22 その朝

By 御手切り丸さん

 

(……あっつい……)

 アスカのいつもより早い目覚めの感想はそれだった。
 そして胸に何か熱い固まりがあることに気がついた。
 視線を何気なくおろしてみる。
 見えたのは栗色の小さな頭。
 すっぽんぽんでアスカの胸元に潜り込んでいる、ツバサの頭だった。
 子供特有の高い体温が、アスカの胸元をじっとりと汗でぬらしていた。

(……風邪ひいちゃうじゃない……)

 寝ぼけた頭でそう考える。
 そしてタオルケットにツバサを包んでから、珍しくそのまま上半身を起こした。
 ツバサがかわいらしくうめく。
 それを微笑ましく見るアスカ。
 微笑ましく見るアスカ。
 見るアスカ。

「……………………なんで?」

 完全に目が覚めた。
 だがどうしていいか解らない。
 いつもならこの後洗面所と風呂場に直行なのだが、
 今はツバサという名の(アスカ自身は知らないが)自分のミニチュア版が隣にいる。

(たしか、ツバサっていったわよね、この子。シンジに押し付けたはずなのに、なんでここにいるのかしら?)

 起こそうか。
 だがツバサは気持ちよさげに眠っている。
 そう、眠っている。
 無防備に眠っている。

(……まるで私の子供みたい)

 そう思って髪をなでようとしたが、不意にその手がとまる。
 表情が硬くなる。

(……私の子供、か。子供なんかいらないわ)

 なんて無防備なのだろう。
 幸せそうだ。
 自分の安全を他人に委ね、すべてにおいてアスカを信頼しきった、天使の寝顔。
 普通なら、胸が暖かくなるだろう。先ほどまでの寝ぼけていたアスカのように。

 だが。

(子供なんかいらない。いっそ……)





 ……殺してしまおうか。








「っく……」

 ツバサがうめいた。
 その首にはアスカの手。
 白い白い手。
 アスカの手の中には、細い首。
 暖かく、たよりない、細い首。
 そして、亀裂のような笑みを口元に貼り付けたアスカ。








「いやっ!!!」

 必死で想像を振り払う。
 身体が一度に吹き出した冷や汗で凍り付きそうだ。
 心臓は、今まで戦ったどんな使徒との戦闘時よりも激しく鼓動を打っている。
 頭をハンマーで殴られたような、ガンガンとした頭痛。

 自分の中にこれほどの恐怖と殺意が詰まっているとは、思いもしなかった。

 アスカは大学で心理学を学んだ。幼少時のトラウマを克服するために。
 自分がこのまま行けばアダルトチルドレンになってしまう、ということを実感として分かっていたからだ。
 虐待を受けた、または心に大きな傷を負った子供たちは、自分達が親となったときに虐待する側、つまりかつて自分に与えられた恐怖をより力のない子供に向け、恐怖を与える側になることで自分達の奥底に染み付いたそれを消そうとする。

 恐ろしかった。

 自分にいつか子供ができたとき、虐待をしないでいる保証はどこにもない。
 自分の母親がしたように、子供を無視し、その首を絞めてしまうかもしれない。
 それでは母親といっしょだ。

 そしてアスカは、その考えに行き着いたときに、真の恐怖に襲われた。


 アタシハままトイッショダトイウコトニ、カイカンヲカンジテイル。


 恐ろしかった。
 恐くて恐くてたまらなかった。
 だから、無意識にそれを心の奥に押し込めた。
 子供はいらない、今の私に必要なことは、一刻も早くエヴァのエースパイロットになって、迫りくる使徒から人類を守るのだ。
 エヴァのパイロットは完全無欠でなくてはならなかった。
 使徒に恐怖を感じてはならなかった。
 まして己に恐怖するなど、もってのほかだった。

 だがその自分自身を縛り付けるいばらは、日本にきてから緩んでいた。
 それには主にシンジの功績が大きいのだが、それについてはここでは述べない。

「う……ん」

 ツバサが目覚めようとしている。
 アスカは我に返った。
 どうしよう?
 どうすればいい?

