青春の光〜言えなかったコトバ〜
第2話 『昔のままで』
水月さんが入れてくれたアイスティーで喉を潤しながら僕達は談笑していた。
アスカのドイツでの話,僕達の高校の頃の思い出,自分の通っている大学の話。
いくら話しても話の種は尽きない。
普段はあまり話さない僕でも久しぶりに話の輪に入った。
こうやって話しているだけでも楽しくて,時が過ぎるのを忘れてしまいそうだった。
だけど僕がトイレから帰ってくるとさっきとは打って変わってリビングは静まり返っていた。
ただ一人だけ,綾波がソファーに座り込んでいた。
「あれ,みんなは?」
「ヒカリとアスカは外に行ったよ。町を見てくるんだって」
「ふうん,トウジとケンスケは・・・・・・どうせナンパか。
・・・・・綾波はどうしてここにいるの?
アスカ達と一緒に行かなかったの?」
「いや・・・・そのぉ・・・・私も一緒に出かけたら碇君が独りぼっちになっちゃうじゃない。
だから・・・・・」
体を小さくして俯きながら綾波がそう言った。
膝の上に手を乗せて肩を狭めながらもじもじしている綾波は見ているこっちが赤面するくらい可愛かった。
「待っててくれたんだ」
「まあ・・・・ね」
「じゃ,僕達も出かけようか」
「オーケー!そうしましょ」
綾波は元気よく返事するとこぼれ落ちそうな笑みを僕に向けた。
7時に夕食との事なのでそれまでには帰ってきてくださいと水月さんに言われた。
今が丁度3時だから時間的にはまだ余裕がある。
ちょっと距離があるけど僕達は駅前まで行くことにした。
今日は気温はかなりあるけどそよ風が吹いているせいか,そんなに不快な感じはしない。
風が僕の体をなで,僕は森の匂いを思いっきり吸いこむ。
「なんか今日は静かじゃない」
「いや,こういうのも気持ちいいなって」
「そうね,確かにいいわね」
綾波の顔を風が撫でていく。
蒼銀の髪が時折風に揺られる。
微笑を浮かべている綾波に僕は思わず・・・・・見とれてしまった。
僕の視線に気づいたのか綾波がこちらを振り向くといつものような悪戯っぽい笑みを浮かべる。
「あーっ,今私に見とれてたな」
「そ,そんなんじゃないよ」
「いいの,いいの。レイちゃんはわかってるんだからぁ」
「まいったなあ」
確かに綾波はきれいだけどなんか今日の綾波はいつもと違う感じだ。
なんていうか・・・・・輝いているって感じかな。
「何かうれしい事でもあったの?」
「うん?」
「いや,なんか。今日の綾波はいつもと違うから」
「そうかな?きっと碇君と一緒にいられるのがうれしいのかも」
「またそんな事言う」
「あははっ,でも半分はそのせいだよ」
「え・・・・?」
思いがけない綾波の答えに僕は声を失ってしまった。
そんな僕にかまうことなく綾波は微笑を浮かべながら話を続ける。
「だってさ,碇君と二人っきりで歩くなんて最近はなかったじゃない」
「そうかな?」
「大学に行ってから二人でどこか行くのってあまりなかったもんね。
高校のころは二人で良く出かけたけどさ」
「そうだね」
それっきり僕達は無言になってしまった。
綾波はあれっきり黙ったまま俯いている。
ちょっとした気まずさを感じながら僕達は歩いて行った。
そしてしばらく歩っていると綾波が立ち止まる。
「ねえ,碇君」
「何かな」
「碇君にとって私って何?
友達?それとも・・・・・・」
綾波からの突然の言葉に僕は驚いて何も言えなかった。
まるで体が固まってしまったかのような感じを受ける。
だけど僕は少しづつ言葉を紡ぎ出そうとした。
「ぼ,僕は・・・・」
「なーんてね,冗談よ」
僕が言い始めたとたん,僕の言葉を遮るように綾波が今までとは打って変わった明るい調子でそう言った。
悪戯が成功して喜んでいる子供みたいな顔をしながら。
「ああーっ,僕を騙したな」
「ふふん,騙されるほうが悪いのよ」
「そうやっていつも僕の事からかうんだから」
「碇君はあの後なんて言ってくれる予定だったのかな?
