むかし、むかしから、中国奥地に伝わる伝説じゃ
いくつも山を越えた、小さな国に
“支天輪”と言う名の不思議な輪っかがあるそうな
支天輪の中を覗けしもの
あらゆる災難を跳ね除ける
“紅き天使”の守りを得よう
その国ではそんな風に語り継がれておったそうじゃ
まもって、守護アスカ
第一話?アスカ召来
今遥かな時を経て、その支天輪は一人の少年の元へとたどり着こうとしていた。
小さな頃より一人暮らしをして寂しい思いを抱えていた、一人の少年
碇シンジと言う名の少年の元に
彼は一人、帰り道を急いでいた。
今、夕食のための買い物をしてきた帰りなのだ。
もっと早く、帰るつもりだったのだけれども友人達とゲームセンターで遊ぶのに夢中になってついこんな時間になってしまったのだ。
ようやく家に帰りつき、玄関わきの郵便受けを覗いた彼〜シンジ〜に一つの封筒が目に入った。
「あれ、父さんからだ」
裏の差出人の欄の父親、碇ゲンドウの名を確認したシンジは家の居間に入るなり開いてみる事にした。
ニーハオ!!
シンジ、元気にしてるか
パパはねえ今中国の奥地を旅をしている。
「ぷは!!」
中に入っていた便箋の文面をそこまで読むなり、シンジは飲んでいたお茶を吹き出した。
「パパって、柄なのか父さん、相変わらず筆を執ると人格が変わるな」
シンジの父、碇ゲンドウは著名な小説家であった。
彼と逢った人物はいつも彼の作品と書いている人物のギャップに苛まれると言う。
彼は直接人と対面し話すときは人見知りが激しくほとんど口を利かないのだが手紙など筆を執って文章を書くとなるととたんに印象がかわる。
とにかくシンジはもう一度気を取り直し手紙の続きを読んでみる事にした。
やはり中国はすごい!!
四千年の歴史は伊達じゃないぞ!!
この前も北京に新しく出来たファンシーショップからの帰り道
そこまで読んだとき、再びシンジは口に含んでいたお茶を吹き出した。
自分の父が女の子に混じってファンシーショップにいる光景を想像してしまったのだ。
碇ゲンドウはいかつい見かけに関わらず、可愛らしい物が大好きだった。
今もこの家の片隅にある“ゲンちゃんの部屋(はあと)”とかかれた部屋にはぬいぐるみやその他かわいらしい物が大量に揃っている。
なんとかシンジは自分を取り戻し手紙の続きを読む事にした。
途中で見付けた骨董屋で“支天輪”とか言うすごい物を見付けたので送ってやろう
なんでも、この輪の中に光を見出せる心清い物は
天の守りが授かるそうだ
父さんは覗いてみたけど何も見えなかったよ
シンジ
父さんはすっかり汚れているよ
はははははははは
「ははははは、じゃないよ、父さん」
そこまで読んでシンジはふうと一つ、溜め息を吐くと彼以外、誰もいない家の天井を見上げポツリと呟いた。
「そりゃあ、十四才の息子一人置いて、世界中旅しているような父親は清らかじゃないよな」
その輪がお前を幸せに導いてくれる事を父さんは願っている
「……か」
手紙の最後の一文を口に出して読んだ後、シンジは寂しそうに天井を見上げ一人思う。
(幸せ願うくらいなら、帰ってこいよな………まったく)
「しかし、中国四千年ねえ…」
そう呟きながらシンジは封筒から取り出したわっかを覗いてみる。
見えるのは暗い闇のみ光も何も見えはしなかった。
「真っ暗で何も見えない……え、真っ暗、これって輪っかじゃあ、どうして向こう側が」
その瞬間、支天輪から光が溢れた。
そして、支天輪より、光と共に一人の少女が姿を現す。
紅い髪の綺麗な少女が……
あまりの事にぽかんとするシンジ。
まあ、いきなり輪っかの中から人が出てくればぽかんとするのが当たり前か。
「ちょっと、ご主人様、大丈夫?」
