J-wing presents.
木漏れ日の中で
ASUKA
風があたしの頬を気持ちよくなぜていく。
太陽があたしに柔らかな陽射しを投げかける。
空を見上げればあたしの瞳のように蒼い、蒼い空が広がっていた。
昔はこんな風にのんびり空を見上げる事なんて無かった。
こんなに空が蒼くて綺麗だ何て知らなかった。
これを教えてくれたのも、あいつだったっけ…
そこまで考えてあたしは手の中の重みで我に返った。
そうだった、お弁当も持たずにふらふらっと外に出ていった、あいつにお弁当を届ける途中だったけ。ほんとに何処いったんだろう。
危ない目には合ってないと思うけど…
考えも無しに校舎の裏側の方に来てしまったがあっているだろうか。
何となく、こっちにあいつがいるような気がしたんだけど…
ふと視線をさまよわせた先の大樹の影に寝転ぶあいつの姿があたしの目に入った。
「シンジ!!」
思わず嬉しくなってあいつの名前を呼んで側に駆け寄るあたし。
「何一人で転がってるのよ」
嬉しそうな声を出しちゃった事が少し恥ずかしくって、少しだけぶっきらぼうな口調であたしはあいつの顔を覗き込みながら尋ねる。
「気持ちいいから横になっていたんだけど、アスカもどう気持ちいいよ」
「はあ、アンタねえお昼も食べずに何をやっているかと思えば」
のんきな口調でそんな事を言うあいつにあたしは思わずため息を吐いてしまう。
「心配して損しちゃったじゃない」
思わずそんな言葉があたしの口から漏れていた。
一瞬、あいつにその言葉が聞こえちゃったんじゃないかと心配したけど、どうやら杞憂だった様だ。あいつはなんかぼけぼけっとした顔であたしの顔を見つめているだけだった。
「そうだったね、お昼食べるの忘れてたよ」
ボケボケっとした顔でそんな事を言うあいつにあたしは思わずため息を吐いてしまう。
「はあ、そんなこったろうと思ったわよ」
そう言いながらあたしはあいつにお弁当箱を差し出した。
お弁当箱を渡す時、あいつの視線があたしのもう片方の手に集中したのが分かった。
少しだけ恥ずかしくなってあたしはぶっきらぼうに言葉を紡いだ。
きっと、顔少し赤くなってるんだろうな。
「あんた一人じゃあ御飯食べても美味しくないでしょうからね」
そういって、あたしはシンジの隣に腰を下ろした。
ほんの少しだけ、あいつとの距離を詰めて。
より頬が紅潮するのが自分でも分かった。
「ありがと…」
え、ほんの小さな声だったけど、確かにシンジが今そう言った様な気がした。
思わずシンジの方を向いてみると、いつも以上に優しい笑顔で微笑みかけるあいつの姿があった。
自分の頬が更に赤く染まっていくのが分かる。
気恥ずかしさからあたしはただお弁当を食べる事に意識を集中した。
木漏れ日の中、シンジと一緒に食べるお弁当はいつもより美味しいような気がした。
「たまにはいいものね、外で食べるって言うのも」
食べ終わった後、蒼い空を見上げながらあたしは一人そう呟いた。
「そうだね、また一緒にこうやって食べようか」
その言葉に驚いてあたしはシンジの顔をまじまじと見つめた。
少しだけいつもより顔が赤いような気がする。
でも、あたしにはあいつが勇気を振り絞ってそう言ってくれた事が分かった。
その事が妙に嬉しかった。
きっと今のあたし笑ってるんだろうな。
そう考えながら、あたしは首を縦に振った。
「そうねえ、たまにはいいわよね、よし一週間に一度今日が水曜日だから水曜日ね」
「ありがとう、アスカ」
「それくらい礼を言う事じゃないでしょう、その代わり美味しいもの作るのよ」
「腕によりをかけて作るよ」
本当にたわいないやり取り、だけどその内にあたしは確かな温かさを感じる。
昔のあたしが省みようともしなかった物、だけど心の内でいつも欲していたもの。
