青春の光〜言えなかったコトバ〜
第4話『それは突然に』
寂しかったんだ,ずっと。
あのときからずっと。
もう,一人じゃないよね。
『大丈夫,わたしがずっとそばにいてあげる』
ホント?
『本当よ,だからもう泣かないで』
・・・・・
・・・・・
・・・・・
「おっきろーっ!!この寝ぼすけ!!」
「う、うわああっ!!」
さわやかな朝,そして心地いい夢。
それが一瞬にして吹き飛ばされた。
アスカの大声で。
昔からアスカの起こし方は乱暴だったけど,何も耳そばで大声出す事ないじゃないか。
さわやかな朝が台無しだよ。
僕はまだ焦点が合わない目で隣にいるであろうアスカの方に振り向く。
アスカはいつものように腰に手を当てたスタイルで仁王立ちしていた。
そして顔には悪戯が成功した子供のような笑顔を浮かべている。
「やっとお目覚めね,バカシンジ」
「アスカ,せめてもうちょっと静かに起こしてくれない?」
「何いってんの!静かに起こしてたらアンタ起きないでしょう。
起こしてもらえるだけ感謝しなさい」
「全く,せっかくいい夢見てたのに」
「どんな夢よ」
「それは・・・・・・秘密」
「何よ,私に言えない事?」
「そ,そう言うわけじゃないんだけど・・・・・」
「だったら言いなさいよ」
アスカはそう言いながら僕に顔を近づけてくる。
まいったな,まさか寂しかったなんて言えるわけないし。
どうしよう・・・
「アスカー,碇君起きた?
ご飯できたから降りてきて」
丁度いいタイミングで洞木さんの声が聞こえた。
アスカも一瞬僕から注意を外す。
僕はその隙に逃げるように階段を降りて行った。
「こ,こら!待ちなさいバカシンジ」
アスカの静止を振りきって僕はひとまず逃げる事に成功した。
僕だけパジャマのまま朝食を食べた。
相変わらずアスカはしつこく聞いてきたけどなんとか僕はそれをかわす事に成功した。
皆がご飯を食べ終わったのを見計らってトウジが席を立つ。
「ええと,この後しばらく休憩した後10時から登山に出発や。
山の手前までバスに乗ってバスを降りてからは徒歩。
帰ってくるのは大体3時か4時くらいやな。
まあ,ここらへんは事前に言ってたとうりや」
今日のメインイベントは登山だ。
さしろ
近くにある差城山という山に登り行く。
差城山は標高1200メートルくらいの休火山だ。
休火山といっても前に噴火したのが300年前くらいらしいからほとんど死火山のようなものだ。
自然と触れ合う―というのが今回の趣旨らしいけどこれはぴったりだと思う。
しかも今日は晴天で降水確率もゼロ。
登山には適した日だ。
きっと頂上に立ったら気持ちいいだろうな。
僕はお茶をすすりながらそう考えていた。
「じゃあ,出発ね」
アスカはそう言うとケンスケに自分の持っていた荷物を放り投げる。
続いて綾波もケンスケに荷物を渡す。
洞木さんはトウジに荷物を渡した。
そして女の子達は手ぶらで僕達の前を歩き始める。
「どういう事?」
僕はとりあえず後ろいる二人に聞いてみた。
「何も聞かないでくれ,シンジ」
「わしらも辛いのや」
おそらく昨日の覗きがばれたのだろう。
で,おそらくこれがその罰,といったところだね。
だから止めなってあれほど言ったのに。
今日は登山だって言うのにそんなに荷物抱えてどうするんだよ。
僕は二人に同情半分,呆れ半分の視線を向け前へと進み出した。
「でも,今日はいい天気でよかったわね」
にこやかに微笑みながら洞木さんがそう言う。
「ホント,山登りには絶好の天気よね」
「そうねえ,これであの変態二人組みがいなかったらもっといい気持ちなんだけどなあ」
軽蔑が混じった視線でアスカはケンスケ達を睨みつける。
アスカがそう言うと綾波達も無言で頷く。
トウジは一人肩を震わせているけど言い返せないらしく一人地面の石ころにあたっていた。
ケンスケは2人分の荷物を抱えて反撃するだけの気力が残ってないようだった。
