TODOpresents.
オルゴール3:カラー

 

 

 

 

 

 

ゆっくりと、貴方は私に口付けをする。

 

 

 

 白い雪が、ベランダから見える。冬の終りを悲しむかのような粉雪。
そして、私たち夫婦にとって、懐かしいものだった。
それは、オルゴールも同じ。これは彼、シンジから始めてもらったプレゼント。
私は、白い粉雪を見ながらそれに触れる。
そして、ゆったりとしたテンポの音が、奏でられ中にいる人形が、ゆっくりと踊り出した。



 二人とも真っ赤な顔


 

 

 白い粉雪が、私たちにふりそそぎ、握られた手を一層強く握り締めさせようと、冷たい風が私たちに吹く。
そして、その風の思惑道理に私と貴方は強く手を握り締めた。
 そのとき、その風は音を運んでくる。車の排気音と人々の雑踏に混ざりながら、その音とは異質の音を私たちのもとに運んできた。

 

「ねぇ、なにか聞こえない。」

白い息をはきながら私はそう貴方に問い掛けたわね。
そして、貴方もその音に気づいて、ゆっくりと頷いた。
私たちは、その音のする方に歩く。
そこには、雪を避けるように、黒い布を張っていた。そして、煙草を口でくわえながら、笑顔でこちらの方を見つめる、人のよさそうなお爺さんがいたわ。

 

「どうしたんじゃ。」

お爺さんは優しい口調で私たちに話しかける。それと同時に、白い煙草の煙が口から出てきた。

 

「・ ・ ・綺麗な曲が聞こえたから。」

私はそう静かに呟き、その音を奏でるオルゴールを見つめる。
ドーム上の透明な筒の中で、華やかな結婚衣装を着た人形が踊っている。
それ以外には何もない。まるで二人だけの空間の様に。

 

「これが欲しいのかい、お嬢ちゃん。」

お爺さんは、私に向かってそう優しく話しかけてくる。
私の目は、そのオルゴールから離れる事はなかったが、ゆっくりと頷く。

 

「そうか。」

お爺さんのやさしそうな声が私に聞こえ、

「・ ・ ・これ、いくらですか。」

と言う、貴方の声が聞こえた。
私は、ハッとして顔を上げると、私を微笑みながら見つめる、貴方の顔があった。
私は、その顔に頬を染めながら見惚れる。

 

「・ ・ ・御代は結構じゃよ。」

お爺さんは、そう優しく私たちに呟く。

 

「でも。」

貴方の言いかけた言葉を遮る様、

「・ ・ ・だけど条件があるよ。」

と、お爺さんが白い息を吐きながら呟く。

 

「条件って?」

私は、まだ薄く染まる頬を叔父良さんに向けてそう問い掛けた。
お爺さんは、私たちの方を微笑みながら見つめ、

「絶対、彼女を不幸にしないことだよ。」

と、優しく呟いた。
私と貴方はその言葉を聞いた後見つめ合い、恥ずかしそうに赤い顔になる。
お爺さんは、そんな私たちを見て、嬉しそうに微笑む。
そして、貴方は私の手を強く握り締める。
周りは冷たいのに、なぜかそこだけは暖かかった。

 

「・ ・ ・ええ、絶対に。」

貴方はそう力強く呟く。
お爺さんも、その答えに満足した様に、笑顔を漏らしながらそのオルゴールを手に取り、綺麗に包装し始めた。
私はそのとき、まるで貴方にプロポーズされた様に思い、頬を染め、嬉しくなった。

 

「はい。約束・ ・ ・忘れるんじゃないよ。」

お爺さんは、赤い包装紙と白いリボンで結んだ包みを貴方に渡した。

 

 

二人とも、心が跳ねる。そのオルゴールに合わせるように。

 

 

 

 

 

 

 私はベランダに上がり、その白い粉雪をつかもうとする。
貴方もベランダに上がり、その、昔とは比べ物にならない大きな、たくましい手を私の背中に回し、私を手繰り寄せる。
私は、何のためらいもなく貴方の胸の中に包まれる。

 

「・ ・ ・あの時の言葉、本当に驚いたわよ、シンジ。」

懐かしい物を見つめるような瞳で私は粉雪を見つめながら、そう貴方に呟く。

 

「・ ・ ・プロポーズのつもりだったけどね。」

貴方は、静かに呟いて私の顔を見つめながら微笑む。

 暖め合いながら、唇を重ねる

 夜になり、寒さが一段と厳しくなる。だけど、握られている手は例外だった。
貴方が隣にいることで、心は例外だった。

 町の道路に灯る火が、粉雪を美しく照らし出す。風は強くない。そのため粉雪は静かに地上に舞い落ちる。
そんな時、私たちは静まり返った公園のベンチで足を休める。

 

