ツバサちゃんのプリンプリン大作戦!
シンジとアスカが結婚して ツバサという娘がいる世界
アスカはドイツに 単身赴任
シンジは 幼稚園でパート ( ツバサの尻拭い )
そんな世界で……
今日は3月14日
つまり…ホワイトディ!
バレンタインのお返しを しなければならないシンジは、前日から大忙しだった。
( 全く 義理チョコの”お返し” も 大変だな…)
シンジは 貰ったチョコの大半に 熱い心を込めたメッセージが添えられていた事を 知らない…
今まで アスカとツバサが 抹消していたから…
ところで、シンジのお返しは毎年決まって ”プリン”だった。
クッキーやチョコだと おかしな誤解を与えかねない( アスカの強硬な意見)
何といっても、数が多い
従って 一つの作業で 大量生産可能でなければならない。
そして、シンジの手作りプリンは 皆に大好評だったから…( アスカとツバサのお墨付きである。)
さて、前日のうちに 大きな寸胴で4ッ、プリンを仕込む シンジ
出来たプリンの素は、知り合いの冷蔵庫で 冷やして置く…寸胴ごとだったが…
そして、朝から プリンに乗せる クリームやシロップを 調理しているシンジだった。
…そんな シンジの後ろで、娘 ツバサは、ニヤリッ! と笑った……しっかり 祖父ゲンドウの血筋は 受け継いでいる。
ようやく、朝の仕込みを終え 父娘だけの朝食を済ますと、シンジは ツバサに声をかける。
「 ツバサァ! 幼稚園、行くよ!」
「 うん、パパァ!」
ツバサは 天使のような無邪気な笑顔をシンジに向けた。
( …そう、準備万端よ! )
「 今日は、車だね、パパ。」
「 うん、…なんせ 大荷物だからね!」
普段の父娘は 歩いて幼稚園まで 通園している。
しかし、今日の荷物を担いで歩くのは、事実上 無謀だった。
それに 幼稚園のお昼寝の間、シンジはプリンの素を 取りに行かなければ ならない。
シンジは 普段 滅多に使わない電動カーを 引っ張り出した。そして後ろのボックスに 荷物を積み込む。
ツバサは 気づかれない様に 自分の荷物を 運び込んだ。
「「 おはようございます!園長先生。」」
「 あぁ、おはよう、碇くん、ツバサちゃん!…今日は車かね、珍しいね…」
「 えぇ、今日は荷物が あるもので…」
思わず苦笑いする シンジ。
「 荷物かね…………あっ、そうか! 今日は3月14日 だったね。」
「 えぇ…」
「 今年も 碇くんのプリン が 出るんだな…園児達も職員も 楽しみにしてるからね…」
「 そ、そんな立派なモノじゃないですよ…」
「 いやいや、君のプリンは 町のショップにも引けを取らないよ…去年も 大好評だったじゃないか!」
「 そこまで、喜んでもらえると、僕も作り概 がありますよ。」
普段のお礼のつもりで、去年も 幼稚園で プリンを配ったシンジ
おかげで、3月14日の幼稚園のオヤツは シンジのプリン になってしまった。
幼稚園児 200名近く、職員28名、そして 何故か 迎えの父兄( 殆ど母親か 姉だったが…)300名以上 に配らなければならない…
シンジの苦労も 並大抵ではない。
「 おはようございます、碇さん…」
眼鏡を掛けた、大人しそうな女性が 挨拶してくる。
「 やぁ、おはよう!山岸さん。」
「 ……何ですか? この荷物は…」
「 えっ、これかい…ハッ、ハッ、ハッ、…」 「 ウッ、フッ、フッ…」
シンジの苦笑いに、微笑むマユミ……良い雰囲気になりかけるが…
「 おっはよぅ! シンジさん!!!」
活発な女性が 割り込んでくる。
「 …あぁ、おはよう、霧島さん…」
驚いたようなシンジ
「 ………………………おはよう………マナ……」
何故か 恨めしそうな視線のマユミ
そんなマユミにかまわず、マナはシンジにまとわりついた。
「 あっ、これですね! あの”噂のシンジさんのプリン” って言うのは…」
若い女性に絡まれ、毎度の様に焦るシンジ
「 あっ、うん! そうなんだ!」
「 わぁ!楽しみだなぁぁ! 評判は聞いていたんですけど…」
「 それほどじゃないよ…」
「 何、言っているんですか! みんな、大絶賛してましたよ!」
そう言って マナはシンジに くっ付こうとする。
「 えぇ、私も今日のオヤツ、楽しみにしてます……」
マユミも何とか 会話に混じろうとしていた…
そんな様子を 冷たい瞳で 睨み付けるツバサ
( ……決定! 第一目標、霧島マナ! 第二目標、山岸マユミ!)