この先こんな調子で大丈夫かな。
女の子達が先に歩いて僕がその少し後ろを歩き,ケンスケ達がさらに僕に後ろを歩く。
そんな感じでしばらく山を上って行った。
前の女の子達は歩きながらも楽しくお喋りしている。
ケンスケ達は話す余裕なんかない様子でさっきから一言も喋ってない。
とくにケンスケは持っている荷物が多いだけに見ているこっちまで辛そうな表情だ。
途中何度か手伝おうかと言ったけど女の子達の強力な反対により僕の提案はあえなく却下された。
トウジ,ケンスケ,ごめん。
僕はすれ違う人達と挨拶を交わしながら山の雰囲気を楽しんでいた。
眼下に広がる濃緑色の絨毯。
周囲から響く野鳥の鳴き声。
真上から照らす太陽。
木々の間から漏れる風。
蒸し暑く,体は汗だらけだったけれどそよ風が吹いているせいか,なぜかすがすがしい気分だった。
今歩いている山道は道と呼べるものではなくかなり荒れている。
大きな岩が道の真ん中にあったり,道が崩れていてがけのようになっているところもある。
それらをひょいひょいと跨ぎながら僕達は頂上を目指した。
1時間半くらい経っただろうか,ようやく休憩所らしいところに出た。
丁度裾野が切り開かれて奥にはトタンで出来た休憩所があった。
どうやらもう少しのぼると頂上に着くらしい。
とりあえず僕達は休むのは後にして頂上を目指すことにした。
さっきよりも多くの人とすれ違う。
そして十分くらい登ると頭上を覆っていた木々が突然開け,大空が姿をあらわす。
女の子達は空を見るや否や足早に駆け上って行く。
「うわー,すごーい」
360度のパノラマに洞木さんが驚嘆の息をもらす。
「シンジ,来てみて。あんな遠くまで見える」
アスカは,はしゃぎながら大きく手を振って僕を呼ぶ。
「うわっ,ホントだ。あんな遠くの山まで見える」
「ね,シンジ写真とろうよ」
「別にいいけど・・・・」
僕がそう言うとアスカは洞木さんでも綾波でもなく近くにいる見知らぬ人達に頼んだ。
「・・・じゃ、おねがいします」
アスカはカメラを渡すと僕の右に立った。
いつもなら僕を押しのけてでも前に出るアスカが今日に限って僕の横にくる。
そしてアスカは周囲を見渡すと僕の腕に自分の腕を絡めてきた。
「ア,ア,アスカ?」
突然の行動に驚いた僕は顔が熱くなるのを感じ,どもりながらゆっくりとアスカのほうを振り向く。
アスカは,はにかむような笑顔を浮かべて上目づかいに僕のほうを振り向く。
ちょっぴり拗ねたような,それでいて恥ずかしそうな表情。
その表情に見とれた僕は心臓の鼓動をますます加速させる。
アスカは絡める腕に力をこめる。
「いいじゃない・・・・・ね」
「う・・・・・・うん」
アスカの声に僕は思わず反射的に頷いてしまった。
僕の横で小さくなるアスカ。
これほど『可愛い』と言う単語がぴったりなアスカも珍しい。
「じゃ,お願いしまーす」
「じゃ,いきますよ。
ほら,彼氏もっと笑って。顔引きつってるよ」
「ハ,ハハ・・・・」
僕は顔が引きつるのを必死に押さえながら無理やり笑顔を作った。
「「ありがとうございました」」
僕達はお礼を言ってからとりあえずその場を離れた。
アスカは写真を取り終えるとすぐに腕を解いて洞木さんの所に駆け寄って行った。
ケンスケ達がいないところを見るとまだここまで上がってこれないらしい。
ふと視線を移すとそこには膝を抱えてうずくまっている綾波の姿があった。
ここから見える綾波の表情はすがすがしそうなアスカ達のそれとは正反対な暗く沈みこんだような顔をしていた。
「どうしたの,綾波。
気分でも悪いの?」
「大丈夫,何ともないから」
そう言う綾波の表情は真っ青で見るからに体調が悪そうな感じだ。
綾波は元々体が弱い。
よく炎天下の朝礼なんかで校長先生なんかが長い挨拶をしていると貧血で倒れるような人いるだろう?