 そんな時、私は手に持っている包装紙に目をやり、

「・ ・ ・ここで開けてもいい。」

と、貴方たに問い掛けた。貴方は微笑みながら静かに呟く。

 

 

 ゆっくりと、まるではかないもに触るように私はそれを開ける。
そして、中から先見たオルゴールが出てくる。
私は、そのオルゴールのねじを巻く。
そして、ゆっくりとそのオルゴールをベンチの上に置く。

 

 先聞いたゆっくりとした綺麗なテンポ、オルゴール特有の跳ねる感じの静かな音色が、その静かな公園に染み渡る。
そのとき、私はいきなり立ちあがり、

「・ ・ ・踊ろうか?」

と、静かに問いかけた。
貴方は驚いた顔を見せたが、すぐに笑顔に変え、私の手をゆっくりと握る。

 そして、そのオルゴールの音色に合わせ、その中にいる人形に合わせて、私と貴方は粉雪と一緒に踊る。
なぜ踊りたくなったのかはわからないけど。

 ゆっくりと、ゆっくりと、ゆっくりと。

 白い息が、交互に口から出る。
息を整えようと、またベンチに座る。そのとき、動いたせいであろう、少し寒さを感じた。私は少し震える。
そんな時、貴方は私の肩に、少し頼りない手を添えて、優しく抱き寄せた。
私は少し驚き、ちょっと抵抗したが、すっぽりと彼の胸の中に抱かれる。

 

「・ ・ ・暖かいな。シンジの胸は。」

私は微笑みながらそう呟く。

「・ ・ ・そう。」

貴方は少し緊張した声でそう呟く。

 

 

粉雪が舞う。静かに舞う。聞こえるのは、貴方の鼓動。伝わるのは貴方の温もり。
そして、私はゆっくりと上を向き、貴方の顔を見つめる。まだ、オルゴールは美しい旋律
を奏でている。そして貴方も同じように、私の方を見つめた。

 二人の白い吐息がかかる。そして、オルゴールが、曲を奏でる。

 

二人の距離が、ゼロになる。顔に赤みが刺す。唇に温もりが来る。そして、私と貴方は
その時に酔いしれる。


 唇が離れる。潤んだ瞳が私を見つめる。私も同じ瞳で貴方を見つめる。そして、
オルゴールが鳴り止んだ。



 ただ、暖かかった。そして、幸せだった。オルゴールは鳴り止んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ベランダに出て、私は貴方に抱かれたまま、口付けをかわす。
あの時と同じように。そして、ゆっくりと離れる。瞳もあの時と同じ。そして、オルゴールも鳴り止む。

 

「さぁ、もう戻ろうアスカ。」

貴方は私を抱きしめながら優しく呟く。

「ええ。」

少しなごりおしそうに私は呟く。その口調に気づいたのか、

「・ ・ ・おなかの子に触るよ。」

と、優しく呟いた。

「ええ、そうね。」

私はそう呟いて、自分のお腹に手をやった。

 

 

 粉雪が舞う。

 冬の終りを悲しむかのように。

 春の始まりを告げるかのように。

 そして、オルゴールは止まる。

 だけど、幸せを奏でる曲は鳴り止まない。

 だけど、人形は幸せを表す踊りを止めない。

 まだ・ ・ ・きっと永遠に、幸せを奏でる。

 私と貴方と、新しい家族のまわりで。

 

fin

 


後書き
 六万ですねー。
 早いです!!これもドラえぽんさんのがんばりですね。そして、LAS強し!!
 ですね。
 これからも、お身体に気をつけて、がんばってくださいね!!
 ドラえぽんさん。
 ではでは

3月10日
 PULPのアルバム“DIFFERENT CLASS”から“BAR ITALIA“を聞きながら


ぐおお、素晴らしいッス。\(●> _ <●)しあわせッス

というわけで僕ドラえぽんです。

TODOさん、オルゴール3個目ありがとうございますー。\( > 0 < )/ついに完結ー

この世で彼ら二人だけ。そんな雰囲気で、でも暖かいですね。

台座の上で踊る結婚衣装を着た二人はアスカ様とシンジ君、二人の願いでもあるんですよね。

そして、願いが叶った二人。今度はきっと3人で未来へと踊り続けるんでしょうね。( ^ - ^ )

TODOさん、二人の幸せな未来を見せてくれてありがとう!!\( ^ 0 ^ )

さあ、セピア・ホワイト・カラーと続きましたけど、その色に込められた意味を皆さんは気づいたかな?
気づいた人も気づかなかった人も、TODOさんに感想&応援を書いてまた素晴らしい作品を見せて貰おー。\( > 0 < )おうおういえ

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