DUAL MIND  第3話

 

 

 

 

 

「やっと着いたよ。長かったね」

 

<しかし辺りに誰も居ないというのはどういうことだ?>

 

「たぶんこのサイレンが原因じゃない?」

 

そう言ってから空を見上げる。

雲1つない青空が広がっていた。

空色。

 

(あの子、元気かな?)

 

相変わらずサイレンが鳴っている中、シンジは歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『・・・ただいま、政府による非常事態宣言が発令されました・・・・・』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DUAL MIND

第3話「紅き瞳」

BY ささばり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う〜ん、なんかヤバそうだね」

 

そう言って辺りを見回す少年。

碇シンジ。

街には人っ子1人いない。

それは当然。

避難警報が出ているのである。

 

<いい天気だな・・・もう少し色々見て回らないか?久しぶりだし>

 

シンジの頭の中に声が響く。

 

「そうだね、でもホントにいい天気だね」

 

そう言ったシンジの側をミサイルが跳んでいく。

物凄い風圧がシンジを襲う。

 

<うーん、良い風だな>

 

「ちょっと僕には強すぎるよ」

 

その時ビルの向こうから戦闘機が何機か出てくる。

そしてそれを追う様に巨人が姿を現す。

戦闘機の攻撃は全く効いていないようだ。

 

「おっきいね、兄さん」

 

<ああ、でかいな>

 

その時戦闘機が撃破された。

シンジの目の前に落ちた戦闘機を巨大な足が踏み潰す。

荒れ狂う爆風。

吹き飛ばされるシンジ。

まるで木の葉の様に。

だがシンジは空中で体勢を立て直すと何事も無かったかの様に着地する。

その瞳は燃えるような赤。

 

「ありがとう、兄さん。」

 

シンジはそう呟く。

 

<かまわん。好きでやってることだ>

 

「ん、ありがとう」

 

そう答えるシンジの瞳はすでに漆黒に戻っていた。

そのとき猛スピードで走ってきた車がシンジの前に滑り込んできた。

運転していた女性が大声を上げる。

 

「碇シンジ君ね!早く乗って!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうしてあんな所にいたの」

 

ここは車の中。

運転している美女、葛城ミサトがシンジに言った。

 

「空が綺麗だったから・・・。」

 

「え?」

 

「空が綺麗だったから、つい散歩したくなったんですよ。葛城さん」

 

「(変な子ね)そう・・・。あと私の事はミサトで良いわよ」

 

そう言ってミサトはニコリ、と笑った。

見る者全てに爽快感を与える、そんな笑顔だった。

 

<シンジ、まずいぞ>

 

「えっ」

 

思わず口に出してしまうシンジ。

だがミサトは気付かない。

 

<奴ら、何かやらかす様だな>

 

(え?)

 

車の窓から外を見てみるシンジ。

そこには巨大な化け物から一斉に離れていく戦闘機の姿があった。

 

「ミサトさん」

 

「なに?」

 

「戦闘機、みんな引き上げちゃったみたいですよ」

 

それを聞いたミサトの顔色が一気に青白くなる。

 

「何かするんでしょうか?」

 

「まさか!N2地雷を使うの!?」

 

すぐさま車を止める。

刹那、閃光が辺りを包み込む。

 

「伏せて!」

 

そう言ってミサトがシンジに覆い被さった。

 

「む、胸が・・・」

 

爆風で吹き飛ばされる車の中、シンジの呟きはミサトには聞こえなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<美人だな>

 

そんな言葉が頭の中に響く。

ここは車の中。

ステアリングを握っているのはシンジ。

その瞳は淡い光を放っている。

赤く。

 

「まだ目が覚めないのかな?」

 

<ああ、当分はな。しかし良かったなシンジ>

 

葛城ミサト1尉。

N2地雷の爆風で車が吹き飛ばされたとき車内で頭を打って気絶していた。

 

「なんで?」

 

<こんな美人のお姉さんと知り合えて。それに初めての時は年上の方がいいだろう>

 

「?」

 

<大丈夫、優しくしてもらえると思うぞ>

 

次の瞬間シンジの顔が赤く染まる。 

何のことを言っているのか理解したのだ。

 

「な、何言ってるんだよ!」

 

<わかっているんだろ。スケベシンジ君>

 

「そ、そんなことないよ!」

 

<隠すな隠すな。シンジの考えていることは俺に全部筒抜けなんだぞ>

 

「そ、そんな事考えてないよ」

 

<そんな事ってなんだ?いったい何を考えていたんだ?ん〜、シ・ン・ジ>

 

「・・・」

 

<安心しろ、シンジ。俺が14の時と言えばそれはもう・・・>

 

「おじさん」

 

<・・・は?>

 

「リュウヤ叔父さん」

 

その声色から危険なモノを感じる。

 

<シ、シンジ?>

 

「何?お・じ・さ・ん」

 

<すまん、俺が悪かった。だから叔父さんはやめてくれ。な?頼むから兄さんにしてくれよ>

 

「・・・」

 

<頼むから許してくれよ〜。もうからかったりしないからさ。ね?シンジ様>

 

「わかりましたよ、兄さん」

 

<ありがとう、シンジ>

 

「でも・・・」

 

<でも?>

 

「大きかった・・・胸」

 

<アハハハ、そうだシンジ。それでこそ漢だ!>

 