彼女は 自分の”荷物”を 握り締めた。
さて、今日の幼稚園は いつも以上に 賑やかだった。
……やはり、”オヤツの時間” への期待の所為である。
入ったばかりの年少組はともかく、年中組、年長組は そわそわしていた。
「 …そんなに 美味しいの? お兄ちゃんのプリン…」
「 バッカだなぁぁぁ、知らないのぉ?」
「 だって…僕、今年入ったばかりだもん!」
「 そうか……残念だなぁぁ…」
「 そんなに 凄いんだ…」
「 うん! お店で売っているのより うまいんだせぇ!」
「 本当?」
「 スプーンと取ると ゼリーみたいにプルプルしているんだぁ!口に入れても プルプルなんだぁ…」
「 そうそう! でも 舌で舐めると プリプリが トロトロになるんだよぉ!」
「 うんうん、口の中に 良い匂いで 一杯になってさぁ…」
「 吸い込むと、ズルズルって 喉を通るんだよ!」
「 俺は 口の中で ジャブジャブになるまで、舐めるぞぉ!」
「 やっぱり、喉ごしだよ…」
「 そうか……そんなに美味いのか…楽しみだなぁぁ…」
そんな訳で、昼飯が終わって、お昼寝の時間になっても なかなか寝ようとはしない 子供たち…
ベテラン保母の「 …寝ない子には、オヤツ抜きですよ!」の一言で やっと 事体は収まった。
シンジは お昼寝の時間を 利用して 預けておいた ”プリンの素”を受け取りに車を走らせていた。
…やがて、とある施設の前で停める シンジ
入り口の脇のボタンを押した。
「 はい、どなたですか?」
「 えっと、僕 碇シンジです…」
「 あっ、あの ”碇シンジ”くんですね……どうぞ、話は聞いてます。そのまま お入りください…」
シンジが入った場所は 巨大な社員食堂……ネルフ職員の胃袋である。
そこで、シンジは懐かしい人と 出会う。
「 お久しぶりね、シンジくん!」シンジに軽く手を振る制服の女性
「 本当ですね、マヤさん…お元気そうですね。」
今や ネルフ本部研究開発課長を 勤める 伊吹マヤ だった。
「 ……でも、なんで マヤさんが…」
戸惑うシンジに 優しく笑いかけるマヤ…
「 ふっ、ふっ、ふっ…ほらっ、シンジくん ちょっと 変わったモノを ”お願い”したじゃない!」
「 えっ……そんな、そんなつもりじゃなかったのに……マヤさんの手まで 煩わせるつもりは………」
「 良いのよ、シンジくん……丁度 暇だったし、気分転換も兼ねてね…面白い仕事だったわよ!」
「 ……すみません、マヤさん……軽いつもりで 尋ねただけだったんですが…」
シンジの”お願いしたモノ” というのは、”プリンの持ち帰り容器”
300名以上の父兄に配る為に 必要としていた。
その話を聞きつけたマヤ、何故か 勝手に介入したのだった。
一つの装置を取り出した マヤ
「 ほらっ、これよ! このプラスチックの部分に プリンを入れると 自動的に 容器が出来るわ…」
「 へぇー…凄いですね…」
感心するシンジに 顔を赤く染めるマヤ
「 ま、まずは 試してみましょうよ…」
「 えぇ、そうですね!」
厨房に入る二人
シンジは顔見知りの 調理部員に話し掛けた。
「 あっ、すみません…シンジですけど…」
「 よぉ、シンジくん! アレを取りに来たんだね。」
「 …本当にすみません…調理器具や寸胴、冷蔵庫まで 貸してもらって……」
「 なんの、うちの子供も世話になっているんだし、これくらい…」
巨大な冷蔵庫から これまた大きな調理用寸胴を持ち出す男
寸胴の中には、出来上がったプリンが 詰まっていた。
「 いや、少し味見したんだが…良い出来じゃないか! うちの子供が 騒ぐ訳がわかったよ。」
「 そ、そんな…」
「 とても、俺には 作れないよ…本職 顔負けだな。」
そう言って 笑う調理部員
マヤの装置を実験すると 巧い具合に プリンが包まれていった。
「 ありがとうございます! マヤさん…」
「 良いのよ、シンジくん…………その代わりに…」
マヤの視線は、いくつか出来上がった ”プリン” に移った。
「 ……えっ…………あっ、マヤさん、宜しかったら…持って帰りませんか?」
「 あらっ、良いの? 悪いわね…」
マヤは、ニヘラッ と笑った。
