリ。

…あったかい…

「な、なにかあったんか?」

「…」

「…」

「しばらく手つないだままでいい?」

彼女はトウジの問いには答えなかった。

「しゃ、しゃーないな」

真っ赤になっているトウジ。

「…鈴原こそこんなところでどうしたの?」

「ああ?ワシは…これから妹を見舞いにいかなあかんのや」

「…あ、そうなんだ…妹さん、まだ…」

「ああ…医者はなんか難しいといっとたな…まだ入院しとんのや」

「…私もついていっていい…?」

「…!?」

「…」

「…」

「…迷惑よね…ゴメンね鈴原」

トウジを背にして手を放そうとするヒカリ。

だがトウジは手を放そうとしない。

…?

ヒカリはトウジのほうを振り向く。

「…」

顔を赤らめながら無言で頷くトウジ。

 

真っ赤になって歩くジャージ少年。彼と手をつないで連れられているおさげの少女。

滑稽だが微笑ましくもある。

 

 

 

 

総合病院につく2人

 

受付の看護婦がいる。

記帳しているトウジ。

「こんにちは。いつもえらいわね。…あら?…今日は彼女連れ?」

にこやかにトウジをひやかす。

「…な!?なにいうて…」

うろたえるトウジ。顔が赤い。

「…」

こちらも赤い。顔を赤らめるヒカリ。

 

「す、すまんなぁ…いやな思いさせたんとちゃうか?」

「なにが?」

「…受付…」

「そんなことない」

どことなく嬉しそうだ。

 

「…ここや」

ブシッ

エアロックが外れ扉が開く。

 

 

 

 

お見舞いが終わり帰り道につく二人

 

「…ねぇ鈴原?いつもお見舞いに鈴原がきてるの?」

「ん?ああ、うちはオトンもオジィも研究所勤めで…」

「ゴメンね…そうだったね」

「…」

「あ、鈴原…今日ありがとう…わがまま聞いてくれて」

どことなく暗い影がある。

「…い、委員長!ワ、ワシで良ければ…そ、相談のるで」

「…ありがとう…優しいんだね鈴原」

 

「あ、そうだ鈴原っていっつも購買部のお弁当だね」

「ん?…ああ作ってくれるやつがおらんからのぉ」

 

「鈴原…君、あたし…姉妹が2人いてね名前はコダマとノゾミ。いっつもお弁当あたしが作ってるんだけど…」

「…そら…なんぎやなぁ」

「だからこうみえても結構料理とかうまかったりするんだ」

「へぇ…」

「だからあたしいつもお弁当の材料余っちゃうの」

「そらぁもったいないのぉ」

「え?」

「残飯処理なら…てつだうで」

多少照れているようだ。

「うん。手伝って!一生懸命つくるから」

「ざ、残飯処理なんやから…べつにそこまで気…」

「やらせてほしいの」

いつものヒカリのようだ。それをみたトウジは安心する。

結局トウジはヒカリを家まで送っていったようだ。

 

 

 

 

ヒカリはぼーっとトウジのことを考えていた。

 

…あー!?明日のお弁当どうしよう!?しっかりするのよヒカリ!

「…鈴原…どんなのが好きなのか聞いとけば良かったかな…?」

…鈴原…なにが好きなんだろう?…こんなのかな?いや?こっちかもしれないわ!

家中の料理本、レシピを片っ端からあさっている。

…鈴原って関西弁しゃべってるわね…関西人かしら?…

関西人って納豆食べないのよね?でも鈴原って納豆好きそうな顔してるわよね…

納豆が好きそうな顔というのはどのような顔つきなのだろう。

 

作者注…迷信です。たしかに嫌いな人は多いですが好きな人もいます。

 

あと…そうだわ!コダマおねえちゃんがどこからかもらってきた…コレがあるわ!伊豆大島名産のくさや!なにか臭うわコレ。でもこういうの鈴原好きそうだし…あたし食べたことないけど。

作者注…くさや…伊豆大島特産品です。ムロアジの開きをこえだめに投げ捨ててしまったのを拾って乾かしたようなすさまじいにおいを放つ食品です。焼いて食べます。口に入れると不思議とにおいをあまり感じません。慣れると美味です。

初心者にはお勧めできません。これを一つ台所においておくだけで1階がむきだしのこえだめの臭い以上になります。バキュームカー?比じゃありません。

 

よしっ!これをメインに納豆ご飯で決まりね!