まさか私の事好き,とでも言ってくれる予定だったのかな?」
「知らないよっ,もう」
僕はそう言うと綾波から顔を背けてそのまま歩き始めた。
後ろから綾波が待ってと言っているけど僕はかまわず歩くスピードを上げる。
そのまま早歩きしていると左腕に何かぶつかってきた。
ゆっくり左腕を見てみると僕の左腕に自分の右腕を絡めている綾波の姿があった。
綾波は少し恥ずかしそうに顔を赤らめながらも腕に力をこめる。
「ああああ,綾波?」
思ってもいない展開に僕はうまく言葉が出ない。
どうしていいかわからず,あたふたとしていると綾波はさらに腕に力を入れる。
「いいじゃない。たまには・・・・ね」
「う・・・うん」
少し恥ずかしそうにそう言う綾波に思わず僕は反射的にそう言ってしまった。
僕は腕に柔らかい感触を感じながら無言で歩いた。
さすがに駅前は多くの人がいた。
今から来る人や帰る人で駅前は賑わっている。
「ねえ,ねえ,碇君。あっち行こう,あっち」
「うん」
綾波につれられたところはきれいなガラス細工が置いてある店だった。
きれいな細工を施されたグラスや花瓶などが所狭しと並んでいる。
どれもきれいで僕達はしばらくガラス細工に見とれていた。
「ああーっ,これ綺麗」
どこか聞いた事のある声が大きくない店内に響く。
僕と綾波は顔を見合わせるとその声のする方向に目を向けた。
そこには僕達と同じようにガラス細工に見入られているアスカと洞木さんの姿があった。
「アスカぁー!」
さっきのアスカの声よりも数倍大きい綾波の声が店内に響く。
綾波はさらに左手を大きくぶんぶんと振って自分の存在を知らせる。
綾波は気づかないのか気にならないのか,周りの視線に臆することなく手を振りつづける。
はっきり言って僕は恥ずかしい。
「あれ?シンジとレイじゃない」
「あ,ホントだ」
二人が綾波と僕を確認すると綾波は腕を組んだまま僕を引きずるようにアスカの前に行った。
「ち,ちょっと綾波。
腕・・・・離してくれないかな?」
僕がそう言うと綾波はますます腕に力をこめてさらに体を密着させてくる。
そして腕を組んだままアスカの前に立った。
「偶然ね,こんなところで会うなんて」
あくまで綾波はにこやかに話す。
「ホント,レイと碇君にこんなところであうなんて思わなかった」
「ま,そんなにたくさん店があるわけじゃないしね・・・・・・・・ってアンタ達」
話している途中でアスカの顔が一瞬曇ったかと思うと次の瞬間顔を赤くしながら僕を睨む。
「あ〜ら,仲良く二人で腕なんか組んじゃって。
お邪魔しちゃいましたわねえ。
二人で仲良くしてればいいじゃない。
邪魔ものは消えましょ。
行こっ,ヒカリ」
そう言うとアスカはくるっと振り向いてそそくさと店を出て行こうとする。
「ち,ちょっと待ってよアスカ」
急いで洞木さんも後を追いかける。
どうやら僕達は恋人と勘違いされてしまったらしい。
なんでアスカが怒っているのかわからないけどとにかく誤解だけは解かなくちゃ。
「ごめん,綾波。ちょっと行って来る」
僕はそう言うと腕を振り払ってアスカを追いかけた。
人込みの中に消えそうなアスカを必死で追いかける。
ようやく追いつき僕はとりあえずアスカの手を取ってアスカを止めようとした。
「ちょっと待ってよ,アスカ」
「何よ,デートの途中なんでしょ。
私なんかにかまってないで早くレイのところに行ってあげればいいでしょう。
手,離してよ。このスケベッ」
アスカはそう言いながら手をぶんぶんと振り回して僕の手を振り解こうとするが僕の手はアスカの手首をがっちりと握って離さない。
「何怒ってんだよ,それに綾波とはなんでもないってば」