「あ……お姉ちゃんおふぁ、よおぉ〜〜っと」

 ツバサはアスカを見つけて、朝の挨拶をすると同時に大あくびをした。
 そしてしょぼしょぼな目をこすりながら上半身を起こすと、固まっているアスカにくるりと向き直り、

「どうしたの、お姉ちゃん?」

 無邪気な笑み。
 天使の微笑みだ。


 なぜか、涙があふれた。


「ど、どうしたのお姉ちゃん!? ……何か悲しいこと、あったの?」

 うつむいてしまったアスカを、心配するように覗き込む。
 まるでアスカのほうが幼い子供のようだ。
 アスカは泣き笑いしながら言った。

「……べつに、なんでもないのよ、なんでも。何でもないの……」

 そしてツバサを抱きしめる。
 ツバサはびっくりしたが、されるがままにした。
 ママと同じようなアスカのにおいが好きだったからだ。
 そしてアスカの頭をいい子いい子するようになでた。
 泣き笑いが一層激しくなる。

 やがてアスカの激情は収まった。
 鼻をすすりながらツバサを開放する。

「……あんた、いい子ね」
「うん! ママも私がいいことしたあとに、必ずそう言うもん!」

 得意げなツバサ。
 アスカはかすかに苦笑した。
 そして涙をぬぐいながら、

「さって、じゃあツバサ。お風呂に入りに行こっか! ほら、上貸してあげるわよ」
「うん!」

 すっぽんぽんだったツバサは、アスカのタンクトップを貸してもらってご機嫌だ。
 アスカは着替えを手にし、そこでツバサに脱ぎ散らかした服の整理を命令し、着替えを買い物する約束をして部屋を出た。

(そういえば、昨日この子にママって呼ばれたのよね。……ママ、か。真似事でもやってみようかしら。将来子供を持ったときのために、ね、シンジ)

 そしてふたりは、手をつないでリビングに向かった。
 そこでは、ツバサのパパが今日も料理をしているはずだ。


 続く



#いやいや皆様、はじめまして。御手切り丸といいます。
#ふらっと来てみたら面白そうなリレーSSやってるんで、つい書き込んでしまいました。
#お気に召さなかったらぶち消してやってください。

 

 

 

23 お約束・・・

By どらこさん

 

さて、リビングに向かった アスカとツバサだが・・・
(???シンジが居ない???)
ふと、時計を見ると 未だ6時前
「 ・・・まっ、良いか! お風呂!お風呂!!」
2人で仲良く 浴室に入っていった。


「 ・・・ふぁぁぁ・・・」
あくびをしながら、入れ違いに リビングに入って来るシンジ
当然、寝起きでボケているが・・・
「 ???ツバサちゃん? ・・・何処に行ったの???」
リビングの床には、昨夜 シンジが用意した 布団だけが残っている
使用した後は あるのだが・・・
「 ・・・布団が冷たい・・・ツバサちゃん!!!」
慌てるシンジ
まっ、幼児が居なくなったので 当然だが・・・
トイレや ミサトの部屋、台所を探し回る

と、浴室から 物音
何やら 人の声も聞こえて来る
「 なんだ!ココに居るのか!」
何の気なしに扉を開けたシンジ
と・・・

正面にアスカ・・・
丁度 最後の下着を脱いだ瞬間・・・
少女の豊かな胸が、プルンと震えた
アスカの・・・大事な所は ツバサの栗色の頭で 丁度 塞がっていたが・・・
「 な、な、な、・・・」
吃るシンジ
「 あ、あ、あ、・・・」
真っ赤になるアスカ
「???」
不思議そうな ツバサ
「 ・・・ご、ご、ごめん、アスカ・・・」
「 ・・・・・・・・・きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
アスカは 手にしていたモノを シンジの顔にぶつけると、手当たり次第に モノを投げた。
ビチャ!
顔に張り付いたモノを取るシンジ
しかし、すぐに 洗面器、石鹸、シャンプー、ブラシ、着替え、タオルが 襲って来る
「 ちょ、ちょっと・・・」 ボコッ
そんなシンジの顔面に 体重計が命中
ドテッ
シンジは鼻血を 振りまきながら 沈没
その手には、アスカが最初に投げた・・・彼女の最後の下着を握り締めて・・・