シンジは プリンの寸胴を ”お礼”として 一つ 置いていった。
その噂は、瞬く間に ネルフ中を駆け回る。
その日のネルフ食堂は、女子職員によって ”戦場” となった……
シンジが プリンを持ち帰ると、お昼寝の時間は終わりだった。
今日は ”お歌の時間”なのだが、園児達は ちっとも集中出来ない。
プリンを運んでいるシンジを 見た所為だった。
幼稚園の食堂で、プリンを盛り付けているシンジ
手の空いた保母達も 手伝っている。
”プリンの型”を 器用に使って 寸胴からプリンを 掬い取っていくシンジ…
その姿は流れる様に 美しく 早い。
ロスになる材料など ほんの少しだけだった。
他の職員は皿を並べ、上にシロップを掛けていく。
最後に クリームを乗せていくのは、何故かツバサだった。
……もちろん、訳があるのだが……
やがて、”お歌の時間”も終わり、園児達は どっと、食堂に集まってくる。
そして いつもの様に 男の子と女の子が ずらっと向かい合って座る。
そこへ、運搬車に運ばれて プリンがやって来た。
手を叩いて喜ぶ 子供達……しかし……
「 あれっ? 僕達のプリン、クリーム乗ってないよ…」
「 本当だ! 女の子だけじゃないか! ズルイ…」
男の子のプリンには、シロップしか乗ってなかった。
シンジが 最後に作ったクリームが 失敗した所為である。
ワイワイ 騒ぎ始める男の子達
そこへ、ツバサの怒鳴り声がとんだ。
「 うっさいわよ!!!あんたたち! パパにチョコレート渡したのは、女の子なんだから、クリームも女の子だけなの!!!
なんか、文句ある?」
パパの不手際を 必死にカバーしようとするツバサ…
ギロッと ツバサが睨むと、たちまち静かになった。
「 どうしても 嫌って人は、食べなくてもいいからね!」
すっかり 大人しくなる男の子達……保母達が制止するより、ツバサが怒ったほうが 効果的だった。
……翌年から、シンジは男の子達からも チョコレートを貰う事になる……
「 では、いただきましょう……いただきます!」
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「 いただきます! 」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
子供達は それでも 美味しそうに食べ始めた。
時々、女の子のプリンに 手を伸ばす男の子も居たが、ツバサの一睨みで 大人しくなる。
大人達は 子供達の世話で 手一杯だったので、交代で オヤツを食べる事になった。
「 ふぅ、やっと順番が来たわ……さぁ、食べましょうよ、マユミ!」
「 もう、マナったら、さっきから ソワソワしているんだから…」
今、正に食べようとしていた マナとマユミの 背中をツンツンと引っ張っているツバサ…
「 もぅ、誰よ……あらっ、ツバサちゃん、どうしたの?」
振り向くと ツバサは口に愛用のスプーンを 咥えている。
「 あっ、あのね…パパが呼んでいるの…」
「 えっ、シンジさんが…」 「 行ってみましょうよ、マナ……」
とてとてと、嬉しそうに 駆けていくマナとマユミ…
「 パパは キッチンの方に いるからね!!!」
そんな2人に ツバサは手を振って送っていたが…手を滑らしたのか ツバサのスプーンが 跳んだ。
放物線を描いた スプーンは、マナのプリンに突き刺さる。
「 あっ……取り替えなくっちゃ! 丁度 アタシのが、未だ食べてないから……」
周りの職員に そう言うと…ツバサは新しいプリンを 持って来た……
何故か その顔は 嬉しそうだったが…
簡単な片付けを済ませると、マナとマユミは 再び 席に付いた……が、その瞬間
マユミは、椅子を滑らせて、プリンに顔を突っ込みそうになった。
「 えっ……そんな……何で……」
眼鏡が、プリンまみれになった マユミ…
「 全く、マユミも 鈍臭いわね…」
冷たいマナの言葉
「 わ、私…顔、洗って来ます…」
マユミは しょんぼりと席を立った。
マユミの後ろ姿を眺めていたマナだったが…
「 さぁ、いただきます!………うぐぅ!!!」
( 何、これ……これが 今の流行なのかしら?)
