「いい?シンジ、今度こんな点数取ったらお小遣い無しですからね。
わかってるの?。」
シンジは電話の向こうにいるユイから説教をくらっていた。
理由は今日返されたテストの点数、前回よりクラスでの順位が5番下がったためであった。
母の小言はいつもの事なので、シンジはそれに平然と受け答えをしていた。
「わかってるよ母さん。次こそはちゃんとやるから。」
「まったく、貴方はそんなんじゃいつかアスカちゃんに愛想つかれちゃうわよ。
大体アスカちゃんを見なさい、シンジと違って勉強も運動も・・・・・。」
ブチッ
「あれ?。」
話の途中で突然ユイの声が途絶えた。
何度も電話のフックをガチャガチャと
を押しながらユイに話しかけるシンジ。
「もしもし?母さん?どうしたの・もしもし?。」
だが、ユイからの返答は一向にやってこなかった。
「どうしたのシンジ。」
その様子を見ていたアスカがシンジに声をかけた。
「それが変なんだ。・・母さんからの電話突然プッツリ切れちゃって。」
「シンジの成績に呆れて切っちゃったんじゃないの?。」
「いや、そういう感じじゃなかったけど・・。」
「ふ〜ん・・そう・・。それよりシンジ、家に帰ったら私がみっちり
勉強教えてあげるからね。」
「え〜!。」
不満げな声を上げるシンジ。
「何?不満なわけ。せっかくこんな美人の家庭教師を受けられるって言うのに。」
「だって・・。」
急に小さな声になるシンジ。
「だって、何よ。」
その様子をアスカは怪訝そうにみつめて、シンジの次の言葉を待っていた。
「だって・・・アスカに教えて貰ってると全然勉強進まないんだもん。
すぐに欲しがってくるし。」
ボンッ
瞬間アスカの顔が沸騰したように真っ赤に染まった。
「そ、それは・・・・・・・シンジが・・そ、その・・無理矢理・・・・。」
語尾はもはや聞こえないほど小さいモノだった。
「ふ〜ん・・そんなこと言って、勉強に集中してる僕の腕に
胸を押しつけて誘惑するのは誰だっけ?。」
「・・・・・・・わ、私です・・。」
顔を真っ赤に染め、うつむきながらアスカは答えた。
「今度、そんなこと言ったら、もう最後までシてあげないからね。」
「え〜・・そ、そんなぁ。」
シンジの言葉にアスカは今にも泣き出しそうな顔になる。
それをみたシンジはすかさず、
「嘘だよ、ごめんねアスカ♪。」
と言いながらアスカの右頬にキスをした。
アスカはシンジにキスされた頬を右手で押さえながら、
「もぅ〜シンジったら。いきなりなんてずるい。」
「だってアスカがとっても可愛いんだもん。」
カァー
改めてシンジに可愛いと言われアスカの顔が紅潮する。
「ねぇシンジ?。」
「何?。」
「キスして。」
「うん。」
「今度は口にね♪。」
そして・・二人の距離がゼロになった。
ちなみにここは街の大通りの一角、
街行く人は皆二人を見ては、固まっていた。
エヴァンゲリオンAS
その九
作:ベファナさん
「あれ?開かないな。」
ネルフの入り口の前でシンジはIDカード片手にとまどっていた。
通常、ネルフの入り口ではそれぞれが持っているIDカードで個人を識別。
ゲートが開く仕組みになっていた。
「何やってるの。ちょっとどきなさい。」
アスカとシンジのラブラブぶりに当てられて苛ついている
マナがシンジを押しのけ、IDカードを差し込んだ。
だが、一向にゲートは開く気配を見せない。
「一体どうしたのかしら。」