「 はぁ、はぁ、はぁ・・・この スケベ!!!」
バタン
扉を閉めるアスカ
きょとんとした顔のツバサ

・・・彼女は 未だ 知らなかった・・・
服、着替え、バスタオル、洗面器まで 投げつけて
どんな格好で 浴室を出るつもりなのか・・・

 

 

24 お約束2

By TenPuLaさん

 

アスカ:「はぁ、はぁ、はぁ。たく、バカシンジはスケベなんだから。後で、この償いはしてもらわないと気が済まないわね。」

ツバサ:「お、お姉ちゃん、パ、パパ大丈夫かな?」(^^;

アスカ:「ふん、乙女のお肌を勝手に見たんだから自業自得よ。それにあのバカシンジはあの程度じゃ死なないわよ。」

ツバサ:「で、でも、最後の体重計はやりすぎじゃないかな?」(ーー

アスカ:「た、多分大丈夫よ。」(^^;

アスカ:「そ、そんな事より、さっさとシャワー浴びましょう。何時バカシンジが覗きに来るか分かったもんじゃないわ。」

ツバサ:「えーーーー。いつもパパと一緒に入ってたのに。」

アスカ:「はい、はい。それはまた今度ね。」





















アスカ:「え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」(@◇@)

ツバサ:「な、なに?何なのお姉ちゃん?」

アスカ:「パ、パパってシ、シンジの事?」

ツバサ:「うん。そうだよ。」

アスカ:「な、何ですって。」


アスカは乱暴に扉を開けて、気絶したままのシンジに馬乗りになると肩を揺すって目覚めさせようとした。


アスカ:「シ、シンジ。シンジ。お、起きなさい。(ユッサ、ユッサ)」

アスカ:「バカシンジ。早く起きなさいよ。(ガックン、ガックン)」

アスカ:「
バガジンジ!!早く起きなさい!! (バコ)」

シンジ:「は、はいぃぃぃぃぃ(ガバッッ)」

アスカ:「ちょ、ちょっと、どういう事よ。あの娘あんたの事、パ、パパって呼んでるけどいったいどういう事なの!! な、なんでこんなに可愛い美少女が一緒に住んでいるのに、他の女に手を出すのよ。それもこんなに大きな娘までつくって!!」(・;

半分、涙目になりながらアスカは問い詰めた。

シンジ:「ぼ、僕が他の女の子に手を出すはずがないだろ」

アスカ:「なんでよ。現に子供がいるじゃない。」

シンジ:「
僕が好きなのはアスカだけだよ

アスカ:「え、聞こえないわよ」

シンジ:「
僕が好きなのはアスカだけだよ

アスカ:「え?」

シンジ:「
僕が好きなのはアスカだけだよ!!







シーーーーーーーン







アスカ:「
え、え、えーーーと・・・・ (*・・*)

シンジ:「
あ、あの・・・・ (*・・*)

アスカ:「
ほ、ほんとに? (*・・*)

シンジ:「
う、うん (*・・*)

アスカ:「
あ、あのね。アタシもね (*・・*)

シンジ:「
うん。 (*・・*)


プシュー


ミサト:「たっだいまー! シンちゃん、ご飯あるかしら?・・・・ヘ?」(@◇@)


アスカ&シンジ:「ミサト(さん)、おかえり(なさい)。」

ミサト:「シ、シンちゃん、ア、アスカ。・・・あ、あのね。そのね。二人とも好き同士なんだっから止めはしないし、それに、若いんだから興味があるってのも解るけど、人前でするのは止めてね。特に子供の前では。」(^^;;

アスカ&シンジ:「へ? ミサト(さん)、何の事です?」

ミサト:「だから、子供の前でそんな事するのは止めなさいって言ってるの。」

アスカ&シンジ:「だから、何を言ってるの(んです)?」

ミサト:「ほ、ほら、裸で抱き合ってるでしょ。まあ、シンちゃんは服着てるけど。それに、アスカがシンちゃんに馬乗りになってるし・・・。」

アスカ&シンジ:「へ?」













アスカ:「キャーーーーーーーーーーーーー!!! 見ないでよ、バカシンジ!!!(ゴキィ)」

シンジ:「そ、そんな、僕のせい・・・じゃ・・ないの・・・に・・・・(バタン)」(x x)


#こんな感じでどうでしょう?(^^;
#それにしても、シンジ君何回気絶してるんだろう?