ご飯…?そうだわ!おととい隣りのおばさんが旅行がえりだとかいってたしか…これよコレ!…たしか…ふなずしとかいったわよね?だれも食べないのよね…あたしも食べてないけど。

ラベルには…琵琶湖特産…?琵琶湖?たしか滋賀県!?関西に近いわ!鈴原きっと食べるわ!関西近いし!これも使っちゃおう。…喜ぶといいな鈴原…。

 

作者注…ふなずし…滋賀県の琵琶湖に生息するニゴロブナを素材に使用し、炊いたご飯と生魚を桶に投げ込み放置するという手段で制作され酢は一切使わずただ発酵(腐敗ともいいますね♪)させた酸味をたのしみます。まるで生ゴミのようなすさまじい味のするすしです。なれずしの一種です。慣れると大変美味です。

これは「くさや」とならぶ極めて”通”な人が好む食べ物です。大腸菌の被害にあう危険性がかなり高い食品の一つです。初心者にはお勧めできません。

 

これに決まり!これに納豆をかけて納豆ご飯にしましょう。

 

 

あと…そうねぇ惣菜をもっとほしいわね。鈴原の好きそうなものってあるかしら?

鈴原の好きそうなもの…あ!…そうよ!これこれ!食べたことないんだけど…近所のおじいさんにもらった…えーと…ハチノコ!?これもだれもたべないのよね…これもあたし食べたことないけど。

作者注…ハチノコ…信州の名産品で地蜂の一種の「すがれ」と呼ばれるハチの幼虫をとりだし煮付けたモノ。香ばしい味が魅力。

視覚効果が強い食品なのであまり初心者にはお勧めできません。

 

 

そうね…?関西人が好きなのは…コンブ!たしか聞いたことがあるわ!

たこ焼!そうだわ!鈴原コンブすきだと思うからコンブオンリーにしたたこ焼!好きそうだし!

コンブオンリーってそれじゃたこ焼とはいわないんでは…?コンブ焼き?

作者注…コンブだしで味付けをした薄味のものをこのむ人が多いだけです。

 

 

あと、鈴原よく怪我してるから…出血しすぎて貧血にならないようにレバ刺し!これで決まり!作ったこと一度もないけど。

作者注…レバ刺し…生食用の肝臓の刺し身。生の肝臓には寄生虫病原菌、さらには体内濃縮された毒物が多量に含まれていることがあります。できる限り避けたほうがベターな食品の一つでしょう。

一応オールレンジにお勧めすることはできますが、臓物系ですので好みが別れるので要注意の食品です。

 

 

ほかに鈴原が好きそうなやつあるかなぁ?…あ、あれがある。…コダマおねえちゃんの友達が東南アジアに旅行したときにかってきたのにだれもたべないのよね…あったこれこれイナゴの油揚げ。あたしも食べないけど。

作者注…イナゴの油揚げ…イナゴを油で揚げたものです。東南アジアでは一般に食されています。日本では佃煮が一般的ですね。

これは農薬で死んだイナゴを集めて油で揚げているものがほとんどなので大変危険な食品です。しかも先進国では到底許可されない劇物を使用してます。避けなければいけない食品の一つです。

 

 

これたしか友達のおばあちゃんからもらったものなんだけど…だれもたべないのよね…鈴原食べてくれるかしら?多分食べてくれそうね…!こういうの好きそうだし。…手に持っている袋には…ざざ虫の佃煮とある。

作者注…ざざ虫…川の虫です。トビゲラ、カワゲラの幼虫です。ウジ虫を引き伸ばしたような愛らしいフォルムが魅力です。

超高価な食品の一つです。100gで3000円近くする代物です。視覚効果が強いため初心者にはお勧めできません。

 

 

いくら関西人っていってもやっぱりかつおだしと醤油にも慣れてもらわないとね!かつおだしで作ったお好み焼き!これしかないわ!

あら?こまったわ。かつおだしが切れてる…。あ、確か冷蔵庫に…あったわ…カツオの尾頭付き!

ほらDHAも含まれてて…鈴原にもアタマよくなってもらいたいし…やっぱりアタマからネコソギまるごと入れたほうがいいよね…鈴原野生的だし。お好み焼きの具はきまったわ!

 

カツオのヒレとウロコ入り…当然骨入り…臓物も抜かずにそのまま…苦そう。…お、おいしそうですな(爆)

作者注…あたりまえですが関西人もかつおだしも醤油もつかいます。さらにDHAをとってもアタマ良くなりません。DHAはシナプスにおける脳の情報伝達をスムーズに行わせるためだけに過ぎず標準摂取量を超えると体内酸化が起き過酸化脂質が生成されガンの因子ともなりえます。

 

 

あ!、そうだ!忘れるところだったわ!関西人はみんな何にでもソースをかけるっていうわよね…じゃあ、おかずをソースで浸してから盛り付けることに決定ね!