「どうやらここいら一帯で大規模な停電が起きてるみたいだ。」
マナの質問に答えたのはシンジではなく、
もう1人の男のパイロット相田ケンスケであった。
ケンスケは携帯ラジオを持っており、それで停電の事を知っていた。
「ふ〜ん・・・。」
とりあえずゲートの開かない理由については納得したマナ。
だが、マナには新たなる疑問が浮上したらしい、
まっすぐにケンスケと向き合うと言った。
「ところでさ・・あんた誰?。」
「へ?。」
瞬間ケンスケの顔が凍り付く。
「アンタの顔、私見たことないのよねぇ。」
「あ、あの・・同じクラスの相田だけど・・。」
恐る恐ると言った感じでケンスケが言う。
「そんなのいたっけ?。」
再び凍り付くケンスケ。
ケンスケはゲートの隅に行くと体育座りでいじけはじめた。
「いーんだいーんだ。どうせ俺はいらないキャラなんだ。」
いじけるケンスケの周りにはどんよりとした空気が澱んでいた。
さすがに気の毒に思ったのか、マナは謝罪の言葉を述べるために
ケンスケに近づいていった。
「ごめんごめん、私も言い過ぎたわ相田君。ちゃんと覚えてるわよ(名前だけね)。」
「ホントに?。」
体育座りから顔を上げ、マナを見つめるケンスケ。
「ホントよ。だからいじけないで。」
「う、うん・・。」
どうにかケンスケは立ち直った。
これから起こる悲劇も知らずに・・
「ところで何でその相田君がここにいる訳?」
「あれ?聞いてない?俺がエヴァ3号機のパイロットなんだ。」
「う、うそ・・。」
今度はマナが凍り付いた。
「嘘でしょ?。」
「いや、ホントなんだけど・・。」
ケンスケがそう言った直後、マナの悲鳴が辺りに響いた。
「イヤァアアアアアアアアアアアアアアアアア!。」
「どうしたのマナ?。」
その悲鳴にさすがのシンジも気づいたらしくケンスケから守るようにマナに駆け寄った。
「ケンスケ、マナに何をしたんだ。」
「い、いや・・俺はまだ何も・・。」
ケンスケはシンジの体からハッせられる怒りのオーラにうろたえていた。
「マナ、大丈夫・しっかりして。」
アスカはマナの体を支えるようにして優しく彼女を励ましていた。
「イヤイヤイヤ。」
しかし、マナは両耳を両手で塞いだまま、アスカの言葉に耳を貸そうとはしない。
「マナ!。」
ビクッ
そんなマナにアスカの喝が飛ぶと、
次の瞬間マナは正気に戻った。
「どうしたの一体、何があったの?。」
再び優しくアスカはマナに問いかけた。
「・・・だって・・・。」
「だって?。」
「相田が・・。」
マナの言葉を聞いたシンジの怒りのオーラがより強さを増した。
「ケ〜ン〜ス〜ケ〜!。」
ビクッ
ケンスケは只々シンジの殺気に脅えるばかりであった。
「相田が?。」
アスカはマナを落ち着かせるため、マナの台詞を復唱する。
「相田が
・・・・3号機のパイロットだって・・。」
「へ?。」
マナの吐いた言葉に間の抜けた声を出すアスカ。
「ま、マナ・・・たったそれだけの事であんな悲鳴を上げたの?」
「だって仕方ないじゃない・・あの眼鏡チビが3号機のパイロットだっていうのよ。」
(グサッ)
その時シンジの気に気圧されていたケンスケの胸に
衝撃が走った。
「あんな見るからにストーカーやってますよといった感じの奴がよ。」
(グサリ)
先ほどより深く、ケンスケの胸に衝撃が突き刺さった。
「そんな奴と一緒に仕事すると思ったら悲鳴ぐらいでるわよ。」
ドサッ
その一言でケンスケはあえなく崩れ去った。