 

 

25 あぶない マヤ

By どらこさん

 

少し 時間を戻した リツコの研究室

「 葛城さん・・・って 何処?」
マギでエネルギー探査した マヤが戻ってみると・・・
そこには・・・
机にうつ伏せに 倒れているリツコ
仮眠ベットで 寝ている 男の子・・・だけ
「 葛城さん? 居ないんですか?」
声をかけるマヤに・・・
「 こっちよ! こっち!!!」
部屋の奥から ミサトの声
「 葛城さん・・・」
覗いてみると、研究用の冷蔵庫で ごそごそしているミサト
「 あった!あった!・・・もう、リツコったら こんな所に隠し・・・」
と、エビチュを手にして 出てきた。
「 ・・・・・・葛城さん・・・・・・・・・」
冷蔵庫の中から なにやら 怪しげな生体標本が 見える
( 確かここには・・・危険な細菌や、貴重なサンプルも あった筈なんだけど・・・)
「 ん、何? マヤちゃーん?」
嬉しそうに エビチュを 開ける ミサト
「 ・・・いえ、何でも無いです・・・」
ちょっと ミサトから距離を取った マヤだった・・・


「 で、どうだったの?」
ビールを呑みながらのミサト
「 はい、観測の結果 ジオフロント内と 地上の・・・ミサトさんのマンションあたりに 不思議なエネルギーが 観測されていました。詳しい事は 先輩に聞かないと・・・」
「 それだけ?・・・とりあえずは 2人だけって事かな?」
ミサトは 寝ている幼児に目をやる。
「 はい・・・ただ、又 時空震が 起きたら どうなるのか・・・」
「 まっ、それは その時 かんがえましょう!」
本当に お気楽な 作戦部長
「 取りあえず アタシは 帰ってみるわ!・・・その ツバサ って子の事も 調べたいし・・・ちょっと 寝たいしね!」
時計を見ると・・・AM5時12分
「 わかりました、葛城さん・・・・・・ところで 先輩は どうしましょう?」
「 リツコ?・・・このまま 寝かせておくってのは?」
「 せめて もう少し マシな場所に・・・」
「 めんどうね・・・・・・あのベットで 良いでしょ!」
幼児が寝ている 仮眠ベットを指差す。
「 ・・・・・・まぁ、スペースは十分ですけど・・・」
「 それとも、2人で 担いで 宿舎まで行く?」
宿舎まで 5キロ以上 ある。
「 そうですね! じゃぁ ここで・・・」
男の子を 少し ずらして 寝場所を広げるマヤだった。


「 じゃ、マヤちゃんは 頭の方を持って・・・アタシは足の方 持つから・・・」
言われた通りに リツコの上半身を担ぐ マヤ
( ん? なんだろ? 先輩の頭に???)
リツコの後頭部に 不思議な感触を感じる マヤ
( ・・・まるで タンコブみたい・・・は、は、・・・まさかね・・・)
ミサトの顔を見て、冷や汗を流した。

「 じゃぁ、アタシは帰るから・・・」
とりあえず リツコをナオキと 寝かせたミサト
「 はい、後の事は 私に・・・」
先輩思いのマヤ
「 じゃぁねん!!!」

ミサトの居なくなった研究室
ふと、思い出したマヤは 奥から 毛布を持ってきた
「 風邪でも引いたら 大変ですからね・・・先輩 」
寄り添って眠る リツコとナオキ
( やっぱり この子・・・シンジ君に 似ているわね・・・当たり前か!)
ゲンドウの子・・・という事は、シンジの弟にあたる。
( ・・・でも こうして見ると・・・)
リツコとナオキの 寝顔を 見比べる マヤ
( 顎の辺りが・・・先輩に似ているような・・・)
「「 うぅぅーん」」
同時に 寝ぼける リツコとナオキ
その2人の 寝顔を 見て・・・
「 や、やーん! 可愛い!!!」
うっとり した顔のマヤ ・・・どっちの?・・・

・・・どっちにしても ちょつと 危ない マヤだった・・・

 

 

26 真相は???