作者注…迷信です。たしかにかけたがる人がいることは確かですが全員とは限りません。

 

 

 

 

「…ふぅ…メニューもきまったし…鈴原喜んでくれるといいな」

 

あ、晩御飯とお風呂の用意しなくちゃ…忘れちゃった…鈴原…鈴原のせいなんだからね!

顔が赤い。

 

 

 

 

トウジに握ってもらった手を胸に抱きしめるようにしてベッドの中にくるまる。

「…鈴原…責任とってね?」

いつまでもドキドキしている胸を押さえながら顔を真っ赤にしてつぶやくヒカリ。

夜もふけていき眠りに落ちるヒカリ。

安らかな寝顔で寝ている。

 

 

 

 

翌日。月曜日。

すがすがしい朝。窓から差し込む光をあびる。

「…んー…気持ち良く寝れたわ…ふぁー…」

…鈴原…まだ寝てるかな?…

「さて、と…お弁当作らなきゃ…私とコダマおねえちゃんとノゾミ、四人ぶんかぁ」

一生懸命作るヒカリ。

「…できた!これでおわり!」

トウジの弁当だけ特別製である。あのメニューに基づき製作されている。

「…おいしく食べてくれるかなぁ」

恋する女の子の目である。

 

 

朝ご飯がすみ学校に登校しようとしている。

 

…いくわよ!ヒカリ!

自分に言い聞かせるように家をでる。

自分とトウジのお弁当二つを持って。

 

 

 

 

決戦!お昼休み

 

学校の校庭にあるベンチ

かわいらしいナプキンでお弁当箱がつつまれている。

トウジは生まれて始めて女の子にお弁当を作ってもらったのだ。かなり緊張している。

真っ赤になりながらつつみをほどく。

…シュル、パサ

ヒカリが見つめている。トウジはその視線を受けてドギマギしていた。

…おいしくいただくでぇ…そないな心配そうな顔せぇへんでくれや・・・

 

 

トウジは息を呑んだ。

…な、なんやこれは!?

 

心配そうにみているヒカリ。

「あの…鈴原?口に合わなかったら食べなくてもいいから…」

食べなくてもいいといったがヒカリが一生懸命作ったものだ。

それをヒシヒシと感じるトウジには食べないなんて選択肢は選ぶ事などできない。

…委員長がワイのために一生懸命つくってくれたんや…これをくわずしてはオトコやないッ!

 

 

…ワシもオトコじゃ!

すさまじいにおいを放つなぜかソースまみれの干物に手をつける。箸を持つ手が震えている。

…カタカタッ

少しだけとって口に運ぶ。口に近づければ近づけるほどにおいを強烈に感じる。トウジは気が遠くなりそうだった。

だが、ヒカリがみている。拒否なんてできない。体中から脂汗が吹き出る。さらに箸を持つ手が震える。

トウジはつばを呑む。

…ゴクッ

 

意を決して口に放り込む。

不快感が彼の中を駆け巡る!鼻孔を刺激する!凄まじいにおいが突き抜ける!

…ヌォオオオ!!…なんやこれ!?…目にしみるでェエ!!

トウジは涙目になっている。においが目に染みる。

必死に飲み込むトウジ。

 

 

な、納豆…!!…こ、これはくいたくないのォオオ!!!くぅぅううう!!ええ!イインチョが…せっかく…くったるで!!

おもむろに目を閉じ口にかきこむトウジ!

ウグッ!!

目を見開くトウジ!口に含んだモノを飲み込むことができない!体が拒否反応を起こす!飲み込もうとしても嘔吐感が襲ってくる!

…な、なんや…こ、これは!?す、すえた味が、、しよるで…このメシはぁ!く、腐ってるんちゃうか!?

彼の両目に涙が光る。上を見上げ耐えるトウジ。

…オトコとして委員長に恥をかかせることなんて…できへん!…耐えろ!耐えるんや!鈴原トウジ!!

ついに彼は激しい反芻を繰り返し飲み込むことができた!

 

彼の頬を光るものが流れ落ちる…。

 

お好み焼き!?ワイの好物や!委員長も気ぃ使ってくれとんのか…ほんま迷惑ばっかりかけてすまんなぁ…

おもむろに掴んで食らいつくトウジ。

…ごりゅ

…!?

なんのおとや…?

マ、マグロ!?…い、いやこれは…?…カ、カツオ!?