「じゃあ,アンタはなんでもない人と腕を組むってわけぇ?」
「そ,それは・・・・・綾波が組んできたから仕方なく・・・・・」
「ふーん,そう。じゃあアンタは相手が腕組もうとしてきたら誰とでも組むんだ」
「そんな事言ってないだろう。
大体アスカはなんで怒ってるんだよ」
僕がそう言うとアスカは俯きながら肩をわずかに震わせる。
「バカッ,アンタなんか知らない!」
そう僕に言い放つとアスカは思いっきり僕に平手打ちを食らわせた。
突然の平手打ちに僕はつかんでいた手を離してしまった。
そしてアスカは人込みの中に走り去って行った。
僕は頬を押さえたまま立ち尽くす事しか出来なかった。
僕が綾波のもとに戻るとそこの綾波の姿はなかった。
しばらく辺りを探してみたけどどこにもいない。
さっきの店の人に聞いてみたら僕がアスカを追いかけた直後にこの店から出ていってしまったらしい。
しかも僕が行った方向とは逆方向に。
そして僕は綾波が行った方向も探してみたけどやっぱり綾波の姿はなかった。
どうやら一人でどこかに行ってしまったらしい。
念の為ペンションにも電話を書けてみたけど綾波は帰ってないとの事だった。
仕方がないので僕は綾波を探すついでに辺りを見て歩く事にした。
駅周辺は散々探したから別のところに行くことにした。
どうやらペンションとは逆のほうに行くと滝があるらしいのでそっちのほうに行くことにした。
でもなんで綾波は居なくなってしまったんだろう。
さっきまであんなに楽しそうにしてたのに。
アスカも僕が綾波を腕を組んでいただけで怒るし。
なんか来た早々まずい事になっちゃったな。
後でアスカに謝っておかなくちゃ。
そんな事を考えながら歩っていると遠くからドドド,という音が聞こえてきた。
その音のするほうに歩って行くと目の前に滝が飛び込んできた。
大体高さは10メートルぐらいだろうか,高さはそれほどでもないけど幅がかなりあるので結構迫力がある。
そしてその下流には大きな川原が広がっている。
そう言えばケンスケが川原でバーベキューやるって言っていたけどここでやるのかな?
川原には多くの旅行者がバーベキューをしたり川の中に入って泳いだりしている。
水がすごく綺麗なのでこの中で泳いだらきっと気持ちいいだろう。
時間的にも夕食時なのであちらこちらでバーベキューをやっている。
辺りには肉が焦げるいい匂いが漂い,僕の鼻を刺激する。
時計を見てみるとすでに時間は6時45分。
そう言えば水月さんが7時に夕食だって言っていたな。
そろそろ帰るとしよう。
そして僕は来た道を戻ってペンションに向かった。
ペンションに着くと既に皆揃っていた。
トウジやケンスケはともかく,アスカや洞木さん,綾波も・・・・いた。
皆楽しそうに談笑しながら夕食を待っていた。
とりあえず皆いるみたいなので僕は安心した。
でも,アスカは僕と顔を合わせようとしなかった。
綾波も何か気まずそうに僕と顔をあわせようとしない。
後で二人と話してみよう。
「皆さん,夕食が出来たのでどうぞ」
水月さんの呼びかけで僕達が食堂に行くと大きなテーブルいっぱいにおいしそうな料理が並んでいた。
メインはハンバーグだけどそのほかにもスープやサラダなどが置かれている。
どれも綺麗に盛り付けられていて美味しそうだ。
「うん,これは美味いわ」
いつのまにか食べ始めていたトウジが料理を口の中に放り込みながら感想をもらす。
「鈴原!アンタ何もう食べてんのよ。
もうちょっと行儀よく出来ないの?」
「そんなん言われても,腹減ってるんや。
堪忍してーな」
「せめて皆席に着くまで待てないの?