シンジは崩れ去った親友を哀れむようにその場に立ちつくしていた。
哀れケンスケ(涙)
「ちょっと!もう少しはじっこ歩きなさいよ!。」
停電したネルフ、一同はとりあえず発令所へ向かう事を決めた。
そしてその道中。
何十回目かに相当するケンスケにマナの檄がとんだ。
「分かってますよ・・どうせ俺は脇役さ・・(涙)。」
「こっちも見るな!。」
マナのケンスケへの嫌悪感は異常とも言えるモノだった。
「真っ暗だね。」
ポツリとシンジが呟く。
電気の消えたネルフ内、当然真っ暗になってしまう道もある。
「ここはバラバラで進むと危険ね。
みんなで固まって行きましょ。」
そう提案したアスカに対し、
「イヤよ。あんな奴と一緒に行動するなんて。」
案の定マナは強い抵抗を見せた。
だが、シンジはマナの返答を予想していたらしく。
「じゃあ、仕方がないね。マナは1人で行動してね♪。」
「え!?。」
「だって、マナはケンスケと一緒に行動したくないんでしょ。」
「う〜・・・分かったわよ。でも相田!私に触ったりしたら死刑だからね。」
シンジの発言にマナは渋々ながら承諾をした。
「ホントに前見えないわね〜。」
「うん。アスカそこ段差だから気をつけて。」
「ありがとシンジ。」チュッ
「ちょっとアスカ。誰にキスしてるのよ。」
「ゲッ、マナだったの? おえ〜。」
「あ・・シンジ・・そんな・・こんなとこで・・アスカもいるのに・。」
「え?僕何もしてないけど?。」
「あ、悪い霧島。俺だ。」
バコッ(死)
犠牲者を一名だしながらもどうにか一同は
扉を開け、暗闇を抜け出すことに成功した。
「ふぅ、やっと抜け出せたわね。」
「ホント、偉い目に遭ったわ。アスカにキスされるなんて。」
「それはこっちの台詞よ。」
アスカとマナが言い争いをしていると、
突如として、日向マコトの声が四人の耳に入ってきた。
「使徒、接近中。使徒、接近中!。」
「使徒?。」
マナが声のした方向を見ると、選挙カーに乗った日向マコトが
自分たちの上を走っていくのが見えた。
「まずい、急がないと。」
「でもシンジどうするのよ。ここから発令所まではまだ相当あるわよ。」
「ダクトを破壊する。」
「はぁ?。」
アスカはシンジの言葉に半ば呆れていた。
「ダクトを破壊すればこの下にある発令所まではすぐだからね。」
「そりゃそうだけど・・。」
「ケンスケ手伝って。」
「お、おう。」
シンジはケンスケの助けを借り、近くにあったダクトを破壊した。
「こ、この中に入るの?。」
と、マナ。
何やらイヤそうなのはそのダクトが
真っ暗な上、人1人が這ってやっと通れるような幅しかなかったからだ。
「そうだよ、マナ。さ、急いで。」
「し、仕方ないわね・・。」
シンジに促され、いやいやながらもマナはダクトへと入っていった。
「じゃあ、次ケンスケ。」
「ちょ、ちょっと待ってよ。」
ダクトに先に入ったマナが抗議の声を上げる。
「暗いダクトで何されるかもわからないのに。」
「大丈夫だよマナ。少しはケンスケを信用してよ。」
「イヤよ。」
「しょうがないな・・じゃあ、アスカ先行って。その後から
僕とケンスケが行くから。」
「分かったわ。」
と、アスカ。
そして、四人はダクトの中へと入っていった。
「うわー、狭いわねぇ。それになんだか臭いし。」
「仕方ないよ。こんな所、普段人が通るように出来てないんだから。」
マナの愚痴にシンジが答えた。
