僕は席に着きながら、彼女がくるのを待つ。 慌てる心を落ち着かせながら
すれ違い、そして・ ・ ・
一人また一人、店に入ってくる。それと同時に、友人たちの声が後から聞こえる。
「おい、碇。」
不意に、僕の肩を叩きながら、一人の友人が僕に話しかけてきた。
「誰を待っているんだよ。」
人をからかうような笑みを浮かべながら、その友人は僕の方を見ていた。
僕は、少し冷たい顔つきで、
「・ ・ ・誰も。」
と答えた。
ハイヒールのおとが、居酒屋の夜道に響く。
それは、周りの騒がしい音とは異質の音だった。
「大変、寝過ごしちゃった。」
汗を掻き、金色の髪をなびかせながらその女性は、走っていた。
(まだ来ない。)
<僕はそう思いながら、酒を少し口に含んだ。苦味のある、酒特有の味がのどを通る。
そして、友人たちの会話を聞かずに、また店の入り口を見つめた。
息を弾ませ、私は目的の場所まで走る。
(・ ・
・まったく、何でこんなに寝過ごすのよ。
アイツと約束したのに。)
私は、心の中で愚痴りながら、目的の場所まで走った。
街は、ゆっくりとクリスマスの景色に染まる。
そして、今年最後の夜のイベントの灯がともり始める。
流れるメロディーは、耳馴れた昔の曲。
街ゆく人の顔は、幸せそうだった。
そんな街中を、彼女は目的の場所までひたすら走った。
(・ ・ ・すっぽかされたかな。)
僕は、自嘲気味に笑い、ゆっくりと席を立つと、
「先になるよ。」
とみんなにいい、その店をあとにした。
ドアがけたたましく音を立てて開く。
息を落ち着かせながら私は、あいつの姿を探す。
だけど、見つからない。
(まだ来てないのかな。)
私はそう思いながら、ゆっくりと仲間たちのいる席へと歩み寄った。
「お、惣流のご到着だ。」
一人の男性がそう声を上げ、私の隣に座る。
「・ ・ ・シンジは。」
私は、その男性を冷たくあしらうようにそう言うと、
その男性は、嫌な笑みをもらしながら、
「あ、碇ならさっき帰ったよ。」
と、にたにたと笑いながらそう言った。
(・ ・ ・嫌な笑み。)
私はそう思い、その席をたちあがる。
「私も、おいとまするわ。」
そういい、まわりが上げる悲観の声を気にせずに玄関に向かって歩き出した。
私は、地団太を踏むように足を急がせた。
(まったく。私をホッポッテ帰るなんて。
でも、遅刻した私が悪いのか。・ ・
・自業自得ね。)
そう思いながら、暗い顔をして歩いていた。
そんな時、私に携帯の呼び鈴がなる。
(・ ・ ・まさか、シンジから。)
私は、すぐその携帯を取る。
「もしもし、シンジ!!」
「私よ、アスカ。」
「ヒカリか。」
私は先よりも落ちたトーンの声をその親友に聞かせた。
「どうしたの、暗い声して。」
「ううん。何でも無い。」
「・ ・ ・碇君のこと。」
「・ ・ ・うん。私、嫌われたのかな。」
少し涙声になってくる。
「そんなこと無いよ。碇君も、アスカのこと好きだからさ。」
「でも。」
私は、不安げに声を上げる。
「大丈夫だよ。いつもアスカに戻りなよ。その方が、碇君も安心するし、好きだと思うよ。」
「そうよね。きっとそうよ、ありがとう、ヒカリ。」
「どういたしまして。」
ヒカリはそう言い終わると、電話を切る。私は、暗い顔を治すように顔を叩く。
「・ ・ ・行くわよ、アスカ。」
(まず、あいつに会ったらビンタの一つでもしなくちゃ。)
聞こえるのは、通話中の音。僕は携帯を切って、ポッケットの中に押し込む。
「通話中なのか。」
そう呟き、その公園のベンチに腰をかける。冬の寒い木枯らしが、僕の回りを通りすぎて
いく。
僕は、身体を振るわせ、身を縮めた。
「・ ・ ・なにやってるんだろう。」
そう呟きながら、星空を眺めていた。
(もう一度、かけてみるか)
そう思って携帯を取る
「通話中か。」
「通話中なんだ。」
私は、そう残念に呟き、歩き出した。
ふと、白いものが空から降ってくる。私は上を向き、
「ホワイトクリスマスか。」
と呟く。そして、重い足取りでゆっくりと歩き出した。
「雪か。」
僕はそう呟きながら、ゆっくりと歩き出した。
「もう一度、電話しよう。」
僕はそう思い、携帯を取り出し、アスカの電話番号を打ち込んだ。
携帯がなる。そんな時、私の心臓が早鐘のように鳴り響く。
「もしもし、シンジ。」
「まったく。もう少し待ってくれてもいいでしょ、このバカシンジ。」
私は、アイツにビンタをかましたあとでそう愚痴る。
「そんな、アスカが遅れるから悪いんだろう。」
「う。」
「ちゃんと反省してくれよ。」
「・・・わ、わかってるわよ。」
「でも、そのおかげで二人っきりになれたから、いいけどね。」
「そうね。」
彼のいきなりの言葉に、私は頬を染めてそう答えた。
二人とも微笑みながら、夜空から降り落ちる雪の中にいた。
そして、そんななかの夜景を眺める。
街は、クリスマスの灯がともり、賑やかになっている。
「賑やかだね。」
「・ ・ ・うん。」
「どう、街に出る。」
「それもいいわね。でも、もう少しこのままでいたい。」
私はそう言い、シンジの身体にもたれる。シンジも微笑みながら、ゆっくりと私の頭をなでおろし、私にもたれかかった。
空から降り落ちる白い雪
儚く溶ける
だけど
私の思いは永遠に
「・ ・ ・いい匂い。」
シンジは、そう呟きながら目を閉じた。
fin
後書き
二度目の投稿でございます。
七千ヒット記念が終わり、今度はクリスマス!!
と言うか、私のところでは、クリスマス記念やりません!!←ある意味ネタ無し^_^;
皆さん、メリークリスマス!!
こんばんわ。ぼく、ドラえぽんです。
TODOさん。投稿ありがとうございます。\( ^0^ )/
二人とも大人の恋って感じですねえ。20歳前後って所でしょうか?最初は東京ラブストーリーのテーマがアタマを流れてました。(笑)
でも、ラストシーンはワムの定番クリスマスソングが流れてました。すごく綺麗でした。
二人の長い歴史の中の1コマって感じで、すごく雰囲気の良い作品ですね。
さあ、こんなすてきな作品を書いてくれたTODOさんに感想を出そう!
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