全くバカなんだから」
「いいですよ,喜んで頂ければ。
さ,皆さんもどうぞ」
水月さんに言われて僕達も席に着いて食べ始めた。
料理は見た目どうりに美味しい。
とくにこのハンバーグなんか焼加減といい味といい文句無しだな。
ずいぶんお腹が減っていたのだろう,皆言葉も少なくただ一心に料理を食べている。
「そうだ,皆さんワイン飲みます?
オーナーから皆さんに差し入れだそうですが・・」
「飲みます,飲みます!」
ほぼ即答でアスカが答える。
「じゃあ,持ってきますからちょっと待っていてくださいね」
水月さんはそう言うと奥に消えた。
おそらくあっちにワインが置いてあるのだろう。
「いいの?アスカ。1日目から飲んじゃって」
少し怪訝そうな表情で洞木さんが尋ねる。
「いいの,いいの。せっかく皆集まったんだし。
堅いことは無しよ」
「そや,そや。堅いこと抜きで今日はパーっとやろうや」
僕達の目の前に一本ずつ赤ワインが置かれる。
ワインなんて料理で使う安物のしか思い浮かばない。
これはラベルが古くなっているところから見てもかなり高そうだ。
でも,一人一本って言うのはちょっと多いんじゃないかな。
大体酒あんまり好きじゃないし。
それぞれのワイングラスに赤い液体が注がれる。
ほんのり甘い匂いとアルコールの匂い。
恐る恐る飲んでみると思っていたよりも飲み口がよくてとても美味しかった。
ほんのり甘酸っぱい感じがすごくいい。
これならアルコールが嫌いな僕でも飲めそうだ。
「これいいワインね。
すごく美味しい」
満足げな表情でアスカがそう言う。
「こら美味いわ」
「ホントだうめーっ」
トウジとケンスケはそう言いながらワインをまるでジュースのように飲んでいる。
二人ともワインがアルコール度高いっていうの知っているのかな。
「ホント美味しいこれ」
「ワインって初めて飲むけど美味しいのね」
綾波と洞木さんはそう言いながら少しずつワインを口に運んでいる。
飲んでいるというよりは味わっているという感じだ。
酒が入った事で皆の談笑にもよりいっそう活気が増す。
辺りには笑い声が響き,どこかギクシャクしていたような雰囲気も完全に無くなった。
まるで中学のころに戻ったみたいだ。
お互いがお互いを偽らないで素顔の自分をさらけ出しているあの頃のように。
そして僕は全身を駆ける心地よい浮遊感と伴にその喧騒の中にしばらく浸っていた。
あの頃を思い出しながら。
夜風が火照った僕の頬を冷やす。
僕は2,3度大きく深呼吸をし,森の空気を思いっきり吸いこむ。
僕は修羅場と化したあの食堂からようやく逃げてきて裏庭にあるベランダで酔いを覚ましているところだ。
あの後しばらくは話しは盛り上がったけどトウジとケンスケが酔っ払って僕に絡んできて散々飲まされた。
女の子達は笑うばかりで誰も二人を止めようとはしない。
二人の攻撃が止んだ隙に僕は逃げてきたのだ。
あのままあそこに居つづければ僕は完全につぶされていただろう。
今戻ったらまた飲まされるだろうから僕はしばらくここに居ることにした。
手すりに両腕をかけながら目を閉じる。
風が木々を揺らす音,動物の鳴き声などが聞こえてくる。
そして・・・・裏庭のドアが開く音も・・・・・。
恐る恐る振り向くとそこには頬を染めながら危なっかしく歩くアスカがいた。