だが、その間でアスカが不満そうな顔をしていることにシンジは気づいていなかった。
自分を挟んで話をされたことが癇にさわったようである。
ふと、不満顔だったアスカの顔が何か悪戯を思いついたような子供の顔になり、
先へ進むことをやめ、動きを止める。
結果
ポムッ
シンジの顔に柔らかいモノが・・
「あ、アスカ。突然とまらないでよ。」
「とか言ってシンジ、ホントは嬉しいんでしょ。」
シンジの顔にはアスカのお尻が当てられていた。
「う、嬉しくなんて・・・。」
そう言いながらもシンジは少し嬉しそうだった。
が、
「シンジ。早く進めって。」
そのシンジにとって幸せな時間もケンスケの一言により、すぐに中断されてしまった。
「もう、ホントに眼鏡は邪魔なんだから。
シンジ、また今度ゆっくり触らせてあげるからね。」
「う、うん。」
ケンスケの耳には前を行く二人の会話が強制的に入ってきていた。
くそ〜・・何で俺だけこんな目に遭わなきゃいけないんだ。
エヴァのパイロットなんてやっぱなるんじゃなかった。
そう思うケンスケの両目には涙が光っていた。
「何?これ。」
先を行く、マナの前には下へと続く縦穴が。
「下に発令所があるんだから下に向かうのは当然でしょ。」
「でも・・そこが見えないわよ。」
「うだうだ言ってないで早く行きなさいってば。そりゃ!」
そう言うなりアスカはその縦穴にマナを突き落とした。
ア〜ス〜〜カ〜〜う〜〜〜む〜〜〜わ〜〜〜〜〜〜〜よ〜〜〜〜〜〜〜〜ーーーー
ドップラー効果でマナの声が段々と遠ざかっていくのが分かる。
「ね、ねぇアスカ?この縦穴実は結構深いんじゃ。」
「だ、大丈夫よきっと・・・マナなら・・。」
凄い偏見である。
「僕たちはどうする?。やっぱりこっから発令所に行く。」
シンジが思案に暮れていると後ろのケンスケから声がかかった。
「こっちなんか滑り台みたいになってるけど。」
「え!?。ホント。」
シンジは無理矢理体の向きを変え、ケンスケの方へ、
「ホントだ・・さっき気づかずに通り過ぎちゃったんだね。
でも、こっから行けそうだ。」
「おう、じゃあ。俺先に行くから。」
「うん。」
そう言うなりケンスケはその中へ体を踊らせた。
続いてシンジ、アスカとその中へ入っていった。
「ヒャッホー!。」
「・・・・・・・・・。」
「イエーー!!!!。」
思い思いに
滑り台の様になっているダクトを下っていく3人。
だが、調子に乗っていたのも束の間、
突如ケンスケの前に壁が・・
「ゲッ・・止〜ま〜れ〜〜〜〜・・・・って止まらねぇええええええええ!」
必死でブレーキをかけたケンスケだったが、今までついた勢いは止まらず、
そのまま壁に激突、
ドゴッ
そのまま壁を突き破った・・
しかし、なんと都合のいいことに壁を破ったその先は・・・・発令所だった。
「ヤッター・・ついたぞぉ!。」
叫び声をあげるケンスケ。
だが、
ダクトは通常天上を走っているモノなので
そこから現れたケンスケは・・
・・・
落ちた。
ドスン!
お尻を床に思いっきりぶつけたケンスケ。
そのままケンスケはしばらくその場でのたうち回っていたが・・
彼の悲劇はここで終わらなかった。
その上からシンジが・・・・
「ケンスケ、危ない!。」
シンジが警告を発するもの物の時すでに遅く。
ドゴッ
大きな音を立ててケンスケのおなかにシンジの足の裏が突き刺さった。
さらに。
「キャー。」
悲鳴を上げながら落ちてくるアスカ。
ドスン!