綾波はそんな感じの娘だった。
登ってきたときは辛そうな素振りは見せなかったけど今の綾波は見るからに辛そうだ。
「ぜんぜん大丈夫そうじゃないよ。
顔なんか真っ青だし,見ているこっちまで辛くなりそうだよ」
「大丈夫よ,今はちょっと疲れただけだから。
少し休めばよくなるわよ」
「そう・・・・,でも少しでも辛くなったらすぐ僕達に言いなよ」
「うん,ありがと。そうする」
そう言って向けた綾波の笑顔はどこか無理しているような感じがした。
「や,やっとついた」
「もう歩けへん,限界や」
やっとケンスケ達が頂上につく。
二人は肩で大きく息をしながらその場にガックリと膝をついて倒れこんだ。
こちらも辛そうだ。
でも自業自得だからしょうがないか。
二人が倒れこんでいると僕達の前にアスカ達が来た。
「やっと来たわね,あのバカども」
「アスカ,この辺で許してあげれば」
「ダメよ,ヒカリここで妥協したら奴らまたやるに決まってるんだから。
仕返しするなら徹底的にやらなくちゃダメよ」
「でも・・・・・」
「でも,じゃないわよ。
ねえ,レイもそう思うでしょ?」
「う,うん・・・・」
綾波は出来る限り元気に振舞おうとするけどどうしても疲れは隠せない。
アスカは綾波の異変に気づいたようだ。
「ちょっとアンタ顔色悪いじゃない,大丈夫なの?」
「大丈夫よ,少しつかれただけだから」
「ぜんぜん大丈夫じゃないじゃない。
顔なんか真っ青だし,なんかさっきから静かだと思ったらやっぱり調子が悪くなってたのね」
「そうなると早めに山を降りたほうがいいかも」
「大丈夫,ホント大丈夫だから。
少し休めばよくなるわよ」
綾波は洞木さんの言ったその言葉を恐れるように必死にそう言う。
「まあ,あんたがそう言うなら・・・・
でもアンタは昔から体弱いくせに無理するところあるからね,また具合悪くなったら私達に言うのよ」
「うん,わかってる」
「じゃ行きましょうか」
洞木さんの言葉を合図に皆再び歩き始めた。
とりあえず下の休憩所で昼食にする為だ。
綾波も重そうに体を上げて立ち上がる。
「ほら,この2バカいつまで寝てるのよ。
さっさと起きなさいよ」
アスカは倒れこんでいるケンスケ達を見下しながらそう言う。
やがてその言葉に反応したのかケンスケ達がゆっくりと立ち上がる。
「も,もう行くのかよ。少しは休ませてくれよ」
「もう,堪忍してえな」
「だからこれから休むんでしょう,さっさと歩きなさいよこの変態ども」
もう反撃する気力も残ってないのか二人はアスカにそう言われても何も言い返すことなくとぼとぼと僕達の後ろを歩き始めた。
哀れ,だな。
そして昼食,トウジとケンスケはまるで何かに取りつかれたように弁当を食べつづけている。
僕達は会話を楽しみながら食べていたけど二人はただひたすら箸を動かし続けていた。
そして僕達が半分も食べ終わらない内に二人とも食べ終わってしまった。
まあ,疲れていたのだから仕方ないか。
そして横にいる綾波に視線を移すと綾波は弁当をほとんど食べずに黙ったまま弁当を見つめつづけていた。
「どうしたの,食欲ないの?」
「うん,ちょっと食欲がないの」
「ダメだよ,食べないでいたらますます体力がなくなっちゃうよ。
せめてこれくらい食べなくちゃ」
「うん」
僕にそう言われて綾波は食べ始めた。
すこしずつ,まるで押しこむように弁当を口に運ぶ。
「アンタ,本当に大丈夫なの?」
心配そうな表情でアスカが綾波の顔を覗き込む。
「大丈夫だって」
綾波は無理やり作ったような笑顔でアスカに微笑み返した。
しかしアスカはその笑顔に答えることなく怪訝そうな表情を浮かべるがそれ以上綾波に体調のことを聞くのを止めた。
僕もあまり言うのもしつこいかと思ってそれ以上聞くのを止める事にした。
食べ終わってしばらく僕達は談笑しながら休んでいた。
洞木さんがちらりと腕時計を見る。
「じゃ,そろそろ行きましょうか」
洞木さんの掛け声とともに皆立ち上がり再びケンスケ達に荷物が渡された。
すっかり許されたものだと思っていた二人はガックリと肩を落としながらも荷物を抱えた。
そして再び来た道を今度は下っていく。
山は下るほうが危ないので慎重に足元を見ながら歩いていく。
転ばないように気をつけながら足を運ぶ。
時間は丁度1時半,日の光が真上から降り注ぐ。