アスカはふらふらと僕に近づくと僕の隣に来た。
「ここに居たんだ」
「あっ,うん。だいぶ飲まされちゃったからね,酔い覚まし」
「そう」
「ア,アスカはどうしたの」
「私も同じ」
「そうなんだ」
僕がそう答えるとアスカはふうと大きくため息をつき,僕と同じように手すりに両腕をかける。
そよ風にアスカの金髪が揺れる。
月明かりがアスカの白い肌を照らし,アスカの綺麗な顔を浮かび上がらせる。
うっすらと微笑を浮かべたその顔は天使という言葉を容易に連想させる。
3年前よりも子供っぽさが抜け,大人の雰囲気を身につけたアスカは誰よりも綺麗だった。
「そう言えばさ,初めて2人っきりになれたね」
僕のほうに視線を向けず,アスカがボソッとそう言う。
「そ、そ、そうだね。ここに来てなんか慌しかったしね」
アスカが僕のほうを向かなくてよかった。
今,僕の顔はきっと真っ赤に染まっているだろうから。
僕は言葉を紡ぎ出すので精一杯だった。
「そう言えば,昼間は・・・・・ごめん」
「アンタなんで謝ってるかわかってる?」
「・・・・・ごめん。よくわからないんだ」
「はぁ,まったく。アンタ進歩ないって言うか,変わってないって言うか。
でも・・・・・・変わってなくて安心した」
「どうして?」
「だって3年よ,私が日本離れて。
3年なんて人が変わるのには充分な時間だもの。
アタシ日本に帰ってくるときすごく怖かった。
皆変わっちゃってるんじゃないだろうかって。
もう,昔の様には行かないんじゃないかって。
でも,ヒカリと会って安心した。
皆変わってないっていう事聞いて。
アンタは背だけは伸びたけど中身は昔のまま・・・・・・・バカシンジのまま。
だから思った,よかったなって」
「ドイツは楽しかった?」
「楽しかった・・・・・・って言いたいとこだけどその反対,すごく楽しくなかった。
私は日本人の血が混じっているからねそのせいでよくバカにされたわ」
「そんな・・・・・」
「ホントよ。だから3年間がんばった勉強だけは誰にも負けないように。
シンジは・・・・・・楽しかったでしょ」
「そうだな,いい思い出もあるけどそうでない思い出のほうが多いな。
あんまり楽しくなかったよ」
「そう・・・・・なんだ」
「やっぱりアスカがいなくちゃ」
「・・・・・・・・・バカ,な・・・何言うのよ」
「・・・・・・・・・ごめん」
「ホントバカね」
それっきり僕達の間から会話が途切れた。
一体どのくらい時間がたったのだろう。
ふと,肩に重みを感じた。
ゆっくり肩を見てみるとアスカが僕の肩に頭をのせていた。
やがて頭だけではなく体も僕に預けて来る。
アスカの柔らかい体が僕の腕や足に密着する。
僕は心臓の高鳴りを押さえるので精一杯だった。
自分でもわかるほど顔が熱くなってくる。
何か話そうにも体が硬直してしまって言葉が喋れない。
しかしホントにどうしたんだろう,アスカ。
今のアスカはどこか素直な印象だし,それに・・・・・・
すうすう・・・・・
隣から聞こえて来る規則正しい吐息。
これってもしかして・・・・・・・・・・
チラッと隣のアスカを見てみると僕に全身を預けて目を閉じながら規則正しく呼吸をしていた。
これって・・・・・寝ているのかな?