お好み焼きの中にカツオの断面が見えた。

瞬時に彼は理解した。

自分の口の中にカツオのアタマがあることに。

…ワシは魚の頭と内臓と皮は…

 

舌がなにか硬いものに当たる。ゆっくり噛む。苦いものが口の中に広がる。カツオのアタマだと体が理解した。

…まだ半生か…中はほぼ生やな…

涙をたたえたトウジの顔が一瞬絶望の色を呈する。

…ングッ

嘔吐感がまた彼を襲う。先程のふなずし納豆ブレンドがせりあがってきている。

できるだけはやく飲み込まねば吐いてしまう!…飲み込もうとした彼はさらにあることに気づく!

 

骨があるのだ。…魚には。

…た、助かる方法は!?…まるのみィイ?そんなん犬でもないかぎりムリやァアアアア!ヒトの体ちゅうやつはなんて不…

…ウッ!ウプ!

…ま、まずい!!も、戻ってきおったァアア!か、噛むしかないようやのォオオ!

涙をため天を仰ぐトウジをヒカリは感動しながらまぶしそうに見つめていた。

…鈴原…喜んでくれてありがとう…

涙をながしながら確認するかのように噛みしめていくトウジ。

…ウウッ…う…グッ…

ぐっと飲み込むトウジ。戻しそうだ。だが彼は耐えた。

 

 

こ、これは!?ソースとコンブの味しかせえへんで!?たこがおらん!?飲み込むトウジ。

…ゴクッ…んぐっ!!!…ノ、ノドに…!!!…コンブが!?

コンブがまるのままはいっているのだ! ながいぞこれは!?

喉の奥に滑り込んでいくコンブ。だがながすぎる。

強烈な吐き気に襲われるトウジ!体が異物を吐かせようとしているのだ!

…は、吐くわけには…ウギギッ…こ、このまま…ウッ!!…の、飲み込むでェエエエエ!!

作者注…危険です。長いものは飲み込まず吐き出しましょう。窒息死します。

痙攣しながら飲み込むトウジ。

遠のく意識をしっかり捕まえるために不屈の精神力で押え込む!

…ワイは…委員長の気持ちを…う、裏切るわけにはァア!!いかんのやァアアアア!

 

 

トウジは涙で霞む目で何かを箸で掴んだ。

…これ…は…!?…ま、まさか!な、なにかの幼虫!?

…ム、ムシィイイイ!?…こんなん食えるかァアア!!

トウジはふとヒカリのほうをみた。

ヒカリは泣いていた。

嬉しさのあまり(?)涙をながしむせび泣きながら食べている(ようにみえた)トウジをみたヒカリは泣いていた。

…ありがとう…鈴原…

なにか大きな誤解がある。

 

トウジはヒカリが料理をまずそうに食べてる自分のことをみて泣いていると判断した。

…イインチョ!?…くっ!すまん委員長!ワイの気の緩みが!ワイはオトコの風上にも置けんヤツになるところやった…!!

「…委員長」

「…?」

ヒカリは涙で潤むまなざしをトウジにむける。そしてヒカリは感謝の気持ちをこめて精一杯微笑む。

…うっ…委員長…!!

トウジは撃沈した。トウジはヒカリにほれた。

「こ、これワシの…だだ、だ大好物やったんや!」

しばし箸の先のモノを見つめトウジはつばを呑む。

…ごくっ

 

…いくでトウジ!

ゆっくりと口の中に入れる。舌からこりこりした感触が伝わる。噛む…。

…ブチュ。

パンパンの袋がはじけるように内容物が口に広がっていく…。口のなかに満遍なく浸透していく濃厚な体液。

…うグぅう…

涙がにじむ。鳴咽が起こる。

…ワイはもうだめかもしれんのォオオ…イインチョ…

トウジの脳裏に昨日のヒカリがよぎる。…さみしげな影をたたえた彼女を。

 

…そ、そうや…!…ここでやめるわけにはいかんのや…オトコとして引き下がれるかァアア!!

さらに箸を突っ込む。涙で前が見えない。

こ、これは…?生レバーの切り身!?レバ刺しィイイ!?な、なんでこんなもんが弁当にはいっとるんじゃァアアアア!?

フ、フツー弁当に生刺し身いれるアホどこにおるっちゅうねェエエ!しょ、食中毒起こしてまうわッ!

だが…いちどつかんだ手前もどすに戻せない。

…ワ、ワシは…臓物は…食うと…じんましんでるんや!

チラッとヒカリをみる。

彼女はトウジを真っ直ぐにみている。

目が合うヒカリとトウジ。

彼女はまた微笑んだ。

 

…き、期待にそうっちゅうんことは…これほどまで…つらいっちゅうことかァアアアア!…やったる!

