喉を潤す様、僕はつばを飲みこむ。そして、顔がどんどん赤くなる。
アスカは、それが面白いらしく、口元をサルの人形で書くし、悪戯っぽい笑顔を見せていた。
僕は、もう一度紙切れを見る。そこには、“シンジの家に行ってもいい?“と書かれていた。
そして、顔を上げる。アスカは、目を細めて、笑顔でこちらを見ている。
すると、アスカは、もう一枚の紙切れを渡した。僕はそれを見て、安堵の息を漏らす。それには、少し、残念な思いも入っていた。


「・ ・ ・冗談だったんだ」

僕は、笑みをもらしなが言う。
アスカは、とても面白かったらしく、涙を浮かべながらこちらを見つめていた。
僕は、額から出てきた汗をぬぐう。
彼女は、落ちついた顔で、僕の方を、先ほどと違う笑顔で僕の方を見つめた。
そして、またも紙切れを渡す。


「うん。また明日ね、アスカ」

僕は、その紙切れを見ながら、笑顔でそう呟く。アスカも笑顔を見せる。
そして、ゆっくりと僕は電車を乗り換える為、階段を上がってゆく。
アスカは、そんな僕に手を振る。僕は手に持っている紙切れをポケットに押し込んで、手を振ろうとした。
そんな時、先ほど渡された紙切れに、もう一枚入っていたのがわかっていた。僕は、それを見る。

”何時か招待してね“

 

ff(フォルティッシモ)

第五楽章

〜冗談?少し本気〜

 

 

 

 そう書かれている紙切れを見ると、先ほどの緊張がよみがえる。そして、緊張の見える笑みで、アスカを見る。
彼女も、それに気づいた様で、笑顔で僕を見つめた。
そして僕は、先ほど頷けなかった為か、それとも彼女の笑顔のせいか、ゆっくりと頷いた。
アスカも、それを見て、笑顔を見せながら同じように頷いた。
 そして、アスカはまるで人の波に消えこむ様に、僕の目の前から消えていった。そして、僕はその場を後にした。



 アスカは、シンジとわかれ、ケンスケが出た所とは別の改札口に向かう。そんな時、シンジに気づかれない様、ポケットに押し込んだ紙切れをとりだした。
アスカは、それを見つめ、顔を赤くした。

(我ながら大胆ね・ ・ ・どうしてかな?)

手の中には、少しくしゃしゃになった紙切れが握られていた。その紙切れには、

”シンジって、彼女いる?“

と、メールアドレスが書かれていた。彼女は、赤みを帯びた顔のまま、笑みを漏らした。









 僕は、電車に揺られながら、今日受け取った紙切れを見ていた。
そこには、我の強そうな字が並んでいた。
僕は、そんな事を考えながら、つり革に持たれ、電車に揺られた。







 夕日が落ちて、夜が始まる。今日は満月で、月明かりが僕を照らし、薄い影を作った。
僕は、その月の光を全身に浴びる様に、手を大きく広げながら歩いた。


「ただいま」

僕は、そういいながら玄関を空ける。それと共に、おかえりなさいと、明るい声が聞こえた。
 廊下から台所に近づくにつれ、包丁をまな板に叩きつける音が聞こえる。そして、コンソメスープと魚の塩焼きのいい匂いが漂ってきた。


「今日、遅かったね」

少女が、そう口を開く。その声には、少しとげがあった。
僕は苦笑して、ちょっとねと、曖昧な答えをその少女に返した。
少女は、その答えが気に要らなかったらしく、返事を返さなかった。そして、不意にこちらを向く。それと同時に、白いエプロンが翻る。
膨れた顔が、こちらの方を向いた。


「・ ・ ・な、なんだよ」

僕は、その少女の顔を見て呟く。その僕の様子を見て気づいたのだろう、

「嘘ね、シンにぃ」

と、赤い瞳でこちらの方を見つめながらそう呟いた。

「・ ・ ・う、嘘じゃないよ、レイちゃん」

はっきりと嘘とわかるような答え方。
目の上まで来ている蒼い髪から見え隠れする、額の汗をぬぐって、こちらの方を見つめる従兄弟のレイにそう言った。
 レイはまだ、怪しい、といった目でこちらの方を見つめる。そして、手に持っているお玉をなべの中に置くと、いきなり僕の胸の中に飛び込んできた。
そして、僕の脇を小さな白い手で攻めた。僕は、その攻撃に絶えきれず、笑い声を上げる。


「ほら、白状しちゃいなさい!!」

レイは、明るい勝気な表情で、僕の脇を攻める。

「ははは、ほ、ほ、ほんとだってば」

僕は、笑い声を上げながらも、そう言う。

「ぜぇぇぇぇったい、嘘だ!!」

「ほ、ほんと・ ・ ・くははは、だってば」

レイは、そんな僕の言葉を無視しながら、2〜4分ぐらい、僕の脇を攻めていた。
その攻撃から開放される頃、僕は目元に涙を溜めていた。








 僕は、短パンとTシャツといったラフな格好で、テレビの前で横になる。
テレビでは、聴きなれた音楽が流れている。僕は、そのあき始めた音楽をBGMに、目を閉じた。








 気づいたら朝だった。僕は少し驚いたような顔で、つけっぱなしのテレビを見る。
その時計では、7:30をさしていた。


「まだ7:30か」

そう呟きながら、僕はもう一度眠ろうとしたときだった。
不意に、僕の隣で寝息が聞こえる。僕は、ゆっくりとその方向を見ると、レイが、気持ちよさそうな寝息をたてて、僕の右手を握りながら眠っていた。
その気持ちよさそうに寝ているレイを、僕は起こさない様に手を離して、ゆっくりと立ちあがった。

 カーテンを空けると、青々と広がる空と、ゆっくりと流れる雲があった。

 そして、差し込んでくる日差しが、今日の一日の始まりを告げた。

 そんな時、一本の電話がかかって来た。僕はその電話のある場所まで、ゆっくり歩き、受話器を取った。
そして聞きなれた声が、僕の耳に飛び込んできた。そのため、僕は懐かしさのあまり、一瞬にして目がさめたのだった。

続く


後書き

 ・ ・ ・もうクセになってるのかな(爆)

5月3日

 oasisのアルバム“The Masterplan“を聴きながら。

(第六楽章へ)

(第四楽章へ)



おおい、ナニナニ、どうなってんでい?\( > 0 < )どんどんどん(←笑)

というわけで、TODOさん5曲目ありがとうございますー。\( ^ 0 ^ )ヒキ上手

あ、アスカ様。大胆なんだか純情なんだか...。うーむ、どっちも可愛いかも。(●^_^●)ぽっ<ヲイ

シンジ君はもう完全に意識しまくってますな。恋煩いの一歩手前って感じですか〜?うひひ(←バカ)

しかししかし、意外な展開。なんとシンジ君従姉妹のレイちゃんと既に同棲か!?どうする、アスカ様。(爆)

ところで、ラストの電話の相手は誰なんですかねえ。またもや気になるヒキですねえ。もう、TODOさんの商売上手。(笑)

さあ、この電話相手が二人に何をもたらすんでしょうか?次回楽しみですねー。( ^ - ^ )
早速TODOさんに感想&応援を書きまくって続きを書いて貰おー。\( ^ 0 ^ )おー

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