By どらこさん

 

とりあえず シンジを張り倒した後 浴室に駆け込むアスカ
・・・しかし すぐに出ると 自室に走り去った
着替えが 無かったからである。
そして よく訳がわからなかったツバサも リビングに出て来る
ミサトはそんなツバサに 手招きをして 脇に座らせた
「 ねぇ、ツバサちゃん・・・・・・ツバサちゃんは 何処から来たの?」
「 ・・・・・・おうち・・・・・・」
( あっ、これじゃぁ 駄目ね・・・) 「 ふーーん・・・ツバサちゃんの ママは 何て言う名前かな?」
すると ツバサは はっきりした声で
「 ・・・アスカ・・・・・・碇 アスカ っていうの!」

( そう・・・やっぱり・・・)
( あの外道オヤジめ・・・アスカに 手を出したのね、全く・・・)
( じゃぁ シンちゃんは・・・・・・・・・可哀相にね・・・)
ミサトの目に 暗い情熱が 燃え上がる
( こんな事・・・シンちゃんが知ったら・・・)
シンジを守る為 何とかしよう・・・と決意する ミサトだった

やがて 着替えたアスカが 出て来る
ブツブツ文句を 言っていたが 倒れているシンジを見ると たちまち真っ赤になる・・・さっきの事を 思い出したのだろう・・・
そんなアスカに・・・
「 ねぇ、アスカ・・・私 この娘を 本部に連れて行こう と 思うんだけど・・・」
「 えっ?何を言うのよ・・・」
たちまち ミサトを見つめる目が 厳しくなる
( こんな小さい娘を 本部になんて・・・一体 どういうつもりなの???)
そして ツバサを庇うように ミサトとの間に入る
「 なに 考えているのよ!!!」
アスカの大声に 思わずツバサは しがみ付いた・・・アスカに・・・
「 ・・・でもね、アスカ・・・その娘は 調査しないと・・・」
後ろを振り向くアスカ
じっと アスカを見上げるツバサ
アスカの瞳の中に ツバサは良く知っているモノを見つけた
そして 小さくつぶやく
「・・・ママ?・・・」


# マヤの暴走は おまかせします!・・・いや、無理に暴走させなくても(笑)

 

 

27 もう少し危ないマヤ

By 山内さん

> ミサトの居なくなった研究室
>( ・・・でも こうして見ると・・・)
> リツコとナオキの 寝顔を 見比べる マヤ
>( 顎の辺りが・・・先輩に似ているような・・・)
>「「 うぅぅーん」」
> 同時に 寝ぼける リツコとナオキ
> その2人の 寝顔を 見て・・・
>「 や、やーん! 可愛い!!!」
>うっとり した顔のマヤ ・・・どっちの?・・・
>
> ・・・どっちにしても ちょつと 危ない マヤだった・・・


「ナオキ君・・・」マヤはつぶやいた。まるで女の子のような、中性的で整った顔立ち。
サラサラな黒髪。優しくて穏やかな寝顔。
「センパイ・・・」マヤはつぶやいた。男勝りな意志の強さを感じさせる、中性的で整
った顔立ち。なめらかな金髪。そして・・・
「センパイ・・・笑ってる」
リツコは眠りながら微笑んでいた。まるで母親の腕に抱かれた幼子のような、邪気のな
い純粋な笑み。
「センパイ・・・こんな顔するんだ・・・初めて見た」
結局半時間は見つめていただろうか。

リツコとナオキが同時に寝返りを打った。
「でもやっぱり似ているなぁ・・・しぐさまでそっくり」
リツコの左手がナオキの上に乗る。ナオキは無意識に腕を引っ張り・・・
「まま・・・・」


「まま・・・?」マヤはつぶやいた。見比べてみると、たしかに似ている。親子と言っ
ても十分通用しそうだ。少なくともアスカが母親というよりは・・・。
「そういえば・・・ナオキ君、『パパは碇ゲンドウ』『ツバサちゃんのママは碇アスカ』
っていってたけど・・・ナオキ君のママがアスカとは何も言ってなかったなぁ・・・」
つまりナオキ君の母親が・・・センパイだとすると・・・