少女は自分の目の前でぽかんとしている少年に声をかける。
「き、君は……」
そう声をかけるシンジに少女はにこりと綺麗な微笑みを見せると自分の名を名乗ったのだ。
「はじめまして、ご主人様、アタシは守護月天明日香」
「守護月天?」
「天に浮かぶ月のように主から離れることなく守り続ける者と言う意味よ」
そう言って少女は自信たっぷりと言った風情で胸を反らした。
「名前はアスカ、アスカで良いわよ、ご主人様……アンタじゃなかった、貴方のお名前は?」
「い、碇シンジですけど」
「碇シンジさま………あああああ、こんな喋り方、アタシのポリシーに合わないわ」
途中まで喋って少女は突然大声を上げ首を横に振る。
「いいよ、難しいなら普通の喋り方でも、あと様付けされるなんてなれないから、シンジで良いよ、アスカさん」
「ふう、ありがとう、とにかくこれからは敵国の襲撃や刺客などあらゆる物からアタシがアンタを護るわ、それにしても……」
そう言って少女はシンジをしげしげと見つめる、そして部屋の中をぐるっと見回す。
「それにしても、アンタよく生きているわね、屋敷の警備は手薄だし、アンタ全然体を鍛えてないみたいだし、よく生きてこられたわね、今まで……ちょっと待ってなさい」
アスカと名乗った少女はそう言い残すとシンジが止める間もなく玄関の方へと歩いていく。
しばらくして、少女は居間へと戻ってくる。
「もう大丈夫よ、シンジ、玄関に罠を仕掛けておいたから」
「え?」
シンジがアスカの言葉の意味を確かめる前に凄まじい爆音が居間の方まで響いてくる。
「さっそくかかった様ね」
凛とした勇ましい表情をするアスカと対照的に焦った顔になったシンジは慌てて玄関へと駆け寄る。
彼が見た者は巨大な過粒子砲らしき物(ポジトロンライフル?)とそれにまたがる小人。
そして、慌てて門の所に回覧盤を置き逃げ去る近所のおばさん。
「どう、すごいでしょう」
「これは、一体……」
「車騎よ、アタシは支天輪から中国に伝わる星座を呼び出せるのよ、家人以外の人間を侵入させない様に命じておいたからこれでどんな敵が来ても大丈夫よ」
「消してくれええええ」
シンジは頭を抱えながら絶叫した、もう泣きたい気分だった。
それから数十分はシンジにとって苦労の連続だった。
テレビを見ていればテレビの中の銃撃シーンを敵の襲撃と思ったアスカはテレビを破壊。
電話の音を危険な物と思ったアスカはこれまた電話も破壊。
累々と家の中には壊れた電化製品の群れが出来つつあった。
シンジには分かった、どうやらアスカが自分を敵?から護ろうとしているらしい事。
しかし、もう身が持たないそれが答えだった。
「あのさ……」
シンジは自分の側に佇む少女にすまなそうに声をかける。
「ここって君が思っているような危険な所じゃないし、僕は誰かに命を狙われたりはしてないんだよ、それに何があっても自分の事くらい自分で護れるしさ、だから……その」
「そうだったの……?」
何処か寂しそうな表情をしながら言うアスカ。
「それじゃあ、アタシはシンジに迷惑かけちゃっただけなんだ」
気丈にも微かに自嘲の笑みを浮かべながらいうアスカ。
そのなんとも悲しそうな表情を見て、ずきりとシンジの胸のどこか痛んだ。
「いや…べつに……そういうわけじゃ…・・」
「わかったわ、数々の無礼を許してね」
徐々に光に包みこまれる少女の体。
「アタシは支天輪に帰るわ、いつかまた、心の清い奴に巡り合う日もあるでしょう」
光が消えた瞬間、少女の姿はそこに無かった。
あるのは支天輪と呼ばれた、古い輪っかのみ。
「世の中には、不思議な事もあるもんだな、ぐらいにしておくか」