しかもさっきまで吹いていたそよ風も止んでしまい,ただ真夏の蒸し暑さがあたりに充満する。
セミの鳴き声が暑さを加速させより多くの汗を誘う。
体中から溢れ出る汗が気持ち悪い。
額から流れる汗を腕で拭いながら僕は歩いた。
それからしばらく経ったころ,前を歩く綾波の歩調が乱れてきた。
なんとなく足がふらついていて危なっかしい。
やはり疲れているのかな,なんて思っていた矢先,綾波が足を踏み外したかと思うとそのまま後ろにいる僕に向かって倒れこんできた。
「綾波!?」
僕は急いで綾波のそばに駆け寄り,倒れる綾波を後ろから抱きとめる。
綾波は力なく僕によりかかってきた。
「綾波?綾波?」
呼びかけても綾波は答えようとはしない。
綾波は肩で荒く息をして,顔を真っ赤にして火照らせている。
額に触ってみるとかなり熱もあるようだ。
「ちょっとレイ,どうしたの?」
僕の声に振り向いてアスカも駆け寄ってきた。
後ろにいるケンスケ達も駆け寄ってきて綾波に心配そうな視線を向ける。
「わからない,ちょっと歩調が乱れたかな,と思ったらいきなり倒れたんだ」
「この暑さだから軽い熱射病にでもなったのかも。
レイ,昔からよくなってたし」
綾波の顔を覗き込みながらアスカがそう言う。
幸い,山を降りるまでもうすぐなのでこのまま綾波を運んで山を降りる事になった。
綾波の額に水で濡らしたタオルを鉢巻のようにして巻きつける。
そして僕は荷物をトウジに預けて綾波を背負った。
綾波の体は軽く,僕でも背負う事が出来た。
山を降りるところまで来ると綾波もだいぶ落ち着いた様子だった。
乱れていた呼吸も今ではだいぶ落ち着いている。
僕は少し安堵の息を漏らした。
皆,綾波が落ち着いて来た事を知ると顔を少しほころばせる。
ただ,アスカだけは怒っているような,悲しいような,そんな複雑な視線を向けていた。
それが僕かそれとも綾波に向けられていたのかは僕にはわからなかった。
そしてそれを聞く勇気さえ僕にはなかった。
綾波をベッドに寝かせて僕達はひとまずリビングに集まっていた。
「じゃ,そろそろええな」
トウジは軽い堰払いをすると立ち上がって皆を見渡す。
「このあとはしばらく休んで皆で夜の花火大会やけど綾波がいなくなっても皆で行こうと思っとるけど皆はどう思う?」
「アタシもアンタに賛成ね。
自分が原因でイベントが中止になったなんて知ったらレイ,きっと悲しむもの」
「私もアスカと同じ。
出来れば皆で行きたいけど皆で行けないからって中止にするのってレイが一番嫌う事だものね」
「俺もそれでいいと思う」
「僕も」
「よし,なら決まりやな。
花火大会は午後7時からや。
6時に夕飯食って,食い終わったら皆で出かけようや。
今は4時だから夕飯まではひとまず休憩や」
トウジがそう言うとみんな席を立ってどこかに出かける。
僕はとくに予定がなかったのでひとまず部屋で休む事にした。
しばらく音楽を聞きながらベッドに寝ていたけどなんか退屈なので綾波の様子を見に行く事にした。
隣の綾波の部屋のドアを軽くノックする。
すると中から返事が返ってきた。
それが綾波の声なのかはちょっとわからなかったけど,とりあえず中に入ることにした。
「綾波,入るよ」
ドアを開けると綾波はベッドに体を埋めていた。
僅かに胸が上下しているところを見るとどうやら眠っているらしい。
当然返事をしたのは綾波ではない。
返事をしたのは綾波の隣のベッドに座りこんでいるアスカのようだ。
「綾波,どう?」
少し驚いたような表情をしているアスカに向かって僕は小さな声で尋ねた。
「う,うん。だいぶ落ち着いてきた」
「そう,よかった」
そう言って僕はアスカの隣に腰を下ろす。
アスカは僕から視線を外すと何やら複雑な表情で綾波を見つめる。
何を思っているのかは読み取れないけど少なくとも嬉しいというような感じではない。
どちらかというと何か悩んでいるような,そんな感じだ。
なんとなく話しかけずらい雰囲気に押されてしまって僕はアスカに何も話しかけることなく横に座っていた。
僕はその間ずっと綾波の顔を見つめていた。
綾波は綺麗な寝顔で小さく寝息を立てている。
ここに運ぶ前までは熱もあったけど今ではかなり熱も引いてきたようだ。
倒れた時はどうなるかと思ったけどこの状態を見る限りではもう大丈夫なのだろう。
一体どれくらい時間がたったのだろう?