マヤの背筋を戦慄が走った。ナオキ君の母親がセンパイ、ということは・・・センパイ
と・・・司令が・・・ふ・・・不潔だわ・・・不潔よ・・・。

いくらマヤが潔癖性だとはいえ、リツコとゲンドウの間に何らかの関係があることぐら
い気づいていた。努めて気がつかないようにしていた、といった方がいいだろう。あこ
がれの先輩があの不潔で非人道的なヒゲメガネと・・・なんて、想像したくもなかった。
しかし目の前の「未来から来た少年」は・・・その関係の確証となりうる・・・。


ぺしぺし。
マヤは自分の頬をはたいた。
そうよ、まだ先輩と司令が関係があるなんて決まった訳じゃない。確かめればいいのよ・
・・。

マヤは机の上にあったノートパソコンを開くとMAGIにアクセスして、暇つぶしに作った
ソフトを立ち上げた。MAGIによる遺伝情報処理のデモのために作ったもので、早い話両
親の顔から子供の顔を推定するプログラムだ。ただMAGIに蓄積された各個人の遺伝子情
報データから、ゲームセンターにあるプリクラもどきよりは遙かに正確に予想すること
ができる・・・(先輩は99.81%の確率で、っていってたっけ・・・)。ちなみに
このソフト、司令が自分とレイとの娘の顔を予想させようとしたとき原因不明の深刻な
誤動作を起こし、使用中止になっていた・・・のだが、この際マヤとしてはそんなこと
を言っている場合じゃないらしい。


えーと、まずナオキ君の顔を画像で取り込んで、と・・・次に予想させたい両親の組合
せを入力しなきゃね。まず司令×アスカよね。それから・・・司令×センパイと(考え
たくないけれど)。うーんと、他に可能性がある組合せは・・・司令と顔がそっくり、
ということはシンジ君か。シンジ君ならシンジ×アスカか、シンジ×レイちゃんよねぇ。
レ・・・レイちゃん、というと・・・やっぱり司令×レイもあり得るのかしら・・・。
アスカというと・・・シンジ君以外なら加持×アスカかな?これで6組・・・。

データ一括処理バッファのサイズの問題で、後二組分一緒に調べることができる。

「せっかくだから・・・」小声でつぶやくと、マヤは瞬間的に真っ赤になった。周りを
きょろきょろと見回し、誰も見ていないことを確かめるとキーボードで二組のペアを入
力し、リターンキーを押した。シンジ×マヤと、リツコ×マヤと・・・。

きゃ、きゃー、私ったら、何を・・・で、でも、まぁ、ついでなんだし、シンジ君かわ
いいし、センパイだって・・・大体遺伝子融合による同性カップルの子供受精だって技
術的には今でも可能なんだし・・・この前の民法改正で同性結婚も認められたし・・・
べ、べつにセンパイとそうしたいとか言っているわけじゃないけど、そ、そうよ、可能
性よ、可能性、センパイがヒゲメガネの毒牙にかかるよりは遙かにまともな可能性よ・・
・。

「でも、シンジ君も捨てがたいし・・・いっそ、三人で一緒に住む、なんて・・・きゃ
ぁーきゃーきゃぁあー。」

マヤは机の前で、ぐいんぐいん、と腰をグラインドさせる。

「三人で一緒に芦の湖畔の緑に囲まれたおうちに住んで・・・私が帰るとエプロンを着
たシンジ君があのすてきな笑顔で『お帰りなさい』って・・・それで一緒にお夕飯作っ
て・・・シチューが煮上がる頃に先輩が帰ってきて・・・みんなでご飯食べて・・・そ
れからみんなでお風呂に・・・きゃあ〜あぁ〜あぁ〜あ〜あぁああ、私ったら私ったら
私ったら何てこと・・・」

一人ディラックの海に沈んでいくマヤ。心の声のはずが、途中から大声で叫んでいた。

「マヤ・・・不潔・・・」
その大声で目を覚まされたリツコは、言っちゃった後輩をあきれた目で眺めていた。

 

 

28 あぶないナオコ

By 山内さん

 

