木陰に入ったベンチに腰を下ろす。何時も通り、暑い日だった。額から吹き出てくる汗をぬぐう。
そして、手に持っているコーラを飲む。コーラは、何の抵抗もなく、僕の喉を通り、潤す。
そのため、少し落ちつき、周りから声が聞こえる。
機械音、子どもの喜ぶ声、そして木々が揺れる音。そこは、涼しげな風が吹いていた。


「・ ・ ・意外だよな。」

僕はそう独り言を呟き、射的をしているアスカの後姿を見た。不意に、彼女の髪が風揺れる。
その度に、僕はあの教室で嗅いだだ彼女のほのかな香りを思い出した。
そしてコーラを飲んだ。



 ケンスケは、両手にアイスクリームを持って、僕が座っているベンチの横に座る。


「彼女、俺が物にしていいか?」

と、メガネを光らせながら僕に呟いた。僕は、少し笑みを漏らし、

「なんで僕に聞くんだよ?」

と、静かに呟いた。ケンスケは、そんな僕の言葉を聞くと、

「・ ・ ・いや、なんとなくな。」

と、静かに呟いた。僕は、ケンスケのその言葉を聞き、また笑みを漏らした。

(だけど、本当に意外だな。)

 

 

ff(フォルティッシモ)

第四楽章

〜玉砕〜

 

 

 

 

 渡された紙切れには、“遊園地に行きたい“と、書いてあった。僕とケンスケはそれを見るなり、意外そうな顔でアスカの方を見る。
アスカは、少し頬を染め、また一枚の紙切れを渡す。


“めずらしいの!!“

その紙切れには力強く書かれていた。僕とケンスケは笑顔を漏らして、ゆっくりと頷いた。

 あれから電車に乗った。電車の中は、以外と空いており、クーラーのお陰で涼しかった。
学校から歩いてきたので、背中は少し汗ばんでおり、背中にシャツがくっついている。
だが、それもクーラーに当たっているうちに、汗が渇いてゆっくりと離れていった。

 電車の中では、僕とケンスケは少し沈黙していた。ケンスケは何をやっていたかわからなかったけど、僕は外の景色を眺めていた。電車が動くたびに、外の景色が溶けていく様だった。
見なれた景色のはずなのだが、なぜか何時もと違って見える。
僕はそう思いながら、景色を眺めていた。その時、不意に目がアスカに行く。
アスカは、わくわくしながら、笑顔で笑っていた。そんな時、不意に僕と目が合う。すると、アスカはとてもいい笑顔でこちらを見る。僕は、その笑顔に誘われる様に、笑顔で答えた。
 そして、今僕の目の前で笑顔を作って大きなサルの縫いぐるみを持っている、アスカの笑顔があった。僕とケンスケは、その笑顔に誘われるように、笑顔を見せた。









 夕焼けが綺麗だった。僕は、ベンチに座りながらそう思った。
僕の前には、夕焼けを反射させながら、ゆっくりと回る観覧車と、煙草の煙を見つめていた。

(今、アスカたちはどこら辺なのだろう?)

観覧車の方をゆっくりと見上げる。観覧車は、夕焼けをうつしながらゆっくりと回る。


”シンジも乗ろうよ!!“

アスカは紙切れを渡す。僕は、ぐったりとした顔でその紙切れを受け取る。
だが、僕は観覧車の方を見る。僕は、高くそびえたつそれを見上げ、

「ごめん・ ・ ・遠慮しとくよ。」

と、笑みを漏らしながら呟いた。その時、アスカは少し頬を膨らませると、今度はケンスケを誘い出した。
僕は、ケンスケの嬉しそうな顔を見つめると、近くにあるベンチに腰をかけた。

 観覧車は、ゆっくりと回っている。その中で何が起こっているのか、僕には想像できなかったが、ある程度の事は想像できた。


(ケンスケ・ ・ ・上手くいってるのかな?)

まぁ、それも降りてこればすぐにわかる事だからな。と思いながら、僕はポケットから煙草を取り出した。






 煙草をもみ消す。それとほぼ同時に、観覧車から二人が降りてきた。
僕は、ベンチからゆっくりと立ちあがり、彼らのほうに歩き出した。
彼らのところに近づくと、ケンスケが真っ赤な顔で、少し瞳が潤んでいるのがわかった。
僕は、フラレタのか、と思いながら、ケンスケの方を優しく、ポンポンと叩いた。
ケンスケは、ゆっくりと僕の方を見ると、
ため息を漏らす。そして、

「・ ・ ・駄目だった」

と、ため息交じりで呟いた。


「・ ・ ・そう」

僕は静かに呟く。そして、もう一度ケンスケの肩を叩いた。







 電車に乗る。ケンスケは疲労感を漂わせる顔で、景色を見つめる。
それとは対照的に、アスカは満足げな顔でサルの縫いぐるみを抱いていた。


(まぁ、悪気はないから)

 電車が、音をたてて駅に停車した。

 ケンスケは、ため息交じりで僕に挨拶をして、駅の改札口から出た。
僕も電車の乗り換えの為、アスカに別れを告げようとすると、アスカが一枚の紙を渡す。
僕はそれを受け取る。そして、真っ赤な顔でアスカの方を見た。
アスカは、サルの縫いぐるみを抱いたまま、無邪気な笑顔を見せていた。
その笑顔は、とても魅力的だった。僕は、それに魅了される。素直に頷きそうになる。
そして、やけに喉が渇いていった。

続く

 


後書き

 ・ ・ ・ご、ごめん

4月27日

 眠る前に

(第五楽章へ)

(第三楽章へ)



ぐははは、ケンスケ玉砕。(笑) .......当然だな。(爆)

というわけで、TODOさん4曲目ありがとうございますー。\( ^ 0 ^ )/ゆうえんちだー

なるほど、アスカ様のご指名は遊園地ですか。(@_@)ほほう

おお、アスカ様ここでもサルラーになってますな。やはりアスカ様にはサルがよく似合う......何故だ?(笑)

それにしても、観覧車の中でなにがあったのか。まあ、大体想像は付くけどね。( ^_^;)

そして、最後のシーン。アスカ様はシンジ君になにを言ったんでしょうか。うーむ、気になるなあ。

さあ、サルラーアスカ様を書いてくれたTODOさんに、感想&応援を書いて続きを書いて貰うのだー。\( ^ 0 ^ )

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