「それよりミサトさんまだ目を覚まさないね」

 

<起こしてやればどうだ?>

 

「そうするね」

 

そう言うとシンジはシフトノブに置いていた手をを離すとミサトの体を揺する。

 

「ミサトさん、起きてください。ミサトさん」

 

「・・・う〜ん。あ、あれ、シンジ君。ここは・・・あれ、どうしてシンジ君が私の車運転してるの?それよりシンジ君14歳でしょ。何で運転できるのよ。あれ?赤い目?」

 

「ミサトさん、しっかりしてくださいよ」

 

そう言うとシンジは車を路肩に止めた。

その時すでにシンジの瞳は漆黒に戻っていた。

 

「あれ?黒いわね。おっかしいわね、見間違いかしら?」

 

そう言いながらもシンジと席を替わるミサト。

運転席に座るととたんに目つきが変わるミサト。

 

「さーてと。じゃあ改めてよろしくね、シンジ君」

 

「はい、こちらこそよろしくお願いします。ミサトさん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特務機関ネルフ、司令室。

 

「そうか、わかった」

 

冬月が受話器を置く。

そしてゲンドウとユイの方を見ると言った。

 

「もうすぐシンジ君が来るようだ」

 

「そうか」

 

「いいのか」

 

「レイにはまだ無理だ。ほかに手段はない」

 

「それはそうだが・・・」

 

「あなた、私はEVAの発進準備を急ぎます」

 

そう言うとユイは司令室を出ていった。

そして残された二人の男たち。

 

「辛いな」

 

「ああ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(戻って来ちゃったね)

 

<良かったのか?>

 

(うん・・・事情はわかってるから)

 

ゲートを通過した車はカートレインに乗る。

その時ミサトが話しかけてきた。

 

「ねえシンジ君、お父さんから来た手紙持ってる?」

 

「いえ、捨てました」

 

そう言って会話が終わってしまった。

沈黙。

ミサトの額に青筋が浮いている。

 

<おお〜、怒ってる怒ってる>

 

「ミサトさん、手紙がどうかしましたか?」

 

「な、何でもないのよ」

 

「あ、でも何かカードもあってそっちはとっときましたよ」

 

「そう、じゃあそれ貸して・・・」

 

シンジはズボンのポケットを漁ってカードを取り出そうとする。

 

「あ・・・」

 

<あらら・・・>

 

ポケットから二枚の板を取り出す。

それを見てミサトの顔が引きつる。

 

「折れちゃいました」

 

そう言ってミサトに渡す。

何とか怒りを抑えるミサト。

 

「まったく・・・後これ読んどいて」

 

そう言ってミサトは冊子をシンジに放った。

そのタイトルを見て苦笑いするシンジ。

 

<センスってもんが無いな>

 

その中身をぱらぱらと見る。

全て知っている内容。

そして重要な事は何一つ書かれていない。

そしてその冊子を後部座席に放り投げるシンジ。

 

「どうしたの・・・読まないの」

 

「必要ありません」

 

そんなシンジを不思議そうに見ているミサト。

 

(な〜んかやりにくいわね。この子、ホントに中学生?)

 

確かに中学生である。

ただ少し特殊なのだ。

ほんの少し・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ここもう三回目だね)

 

ため息混じりのシンジ。

それもその筈である。

現在ジオフロントの中にいるのだが、案内してくれるはずのミサトが迷っている。

 

「ミサトさん」

 

「おっかしいわね〜。ちょっち待っててね、すぐ着くから」

 

<そのセリフはもう6回目だ。無能な奴>

 

苦笑いするしかないシンジ。

いかに忍耐強いシンジといえどもいい加減イヤになってきた。

 

<どうするシンジ。こいつは置いて俺達だけで行くか?>

 

こいつ・・・ミサトはキョロキョロしている。

 

(何か詐欺にあったみたい・・・案内するって言って迷わされた)

 

<葛城ミサト・・・外見は良いんだがな>

 

(中身が・・・ね)

 

結局ミサトはどこかに電話しようとした。

その時。

シンジは懐かしい声を聞いた。

もう別れて何年になるか。

愛しい妹。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お兄ちゃん!」

 

 

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

<あとがき>

どうも、ささばりです。

第3話なのにまだエヴァに乗っていません。

何時になったらアスカが出るのやら・・・。

頑張って書かないといけませんね。

ご意見ご感想も是非お願いします。

それでは。

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妹!?(@_@;)ほげっ

というわけでささばりさん、第三話ありがとうございますー。\( > 0 < )ありがとー

妹ってレイの事ッスよね〜。ってことは、レイはクローンでは無いのでしょうか。
しかし、赤い目ってのがひっかかりますな。そして、シンジ君の中にいるリュウヤも赤目だったと。
この辺まだ色々ウラがありそうですね。(ニヤリ)←?

ところで、このシンジ君って貞本エヴァのシンジ君っぽいですね〜。
このひねたガキっぽさが良いデスな。(爆)

さあ、次回。妹の正体は誰なのか?そしてミサトに挽回のチャンスはあるのか!?(爆)
さっそく、ささばりさんに感想を書いて続きを書いて貰おー。\( ^ _ ^ )うりゃ

ささばりさんへの感想はここです。

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ここから是非感想を送るのだー。\(●> _ <●)おーっ

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