おそるおそる口に運ぶ。目を祈るように閉じている。口に入れる。生暖かい感触が口の中に溶け込んでいく。

…ギ…気色悪い感触やのおォオオオ!!…グッ!!…ウッ…プ…

口のなかに広がる血の味。とたんにまた堰を切ったように拒否反応が起きる!

…ま、まずい!…ウッ…お、押さえ切れん!!!…ウプッ!!…ウエッ!!

慌てて口を押さえるトウジ。胃の内容物は急激にせりあがる!

口からは出なかった。…だが鼻にきた。胃液がまじった今までのモノが鼻腔内に進入する。

並大抵の刺激ではなかった。とめどなく流れ落ちる無数の脂汗。さらにポツポツと発疹がで始めている。

…い、委員長…ワシはもう…

 

昏倒するトウジ。

「…!?鈴原!?ちょっとどうしたの!?」

 

 

午後2:00 すでにもう5時間目は始まっている。

木陰の下でトウジを膝枕の上で休ませているヒカリ。

「…ん!?委員長か?」

「…ごめんね…鈴原…口に合わなかったみたいだね…」

ヒカリは俯いている。暗いかげりがある。

 

「そ、そないなことない!」

「いいの…鈴原の好きそうなもの選んだつもりだったんだけどだめだったみたい」

あ、あれがワイの好きそうなモノ!?あ、あれが…?

…好きっちゅう以前に一度も食うたことないものばかりなんやけど…?

 

「…い、委員長…すまん…ワシは…ホンマは…魚のアタマとか臓物とか虫はあんまりくえへんのや」

「そうだったの…」

「…すまん…」

 

「鈴原?私のお弁当食べてみる?…こっちのほうも口にあうかどうかわからないんだけど…魚のアタマとか入ってないから」

「え?いいんか?委員長!?」

「うん…食べさせてあげる」

きれいな盛り付けだった。さっきのトラウマでもあるのか神妙な面持ちのトウジ。

膝枕の上でヒカリに一口食べさせてもらう。

…ん!?めちゃくちゃうまい!

「…う、うまい…ホンマにうまいで…これは!」

「あ、ありがとう鈴原…」

ヒカリは泣いていた。ヒカリの涙がトウジの顔に落ちる。

 

 

 

 

 

「委員長?ヒマならでいいんやけど…いまから…妹の病院…一緒にいかへんか?」

「…うん」

 

 

どうやら彼女はサルベージされたようだ。

 

 

 

 

TRIDeNTです。

新世紀エヴァンゲリオンGK ENDLESS WALTZ MODE-AS 第1.X話 邂逅 SIDE-Another 決戦!お昼休み です。

タイトルがながい!

GK第弐話でこわれたヒカリのサイドストーリーになってます。

 

いろいろなSSで料理が上手すぎてしかたがないくらいの彼女をゲテモノ料理人に仕上げてしまいました。

さらにわけのわからないことをほざいています。ヒカリがバカみたいです…。ヒカリなかたがたすいません。

あと、最初のプロットでは材料からそろえるゲテモノ料理を作ることから始めていたのですが

”製作”途中に味見をしてしまうのが料理人のサガですので、

味見させないためにもゲテモノを作るのではなく寄せ集めるというプロットに変更しました。

…ゲテモノ料理…奥が深いです。

 

 

コレの姉妹作品でさまざまな化学薬品や試薬を調合していくアスカの料理(?)はMODE-AS本編ででます。

被害者はシンジです。


ぎゃははは。ヒカリ哀れ...。(笑)

というわけでTRIDeNTさん、何とGKヒカリバージョンありがとうございますー。\( > 0 < )/うきょーおもれー

アラエルゲンドウの精神汚染はハンパじゃありませんな。ヒカリ、白目むいてアワ吹いてるし...。(笑)

しかし、ヒカリってどういうヒトなの。クサヤめいんで添え物納豆フナ寿司って..。おえっ
って実はクサヤって見たこと無いんだよね。(;^_^ A そんなに臭いの?

フナ寿司も食べたこと無いなあ。むかし、秋田に済んでた事食ったハタハタみたいなモンかな。

げげぅ、レバ刺しスキだったんだけど食いたく無くなってきたな。( ^_^;)

......うーん、ぐるめっしゅなお弁当だ。(爆) 哀れトウジ。ちーん

さあ、ステキなれしぴで食欲増進。(笑) 早速TRIDeNTさんに感想&応援を書いてアスカ様に食料兵器を作らせよー。<ヲイ

 

TRIDeNTさんへの感想はここです。

または簡単感想用掲示板へどうぞ。

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ここから是非感想を送るのだー。\(●> _ <●)おーっ

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