それが今あたしの側にある、その事があたしはとても嬉しかった。
何気ない温もり、暖かさそれが自分の側にある事が…
そんな事を考えながら、あたしはそっと瞳を閉じ自分を包んでくれる優しい風と暖かな木漏れ日、そして側にいてくれるあいつの温もりを全身で感じていた。
「確かに、気持ちいいわね、ここ」
「うん、僕のお気に入りだからねここは」
再び木の根本に横になりながらあいつはそう答えた。
あいつが再び目を閉じる。
さっきまでのあたしと同じように全身で回りの自然を感じ取っているらしい。
何気なく再びシンジの方を向くとあいつもちょうどこちらを向くところだった。
絡み合う、シンジとあたしの視線。
まだ、こうやってユニゾンしている。
その事が妙におかしっくてあたしとシンジは笑みをこぼした。
どれくらい経ったんだろうか、やがて隣から聞こえてくるシンジの息が規則正しい物に変わる。
「シンジ?」
そっと顔を覗き込みながら呼びかけてみるが返事が無い。
完全に熟睡しているらしい。
その寝顔は母親の胸元で安心して眠る幼子のようにあどけなかった。
悪戯な風が再び吹きぬけあたしの髪を舞い上げる。
舞い上がった髪をそっと押さえた後、あたしはふと思い付いた事を実行する事にした。
たまには素直になるのもいいから…
風が優しく頬をなぜる。
木漏れ日が優しくあたしとシンジを照らす。
そして、あたしが感じているのはより間近になったシンジの寝息の音。
そして、より近くに感じるシンジの温もり、そして膝の上の心地よい重み。
あたしは、シンジの安らかな寝顔をそっと覗き込むと優しく髪を梳いてあげる。
やさしく、やさしく…
あたしはそっとあなたに囁くの。
「シンジ、あなたはあたしにありがとうって言ったけど本当にお礼を言うのはあたしの方。
何時も側にいてくれてありがとう、あたしの我が侭を聞いてくれたありがとう、あたしを見ていてくれてありがとう、そして、あたしに優しく微笑んでくれて…」
ここであたしは言葉を切った。
そして大切な何かを伝えるように、そっとあたしはシンジの耳に囁いた。
「ありがとう、シンジ…大好きだよ」
あたしはそのままやってきた睡魔にその身を任せた。
少女の囁きを聞いた少年の表情はとても嬉しそうな物だったという…
それは春も近いある晴れた日の事…
ふぃん
後書き
はい、と、言うわけで(どんなわけなんだろう)木漏れ日の中でアスカバージョン贈ります。
相変わらず、構成甘いし…やっぱり一人称は難しいです。
いかがでしたでしょうかこの作品。
どうも、ラブラブなお話しはかけない体質みたいで、どうやってもほのぼのになってしまうんですよね、僕。
なんとか今回はラブラブになる様にしてみたけど、駄目ですね、全然。
また調子に乗って何か贈るかもしれませんが笑って許してやって下さい。
それでは…
うおお、これは何と可愛いアスカ様。\(●> 0 <●)/はふーん
というわけで、「木漏れ日の中で」アスカ・バージョン貰っちゃいました。J−wingさん投稿ありがとうございますー。\( ^ 0 ^ )2本目ー
うーん、良いッス。素直になったアスカ様はなんて可愛いんでしょうか。 ............それは普段が(ばきっ)ぐおおっ(@0@)
......今なんか紅い疾風が通った様な。(
@_@;)>あ、あたまが
と、ともかく暖かな春の日差しがアスカ様の気持ちを少し素直にしてくれたんですねえ。
そしてラストのセリフ。はうー、ごろごろごろごろ。たまらんッス。\(●>
_ <●)くうー、良い
さあ、二人の暖かいお話を書いてくれたJ−wingさんに感想を書こー。\(
^ 0 ^ )おー
あなたの感想で次回作が読めるかも。ふっふっふ
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