綾波は体をもぞもぞと動かし始めると「ん・・・・・」という小さな声とともに瞼をゆっくりと開き始めた。
「綾波?」
「レイ?」
僕達の呼びかけに反応した綾波は首だけをゆっくりとこちらに向けた。
「アスカ,碇君。
・・・・・・・・・あれ?どうして私寝ているの?」
「アンタ覚えてないかもしれないけど山降りている途中で倒れちゃったのよ。
軽い熱射病らしいけど,体の調子はどう?」
「そうなんだまた・・・・・・・・・・。
体のほうはちょっと具合悪いかな?」
「まだ寝ていたほうがいいよ。
なにか欲しいものある?」
「大丈夫,とくに何もいらない。
それに・・・・・ごめん・・・・・・・・旅行に来てまで皆に迷惑かけるような事しちゃって。
ホント,自分で嫌になっちゃうこんな体。
皆と満足に歩く事すら出来やしない・・・・・・・・いつも,いつも,皆の足引っ張ってばかりで」
「そんな・・・僕達は迷惑なんて思ってないよ。
綾波の事を気遣ってやれなかった僕達にも責任があるんだから」
「そうよ。それにね,そんなネガティブな考えしてたんじゃ治るものも治らないわよ」
アスカがそう言うと綾波は泣きそうになっていた表情を緩ませうっすらと笑みを浮かべた。
「ありがとう,二人とも。
昔からそうだったよね,私がこうやって体の調子が悪くなって落ちこむと決まって二人が励ましてくれて。
覚えてるかな?中学の修学旅行のとき途中で私が具合悪くなって自由行動の時間だって言うのにつきっきりで私のそばにいてくれて・・・・・・
あの時は私すごくうれしかった」
「そうね,そんな事もあったわね」
「でも病人のそばにいるのは当たり前だから」
「ところでさ,ここまで運んでくれたのやっぱり碇君?」
「あ,そ,そうだけど」
「ごめんね,私重かったでしょ」
「そ,そんな事なかったよ」
「ホント?嘘つかなくていいのに」
「嘘なんかついてないよ。綾波軽かったよ,ホント」
「ありがとう,ここまで運んでくれて」
「あ,い,いや,そんな・・・・」
綾波のまっすぐな視線に少し視線を外して俯きながら僕はそう言った。
僕が俯いていると脇腹に突然激痛が走る。
振りかえって見るとなぜかアスカが脇腹をつねっていた。
「アスカ,いたいよ。何でつねるのさ」
「フンッ,知らない」
アスカはそう言ったきりプイと僕から顔をそむける。
「アンタもそんなに元気あるんならもう大丈夫でしょ。
ほら,シンジ行くわよ」
「ちょと待って」
僕の腕を取って部屋を出て行こうとしたアスカを綾波が呼びとめる。
「大事な・・・・大事な話があるの」
「う,うん」
いつに無い真剣な綾波の表情に興奮していたアスカも静かになってしまった。
僕達は再びベッド座りこむ。
「ねえ,アスカ。
あなたの好きな人って碇君だよね?」
「え・・・・・やだ,レイったら突然何言い出すのよ。
私達は幼なじみよ,ただの・・・・そうよね,シンジ」
「・・・・・・・・・綾波。
どうして,そんな事・・・・・・」
僕はアスカの言葉に答えることなく綾波に話しかける。
綾波は苦しそうな顔をしながらも笑顔を作り僕に向けた。
「うん,私碇君の事好きなの。
出来れば私と付き合って欲しいなって思って」
綾波の言葉に僕達はしばらく言葉を失った。
どうもです,さくぎんです。
だいぶ遅れましたが第4話です。
ああっ,皆さんごめんなさい。
最後でとうとうやってしまいました。
今まで散々怪しい流れを作ってとうとうここまで来てしまいました。
いよいよ物語りも佳境です。
おそらく後2話くらいで終わると思います。
シンジはどう綾波の気持ちに答えるのか,お楽しみにしていてください。
感想など頂けるとうれしいです。
でわでわ
>綾波の言葉に僕達はしばらく言葉を失った。 ドラえぽんは気を失いました。(爆)
ぐっああー、中盤でアスカ様とシンジ君がいい雰囲気かと思いきや..。( - _ -;)うひー うう、何かレイが卑怯に見えるのはドラえぽんだけですか?うーむ シンジ君、頼むぜー。全国推定500万人のLAS人を裏ぎらんでくれー。\( > 0 < )/くえー さあ、アスカ様ピンチです。皆さん、熱い思いをさくぎんさんに伝えるのだー。\(●> _ <●)つたえなきゃだめだめよ |
さくぎんさんへの感想はここです。
または簡単感想用掲示板へどうぞ。
◎感想用フォームです。2,3行の感想でも作者さんは嬉しかったりするのだ。