顔色が 青くなるマナ、周囲の保母達は美味しそうに食べている、……そこへ、
「 どうかな? 霧島さんは 初めて食べるんだよね…」
シンジが、優しく声をかける。
「 えっ、……えぇ、美味しいですね!……こんなプリン、初めてです…」
声が小さくなっていくマナ
「 そう、良かった…」
マナの向かい側に 座ったシンジ、マナは席を立つ訳にもいかない。
マナは、青い顔をしながら、結局 全部 食べた。
それを見て、口だけの笑いを浮かべる ツバサ
( ふっ…上手く いったわ…)
マユミの椅子の足に 仕掛けをしたのも、( 椅子の足に、簡単に外れるように接着剤で 積み木の欠片を くっ付けた…)
マナのプリンを取り替えたのも( シロップに細工した…)
…ツバサだった。
オヤツの時間の後は、自由時間だった。
その時間を利用して、父兄に配るプリンを 作ろうとしたシンジだったが……
「 …あれっ? プリンの型か゛ 無い…」
先程、プリン作りに使っていた プリンの型 が見当たらなかった。
あちらこちらを探すシンジに…
「 パパ、これでどう?」
どこで用意したのか、少し小さい型 を渡す ツバサ
「 うーん、少し 小さいな…」
躊躇するシンジだったが…後、1時間ほどで、父兄達が 迎えにくる。
それまでに 300個以上 作っておかなければならない シンジ
「 しょうがないな…間に合わないと困るし…」
と、いう訳で 少し小さいプリンを 作るシンジだった…
(
これで、その他の目標も終了ね……あの人達には、これで十分よ!)バレンタインディーに紛れて、シンジにまとわりついた母親達、姉達にも
密かに復讐するツバサそして、洗い物の中に、そっと
プリンの型を 滑らせた…
結局、最後のプリン寸胴に
プリンが三分の一程 残った。(
やっぱり、プリン 余っちゃったな…しょうがないか…)残ったプリンを見て、ため息をつくシンジ
そんなシンジに、ツバサは…
「
ねぇ、パパ…残っちゃったね……みんなが もっと食べたいって 言うんだけど…」
そのプリンは、園児達の
お替わり として 消化される事になった。
後書き
ども、どらこです。
ホワイトディネタで、ツバサちゃん…
しかし、なんか
エスカレートしているような…(笑)まぁ、幼稚園児の
イタズラだと 思って…(爆)
しかし、思い付いたんですが…
シンジとアスカの子供って事は…
当然、あのゲンドウの血も、あのユイの血も、あのキョウコの血も…そして、あのアスカの父親の血も…
それに
加えて、あのシンジの血と、あのアスカの血…
…どんな大人になるんでしょうね?(笑)
おまけ
ツバサの愛用のスプーンには、シンジの顔が
彫り込んであった。ツバサ、一歳の誕生日プレゼントで、ミサトが送ったモノである。
アスカは、フォークだった。
「
なんで、アタシはフォークなのよ!」「
良いじゃない、アスカ…スプーンとフォークは、いつも 一緒なんだから…」(
スプーンはすくう、舐める。フォークは突き刺す…そのまんまね!)
なを、”しんちゃんスプーン”は、密かにネルフ女子職員の間で、流行していく。
これで、稼いだミサトは
笑いが 止まらなかった。「
これで、一年分の酒代が…」
うーむ、ツバサちゃん策士ナリ。流石ゲンドウの孫といったところか。(笑)
というわけでどらこさん、ツバサちゃん2人目ありがとうございますー。\( > 0 < )/あしゅかのむしゅめー
それにしても、シンジ君。毎年300人くらいにプリンを配ってるとは苦労性だねー。( ^_^;)
まあ、アスカ様と結婚した時点で苦労性なんだろうけどね。(笑) でも、幸せなんだからそんなこと気にもならないんだろうな。( ^ - ^ )
と、ところで今回のツバサちゃんはゲンドウ顔負けの策謀を練ってますなー。この策謀好きと焼き餅焼きは血ですな。(爆)
最後のシンちゃんスプーンは良いですね。ちなみに、アスカ様のシンちゃんフォークはロンギヌス?( - _ -;)???(笑)
さあ、超いたずらっ子なツバサちゃんを書いてくれたどらこさんに、感想&応援を書いて幸せ家族を見るのだー。\( ^ 0 ^ )いえーい
どらこさんへの感想はここです。
または簡単感想用掲示板へどうぞ。
※このお話の本編「保父さんシンジ」は狂奏曲で連載されています。ここには若くして結婚したアスカ×シンジ夫婦が居ますよ。ナイスです。
※ちなみにこんな所にもツバサちゃんは居たりします。(笑)
◎感想用フォームです。2,3行の感想でも作者さんは嬉しかったりするのだ。