かすいpresents.
〜優しすぎるあなたに〜
Another
プロローグ
「ふう、後もう少しで街が見えるかな?」
長い道が眼前に延び続けている。
少年は頬に伝う汗を腕で拭いながら、溜め息をひとつ吐いた。
そして、微笑する。
何処か心に残る。そんな笑みだった。
少年が持つ、柔らかい独特な雰囲気のためなのだろう。
何処かで、き然とした態度でいながらも穏やかで、好ましくすら感じる。
優しさ。
そう言っても良い。
誰をも引き付けられずにはいられなかった。
ただ、今現在辺りに誰もいないと言うことが問題ではある。
少年は沈みかける太陽を見た。
幼さが残るその表情。
年の頃は17、8か。
騎士と呼ぶには身なりが、けして良いとは言えない。
傭兵と呼ぶほどには武装している訳でもない。
冒険者。
それが一番しっくりとくる。
どちらかと言えば軽装な皮の防具で身体を僅かに覆っている。
その方が動きやすいと言うのが少年の答えだった。旅をしているのなら当然の言葉なのかもしれない。防寒をも兼ねたマントに身を包んでいた。
額で縛った紫色のバンダナが、唯一の自己主張なのだろうか。
腰に下がった剣は、普通のものより拳ふたつ程度長い物だった。
細いとも思えるその身体。
だが、僅かに見え隠れするそれは戦士と呼ぶに相応しいだけのものがある。
「ったく、楓の奴め………。教えてくれたって良いのに」
今夜は野宿なのかもしれない。
もしそうなら、今から準備しなくてはいけない。
手持ちの食料も残り僅かだ。
どちらにせよ、明日には街に入れることを考えると、使いきってもかまわないだろう。
しかし、まだ、街の物価を知らないことを考えると無駄遣いは止めておいた方が良いのかもしれない。
悩む。
何故か主夫。
この二年で嫌と言うほど身に付けた生活感。
当たり前のことなのかもしれない。
昔が何も知らなさすぎた。
徐々に日も傾き始めている。
「まぁ、あそこで良いか。どうせ明日もすぐに出ることになるし………」
呟く。
道から外れたところに大きな木があるのが見えた。
こうと決めてしまえば行動は迅速だった。
硬い保存用の干し肉を袋の中から取り出し、口に咥える。
噛めば噛むほどに味が出る。
最後まで楽しみにとっておいた物だった。
貧乏性なのかもしれない。
辺りから薪を集め、火を付けた。
いくつかの小石を手に戻ると、右手で弾くように周囲に飛ばした。
「寄りて集え、風の友。望むは平穏、汝が力………………」
瞬間、キンと音が鳴り、小石を繋ぐように光が走った。
結界。
「ここら辺りで魔物がいるなんて聞いてないけど、ね。対人は要らないかな、多分」
ひとりごちた。
木にもたれるように座った。
”あら、今日はもう、お休みなんですか、主様?”
僅かなからかいを含んだ声に、苦笑する。
「日が落ちてまで歩き続けるほど、勇気はないよ」
実感だった。
”そう?主様らしくもない”
その言葉と同時に光が浮かび上がり、収束すると人の形を取り始めた。
そのままに揺れるように。
少女の姿へと変る。
長く淡い髪。透き通るような身体。
誰かが見れば、その美しさに女神という存在を確かに思い出させそうだった。
優しげに微笑みを。
ふわりと舞う。
「第一、今日中につきそうもないことは分かってたんだろ?教えてくれて良いんじゃない?食料だってそこら辺で何とかできたのに」
少年は軽い口調で少女に言う。
”主様だとちゃんと着くって思ったんですもん”
「あの、ね…………。馬じゃないんだから」
”ふふっ”
少女の笑み。
いつ見ても心が休まる。
安堵すると言っても良い。
常に自分の側にいてくれる。その想いがどれだけの力を与えてくれるのか、計り知れない。
ひとりではない。
そう、思えることが幸せなのかもしれない。
嬉しい。
「まぁ、街に入れば宿でも取って、久し振りにベットで眠れる。仕事もあるかもしれないしね。のんびりできるのは今日くらいかもしれないさ」
”仕事、ですか?………この間は宿屋で料理つくってましたよね?その前は、え〜と……”
「ははっ…………。仕方がないだろう?他にやることがなかったんだから」
ある意味、正論だ。
稼がなくては生きてはいけない。我が侭だけを言ってやっていけるほどには世間も甘くはない。
日々の糧を得ると言うことは、何処で自分を納得させるか、なのだろう。
しかし、少なくとも少年は嫌がっている素振りは見せない。
楽しんでいる証拠だ。
”もう、私の主様。望めば仕官だって思いのままでしょうに”
溜め息。
少女は首を傾げ、肩を竦める。
その仕種ですら、愛らしい。
「今のところ、興味はないしね。それに何のために出てきたんだか………」
笑って答える。
”主様らしい、です”
微笑むと、流れるように宙を漂う。
星が瞬きを始める。
火がぱちっ、と音を立てて弾けた。
僅かな光の中で舞い踊る少女。
そして、微笑みと共に見守る少年。
まるで、一枚の絵の様に。
「明日は晴れるかな、楓?」
”はい。良い日ですよ、きっと。主様”
ははっ。これって何?怒らないで下さいね。
かすいの大馬鹿者です。
いや、何だか訳の分からない物を書いてしまった。
ファンタジー物でも書いてみたいな〜、とおもっていたんですけど、
その結果がこれと言うことになりますね。
まぁ、短いのはあれとして……って、おい。おいとくんかい!!
言い訳じゃないんですけど、ドラえぽんさんにいただいたお部屋も
いつのまにかカウンターが8000を超えているし、あんまりにも
嬉しかったんで、何か記念に自分で書いてみようかな、と。
今回はプロローグだけですから、中途半端なところで出しましたけど、
切りの良い数字で、これから書いていこうかなと思っています。
タイトルを見て分かる通り、優しすぎるあなたにの別物です。
楓ちゃん、います。
この娘が主様と呼ぶのも、あの少年だけです。
誰も、誰だこいつは?なんて思わないでしょうけど、ね。
それにしても楓がLovingのレイちゃんみたい…………。
まぁ、似たような物かもしれない。
メール、送ってもらえると嬉しいです。
次に出すのは、1万の時かもしれない。
全ては皆様にかかっています。
では、またの機会に。
(第壱話へ続く)
な、なんとかすいさん新連載登場です!!(@0@)おおお
というわけで、かすいさんプロローグありがとうございますー。\( ^ 0 ^ )
優しすぎるあなたにのファンタジーバージョンでしょうか。シンジ君魔法使えるみたいだし、面白そうですねー。
そしてなんとなんと、ここの楓ちゃんは実体化出来るんですねー。(●^ - ^●)ううー、見てみたい
さあ、問題の(笑)アスカ様の登場はあるのでしょうか?先がとても楽しみですね。
ついに連載3本目になるかすいさんに感想&応援を書いて続きを期待しようー。\( > 0 < )うおう
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