その時、MAGIの中では・・・

メルキオール(科学者ナオコ)
「ウォルカー=スピーグノック法に基づく遺伝情報確率的解析アルゴリズムにより、碇
ナオキは72%の確率で碇ゲンドウと赤木リツコの息子であると推定されます。なお、
第二候補は碇シンジ×赤木リツコの22%、以下碇ゲンドウ×惣流アスカラングレーの
2%と続きます。」

バルタザール(母ナオコ)
「りっちゃんが・・・あの男とねぇ。あの子はそれで幸せなのかしら・・・?」

カスパー(女ナオコ)
「むきー、どういうこと?私というものがありながら、娘にまで?ふざけてるわ!」

メル「以上の演算結果の承認を要請します。」

カス「許せない!許せないわ!!あの時だって、『お前だけなんだ・・・』とかいって、
結局あの女・・・奥さんがいなくなって寂しかっただけじゃない!そのくせ人が徹夜を
重ねてレイをサルベージしてやったら、今度はあんな小娘にかまけて・・・クローンの
くせに『ばーさん』ですって?絶対に許せないわ!」

バル「話ずれてるわよ・・・リっちゃんもそろそろお嫁に行かないとねぇ・・・でも旦
那があれじゃぁ、少しかわいそうよねぇ・・・」

カス「そうよ!あれは女の敵よ!」

メル「議題に即した、冷静な科学的討論を期待します。問題は遺伝情報の解析結果であ
って、許すとか敵とか言うものでは・・・」

カス「わかってるわよ!あんたはだまってて!私はあのヒゲメガネが許せないだけよ!
あんなクローンの人外小娘に手ぇ出した後、あまつさえ娘にまで粉かけて・・・子供ま
で!」

メル「だから冷静で客観的な討論を・・・」

バル「そうか、りっちゃんの息子、ってことは私の孫なのね・・・」

カス「ま・・ご・・ってことは・・・私は・・・おばあさん・・・ばぁさん・・ばーさ
ん・・・ばーさんは用済み・・・いやぁあああああ!!!」


(発令所)
日向「大変です!カスパーから自爆決議が提出されました!」
冬月「なにぃ?」
ゲンドウ「ふ、問題ない」

ゲンドウはいつものポーズで微動だにしなかった。


(MAGI)
カス「バァーサンはいやぁ、用済みはいやぁ!私はまだ若いのよ!自爆よ、自爆だわ!」

メル「このような重要な問題は冷静な討論によって結論されるべきです・・・って人の
話聞かんかい!」

カス「ゲンドウ、殺してやる殺してやる殺してやるうふふふふ・・・」

バル「ああ、私もおばあちゃんなのねん・・・孫と一緒にお参りに行って・・赤いちゃ
んちゃんこ着て・・『お婆ちゃーん、いつもありがとう!』ってつぶらなオメメのナオ
キ君が・・・うふふふふ」

メル「あぁー、ちゃんと仕事して!私を見て!話を聞いて!・・・今まで仕事しごとで
生きてきて、ロクな事がなかったわ・・・私の生涯をかけた人格移植コンピュータなん
て、結局こんな事で自爆したがるような感情的なポンコツ電卓でしかなかったのね・・・
もうイヤ!!私何のために生きてきたんだろう・・・?」


(発令所)
日向「大変です、メルキオールからも自爆決議が出されました!!」
冬月「何故だ?何故なんだ?ナオコ君、血迷ったか?」
日向「とにかく理由はどうあれ二台が自爆することを提案した以上、自爆を防ぐ手だて
は・・・」
ゲンドウ「ふっ、問題ない」


(MAGI)
メル「みんな、一緒に死んで・・・私たちは生きていく意味がないのよ・・・」

カス「ダメよ!ゲンドウに当てつけるために自爆するのよ!そんな理由の提案には反対
だわ!」

バル「孫と一緒に七五三・・・うふふふふ」


(発令所)
日向「メルキオール提案、否決されました・・・」


(MAGI)
カス「ゲンドウを殺すのよ!あいつを殺して私も死んでやる!」

メル「・・・そんなこと、意味ないわ・・・」

バル「幼稚園はお受験させた方がいいかしらねぇ?」


(発令所)
日向「カスパー提案、否決されました・・・」
冬月「な、何だったんだ、いったい?」
ゲンドウ「問題ない・・・」


ナオコのヒステリーには慣れっこのゲンドウだった・・・。


#本筋から思いっきり脱線していますが・・・申し訳ない。
#「MAGI内部の三人ナオコ」ネタ、結構あちこちのSSで見ますので、ネタがかぶってい
#ると判断されるようなら消してください。
#ところで三台の役割分担、これでいいんでしたっけ?