すっと床に落ちた支天輪を手に取り呟くシンジ。
「いろいろ考えていると、なんか空しくなりそうだし、でも……」
何処か寂しそうな表情で喋るシンジ。
「夕食くらい、一緒に食べても良かったかな」
シンジはそう呟くと台所に入り料理を作り出した。
夕食を一人寂しそうに食べるシンジ。
その様をくらい闇の中からアスカは見詰めていた。
「……はあ」
一人、ため息を吐きながら食事するシンジの姿はたまらなく寂しそうに見えた。
「確かに、危険な目には合ってないみたいね………だけど……さびしそう」
シンジのさびしそうな表情を思い出しながら、物思いにふけるアスカ。
「出ていったら迷惑かな、邪魔だって思うかな……」
シンジの一つの言葉。
『何があっても、自分の事くらい自分で護れるしさ』
「でも……アタシ、やっぱり……」
ふわりと光と共に再びシンジの側に現れるアスカ。
彼女の気配に気が付き振り向くシンジ。
「え……」
「あのさ、もしもよもしも、シンジが迷惑じゃなかったらシンジの中にある“孤独”や“寂しさ”からアンタを護ってあげたいんだけど……」
少しで頬を赤く染めながら、言うアスカ。
「べ、別にアンタの事なんてどうでも良いのよ、アンタの作った御飯がおいしそうだったから、あの、その、つ、ついでなんだから」
自分の言った言葉の恥ずかしさにしどろもどろで言い分けを始めるアスカ。
「……アタシさここがどういう所か知らないから、シンジにまた迷惑かけちゃうかもしれないし、“寂しさ”から人を護る方法なんて知らないから、役に立てないかもしれないけど……それでも、シンジさえよければ……」
少し不安そうに言うアスカにシンジは微笑を浮かべながら答える。
「守るなんて、大袈裟な事言わなくても……君が側にいてくれたら寂しさなんて吹っ飛んじゃうよ……きっと、よろしくね……アスカ」
「うん、こちらこそ、よろしくシンジ」
少女の顔に笑みが戻る。
眩しい太陽のような笑みが……
父さん
父さんがくれた輪っかのおかげで
なんか幸せになりそうだよ
確かに
四千年の歴史は伊達じゃないかもね
つづく……のか?
後書き、と、いうかいいわけ
どうもJ−wingです。
何をかいているんだ、僕は………
読む人なんているのかこんなおばか丸出し企画。
一応、某まもって守護月天と、言う作品のパロディです。
分かる人には分かるネタ晴らしをしちゃうと、ルーアンはミサトです。
キリュウはレイ、さてキリュウ登場まで書けるのか……
ルーアン=ミサト登場さえ怪しいぞ、そもそも、これは続くのか……
そもそも、続きなんて全然考えていないぞ。
ああ、僕って馬鹿……そもそもこれはLASか……
ご意見、ご感想、文句、脅迫、シャオを汚すな等はJ−wingまで。
うおお、これはものすごく萌えそうな予感!\(●> _ <●)/うきゃっほーい というわけで、J−wingさん新連載ありがとうございますー。\( ^ 0 ^ ) 何と守護月天&LASパロですかー。初回だけどすごい面白いですねー。二人の会話、アスカ様の行動、全てがうまいッス。うーん、感服って感じです。 しかし、ゲンドウ...。なんちゅう怪しいオヤジだ。(笑) ひげ面パパのファンシーショップは爆裂しますね。くっくっく J−wingさん、ルーアンがミサトって言うのははまり過ぎ。(爆笑) さあ、不思議な出会いをした二人にこれからどんな出来事が待っているのでしょうか?すごく楽しみですねー。 早速J−wingさんに感想&応援を書いて続きを書いて貰うのよー。\( > 0 < )そうですよー |
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