「アスカ,アスカ」
アスカの肩を少し揺すりながら呼びかけてみる。
しかし,アスカは瞳を開ける事も呼びかけに答える事もなく規則正しい呼吸を続ける
なんだ,酔って寝ちゃったのか・・・・・・・・
体中からどっと力が抜ける。
よかったという気持ちとちょっぴり残念,という気持ちが僕の中で入り混じる。
「アスカ,起きてよアスカ」
さっきよりも強く体をゆすってもアスカは起きる気配を見せない。
僕はくすりと笑うと両腕でアスカを抱えるようにして抱き上げる。
以外にアスカは軽く,ひょいと抱き上げられた。
3年前は僕よりも背が大きかったけど今では僕の腕の中で寝息を立てている。
初めてみるアスカの寝顔はさっきのような大人の顔ではなく小さな子供のように無邪気な寝顔だった。
しばらくその寝顔を見ていたかったけどさすがに腕が痺れてきたのでとりあえずアスカの部屋に運ぶ事にした。
しかし,トウジやケンスケに見られたらなんて言われるかわからないな。
お願いだから見つからないといいな。
とりあえず僕のささやかな願いは叶ったようでアスカの部屋の前まで誰にも会わなかった。
アスカの部屋のドアを軽くノックすると中から返事が返ってきた。
どうやら洞木さんは既に部屋に戻っているらしい。
「はーい,アスカ?」
「碇だけど開けてくれるかな」
「碇君?ちょっと待ってね」
がちゃと目の前のドアが開くといかにも湯上りといった感じの洞木さんが立っていた。
「どうしたの・・・・ってアスカ」
「あはは,ちょっと話していたら眠っちゃってね。
とりあえず運んできたんだ」
「全くもう,しょうがないわね。
しっかしアスカったら幸せそうな寝顔しちゃって。
この幸せものが」
洞木さんは優しくそう言いながらアスカの頬を指で突っつく。
それに反応したのか,アスカはもぞもぞと僕の腕の中で動く。
「じゃあ,こっちのベッドに運んで」
「わかった」
洞木さんに言われて,窓際のベッドにアスカを寝かせた。
「アスカ・・・・・・何か言ってた?」
「皆,変わってなくてよかったって言ってた」
「アスカね,昼間のあの後すごく落ち込んでいたのよ。
せっかく碇君に会えたのにあんな事しちゃったって」
「アスカが・・・・・・」
「アスカってなかなか素直になれないし,強気だから誤解されやすいけどホントは人一倍寂しがりやなのよ。
だからさ・・・・・なるべく優しくしてあげてね」
「うん,わかってる。
じゃあ,僕もそろそろ寝るから。
おやすみ」
「おやすみなさい」
自分の部屋に戻り服を脱ぎ,下着を替えてそのままベッドに横になる。
アルコールがまだ残っているのか,やたら眠い。
そう言えば綾波とちゃんと話せなかったな。
明日また話そう。
そして僕は目を閉じ夢の世界へと旅立った。
どうもです,さくぎんです。
これが私にとって初連載作品となります。
他の作家さんたちのように数日毎に更新できる自信はありませんがなるべく早く更新できたらな,と思ってます。
途中でLRSの気配が漂ってますがラストはお約束ですのでご安心を。
ラストに持っていくための過程と考えてください。
一応主役はレイとアスカとシンジですのでシンジとレイの絡みも書かなきゃならないんですよね。
なるべくなら3月までには終わらせたいところですが・・・・・・・たぶん無理でしょう。
感想など頂けるとうれしいです。
今日はこの辺で,でわでわ
さくぎん
ぐあっはあ。(吐血) いい雰囲気ですねえ。........シンジ君とレイが。(爆)
というわけで、さくぎんさん連載2発目ありがとうございますー。\( ^ 0 ^ )
ぐああ、ちょっとダメージくらっちまいましたぜダンナ。へへへ
ぐうう、シンジ君ってばあっちへフラフラこっちへフラフラと...。\( > 0 < )むきー、なにやってんでい
しかし、これはLASへの布石。(ニヤリ) .....のはずだよね。( ^_^;)
さあ、雰囲気満填の作品を書いてくれているさくぎんさんに感想&(アスカ様への(爆))応援を書いて続きを読むのだー。\(●> _ <●)あしゅかたのむぜー
さくぎんさんへの感想はここです。
または簡単感想用掲示板へどうぞ。
◎感想用フォームです。2,3行の感想でも作者さんは嬉しかったりするのだ。