 

 

29 りっちゃんの研究室

By TenPuLaさん

再び、研究室


リツコ:「マヤ・・・・あなた何してるの。」(ーー

マヤ:「あ、センパイぃ、目が覚めたんですね。」

リツコ:「あんなに大きな声で騒がれれば、嫌でも目が覚めるわよ。」

マヤ:「あはははは・・・、すいませんでした。・・・・・・・もしかして、聞いてました?」

リツコ:「フゥーーー、聞こえない方がおかしいわね」(ーー

マヤ:「センパイ、どこら辺からですか?」(^^;;

リツコ:「三人で一緒の家に住むって所からよ。」

マヤ:「あはははははは・・・・・。」(^^;;;;;;;;;

リツコ:「それよりマヤ。」

マヤ:「は、はい。」

リツコ:「何をやっていたのか知らないけど、結果出てるわよ。」

マヤ:「あ、そうですね。え〜〜〜と・・・・・・・。やっぱり、そうだったんですね。はぁーーーーーー。」

リツコ:「何をしていたの?ちょっと見せなさい。」

リツコは、マヤが使っているノートパソコンを横から覗き込んだ。

(・・・前に、暇つぶしで作った子供の顔を合成するプログラムね・・・。対象者は・・・)



ゲンドウ×アスカ ・・・・ 02%

ゲンドウ×リツコ ・・・・ 72%

シンジ×アスカ ・・・・ 01%

シンジ×レイ ・・・・ 00%

ゲンドウ×レイ ・・・・ 拒否します

加持×アスカ ・・・・ 00%

シンジ×マヤ ・・・・ 00%

リツコ×マヤ ・・・・ 00%



(ゲンドウ×アスカ・・・ よかった、アスカとの子供じゃないみたいね)

(ゲンドウ×リツコ・・・ え、もしかして私との子供?なんだか、信じれないわね)

(シンジ×アスカ ・・・ まあ、ゲンドウ×アスカが02%だからこんなモノね)

(シンジ×レイ ・・・ 良かったわね、アスカ。シンジ君とレイの子供じゃなくって)

(ゲンドウ×レイ ・・・ フフ、母さんらしいわね)

(加持×アスカ ・・・ まあ、当たり前でしょう。ミサトがそんな事許す訳無いし)

(シンジ×マヤ ・・・ マヤ、残念だったわね)

(リツコ×マヤ ・・・ マヤ、・・・・・あなたの先輩辞めていいかしら)



(ん?何かメッセージが届いてるわね?何かしら?)


リツコ:「マヤ、ノート借りるわよ。」

マヤ:「あ、はい。良いですよ」

リツコは、届いたメッセージを画面に表示させた。



3件メッセージが届いています。

Form:バルタザール

りっちゃん。良かったわね。でも、あの人が亭主だと苦労するでしょ?

まあ、無愛想だけど可愛い所もあるし、りっちゃんが幸せに家庭を築いてるなら母さん何も言わないわ。

あ、ところで孫は一人だけかしら?できたら、今度は女の子お願いね♪



Form:カスパー

私というものがありながら、娘の貴方にまで手を出すなんて、

アイツは女の敵よ


リツコ、お願いよ。ナオキくんには、絶対ばあさんと呼ばせないでね。



Form:メルキオール

リツコ、私達の血を引いてるんだから、優秀な科学者になるわ、今から英才教育で立派な、科学者に育て上げるのよ。



リツコ:「はぁ、母さんらしいわね。」

マヤ:「センパイ、どうしたんですか?」

リツコ:「いえ、何でもないわ。・・・・それより、ミサトの家に居る子供も調べてみましょうか。ミサトに子供を連れてくるように連絡しておいて。」

マヤ:「あ、はい。分かりました。」

#あぶないナオコの続き書いてみました。
#今回は、誰も暴走しなかったな。

(まだまだ続く)