「碇さーん、お届け物です」
チャイムの音のしばらく後に聞こえてくる郵便配達の声。
「はーい、今行きます」
玄関に向かい届られた郵便物を受け取るシンジ。
ちらりと差出人を見るとそこには父、碇ゲンドウの名前が書かれていた。
「父さんからだ」
支天輪が送られてきた時のことを考え少しだけ包みを開けるのをためらうシンジ、一瞬、彼の脳裏に嫌な光景が浮かんだのだ。
大量のビール缶の上に座った美女がアスカとともに自分をこき使う光景が……
そしてえびちゅビールと書かれた字とその横に書かれた大量の金額、そして真っ赤な家計簿の姿が……
彼が見た光景は前世の記憶か未来のビジョンか?
思い浮かんだ悪夢のような光景を首を振るって払うとシンジはリビングに行き父親からの贈り物を開いてみることにした。
それがあのような災厄を呼び寄せることになるとも知らずに。
まもって守護アスカ
第三話
エビチュのお代はいくらなの?(前編)
ニーハオ
シンジ、元気にしているか。
「父さん、まだ中国にいるんだ」
北京の近くのファンシーショップを漁る自分の父の姿をシンジは一瞬思い浮かべ、慌ててそのおぞましい光景を頭の中から追い出す。
うん、今もまだ中国をさまよっているが、やはり中国はすごい
四千年の歴史は伊達じゃないぞシンジ
この前も宿に帰って愛用のクマちゃんと寝ようとした時
そこまで読んでシンジは吹き出した、あの髭面の自分の父親が熊のぬいぐるみを抱いて寝る姿を一瞬想像してしまったのだ。
たとえ想像だけだとしてもその光景は余りに心臓に悪かった。
気を取り直してシンジは再び手紙を読む事にした。
ふと、フルーツパフェが食べたくなって、愛用のうさちゃんパジャマで出かけた時
そこまで読んでシンジは一瞬、意識が遠のくのを感じた。
愛らしいうさちゃんパジャマを着た自分の父親の姿を思い浮かべてしまったのだ。
ただいまの彼の精神汚染率120パーセント、彼でなければすでに命はなかったであろう。
それほどまでに、ゲンドウのうさちゃんパジャマ姿は強烈だった。
夢想だけで息子の意識を彼方へと飛ばせる男、碇ゲンドウ、おそるべし(笑)
南とか恐ろしい想像を頭から振り払い手紙の続きを読むシンジ。
なかなか精神力が鍛えられているようだ。
まあ、あの碇ゲンドウの息子をしているのだからそれも当然か……
気を取り直して手紙の続きを目で追ってみることにしよう。
道端で商売をしていたおばちゃんに
呼び止められ、パンダのぬいぐるみと一緒に買ったのがこれだ
何でも黒天筒と言って、支天輪同様、心清いものがこれを覗くと
幸福を手に入れられるという一品だ
まあ、パパは覗いても何も見えなかったがな
はははは、やっぱりパパは汚れきっているらしい
「ったく、父さんは……はあ、そんなすごいものが幾つもあるわけ無いだろう」
そう言って筒の包みを破り、シンジはそれを眺める。
「シンジ、きょうの夕御飯は……って、それは」
その声と共にリビングの扉が開き紅い髪の一人の少女が入ってくる。
少女のその言葉と、シンジが黒天筒を覗き込むのはほぼ同時だった。
少年の視界に入ったのは筒の中で輝く眩しい太陽の姿だった。
光が溢れる。
そして、一人の妙齢の女性の姿もほぼ同時に……そこから……黒天筒と呼ばれた筒から。
「はぁい、お呼びになりました」
その女性が出現した時の二人の様子は実に滑稽だった。
アスカはその女性の顔を見るとむすっとした嫌そうな顔を隠そうともしない。
シンジは額に汗を浮かべ何か呟いている。
「まただよ、またでてきちゃったよ、また出てきちゃったよ、父さん」
そんな二人の様子を気にする風でもなくその女性は振り返りシンジに声をかける。
彼女の長い髪がふわりとゆれる。
「貴方が今度の主様?」
そのままその女性はシンジの側に近寄ると、そっと顔を近づける。
「あぁら、まだ坊やじゃないのん、可愛い(はぁと)」
そういうとその女性はにっこりと笑い、自分の名前を名乗り始めた。
「私は慶幸日天ルーアン、主様に幸せを授けるのが私の役目、ぼうやぁ、お名前わん」
そういってシンジにしなだれかかるミサト。
「い、い、碇シンジといいます」
「うふ!!」
ミサトの唇に浮かぶ婉然とした笑み。
「お年頃の男の子の幸せと言ったら私のような綺麗なおねえさんと甘い一時を過ごすことよね」
そのままシンジにしなだれかかるミサト、真っ赤に染まるシンジの顔。
どげし !!
しかし、彼女の独壇場は長くは続かなかったようだ。
派手な音とともにミサトの頭に突き刺さる足。
「この馬鹿ミサト」
アスカの怒声に振り返るミサト。
底には怒髪天つくほどの勢いのアスカがいた。
「あ、あら、アスカじゃない久しぶりねん」
「いきなり出てきといて、人のご主人様に何するのよ」
そう言って所有権を主張するようにシンジをミサトから取り上げ抱きしめるように胸に抱くアスカ。シンジは自分の頭に感じる柔らかな感触に先ほどより更に顔を赤く染める。
「ちょ、ちょっとアスカ」
「あらま、大胆」
ミサトのその一言で我に返り自分のしたことに気がつくアスカ、一瞬でトマトのように真っ赤に染まる顔、そして、照れ隠しのためか放たれる怒声。
「エッチ、ばか、変態」
そして響き渡るぱちーんという音。
今日も碇シンジ少年は不幸らしい……
後編に続く
後書き
うーむ、何故だ、何故か前後編になってしまっている。
おかしい、ミサト登場の回は一回で終わるはずなのに……
すません、すいません、散々待たせてこの程度の出来で
しかも、いつもよりはるかに短いし(苦笑)
できるだけ近いうちに後編書きたいと思いますので見捨てないでね
それでは……
ぐははは、相変わらずむちゃくちゃな設定。\( > 0 < )おもしろいッス というわけで、J−wingさん守護アスカ第三話ありがとうございますー。\( ^ 0 ^ )ふぁんしーおやじー ゲンドウやばすぎ。中国の人たち何人精神汚染くらったんだろ。(笑) そして、ついにでてきましたね。トラブル大好き三十路ミサトさん。 ところで、アスカ様のちゃいなな胸の中。シンジ君うらやまし....。ぐじゅるるる というわけで、早速J−wingさんに感想&応援を書いて続きを書いて貰うのだー。\( > 0 < )/ちゃいなななー |
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