普通死ぬな(^^;
「あれ・何だ。真っ暗だ・・。」
ムニュ
手を動かしたシンジの手に何やら柔らかいモノが触れる。
「なんだろこれ。」
次にシンジがふれた場所は何やら湿った場所。
しかも・布のような感触・・・
プニプニプニ
しかも
シンジが触れれば触れるほど、不思議とその場所は湿り気を帯びて行く・・・・
「ここはもしかして・・。」
シンジが触っているその場所に思いあたったときだった、
突然後ろから声をかけられた。
「ちょっとシンジ。みんな見てるわよ。」
「え!?。」
マナの声に体を起こすシンジ。
すると目の前にはアスカの姿が・・
しかも息もあがり顔はほのかに上気している・・・・・・
って・もしかして・・
カァー
シンジの顔は見る見るうちに真っ赤に染まって行く。
みんなの前で自分がアスカのどこを触っていたのか理解したようだ。
「シンジ。仲のいいのは分かるけどみんなの前でヤるのだけはやめてくれる?。」
「わ、わかってるよ。」
マナの冷やかしに内心ビクビクしながら答えるシンジ。
「シンジぃ。途中でやめちゃやぁ。」
アスカは息も絶え絶えだった(^^;。
「ところでマナ?良く無事だったね。」
あんな高いところから落ちてよく、平気だなぁと
思いながらシンジはマナに聞いた。
「え?、そ、そのことは・・聞かないで。」
マナはそう言うと顔をほのかに赤らめてうつむいた。
「え?どうして。」
「シンちゃ〜ん。女の子にはね時にはヒミツにしておきたいことだってあるのよ。」
「ミサトさん。」
シンジが上を見上げるとそこにはミサトの姿があった。
「ハロー。」
それに応じるようにミサトは手を振った。
「ミサト、言ったら殺すわよ。」
「わかってるわよ。間違ってもマナがダストボックスに落ちてきたって
言わないから。」
(み、ミサトさん・・言ってるよ。)
シンジは内心そう思っていた。
「ミ〜サ〜ト〜〜!。」
マナの鬼の形相に思わず逃げ腰になるミサト。
「し、シンジ君、じゃ、エヴァに乗って。」
「え?でも電気もないんじゃ。」
「大丈夫よ。準備できてるわ。
碇指令が中心になって準備したのよ。そ、それじゃあね。」
急いでそう言い残すとミサトは逃げるようにその場を去って行く。
マナが大きなテーブルを投げようとしているのが目に入ったからだ。
「チッ!。」
シンジにも聞こえるほどの舌打ちを鳴らすマナ。
「あ、あの・・マナ?。」
「何?シンジ。」
「あの・・でもよかったね助かって。」
「全然良くないわよ。ダストボックスよダストボックス。
ミサトのビールの缶とか、リツコのネコ缶とか、いっぱい捨ててあるところに落ちたのよ。」
「・・・・・・・それよりマナ。その机重くない?。」
「え?。」
シンジに言われマナは自分が大きな机を持っている事に気づいたようだ。
当然通常の女の子の力ではそれを支え続けることは不可能だった。
「ちょ、ちょっとぉシンジ助けてぇ。」
ぐらぐら揺れる机。
「でも、マナ。そんなに机を揺らしたら危なくて近づけないよ。」
「早くぅ!・・私・・もう・・ダメぇえ!。」
マナが机につぶされそうになったとき、
マナは急に支えている机の重さが軽くなるのを感じた。
「ありがと、シン・・・。」
当然シンジが助けてくれたのと思い、礼を言おうとするマナ。
だが、、そのシンジはマナの目の前にいた・・
と、言うことは?
恐る恐るマナが振り向くとそこには、
「大丈夫か?霧島。」
自分と一緒に机を支えるケンスケの姿が・・・
「イヤァアアアアア、近づくなって!言ったでしょ!。」
ドゴッ!
哀れケンスケ。
マナの一撃を喰らい、一瞬力の抜けるケンスケ。
しかもマナが机の下から脱出したものだから。
ズドン!
ケンスケ1人、机の下敷きにされてしまった。
「俺ってこればっか・・。」
机につぶされているケンスケの目には涙が光っていた。
「ほらケンスケ。いつまでも寝てないでさっさとエヴァに乗らなくちゃ。」
(シンジまで・・・・・・。)
ケンスケの両目からは涙の途切れることが無かった(^^;
どうにか机の下から抜け出し、プラグスーツを着て、
3号機の前までやってきたケンスケ。
だが、ここで決定的な問題が浮上した。
「俺って・・マユちゃんに嫌われている見たいだしな・・。」
そう。ケンスケは3号機に取り込まれているマユミに前回のテストで見事に
拒否され、暴走してしまったのだった。
「今度は大丈夫よ、相田君。」
「赤城博士・・。」
ケージで3号機を見つめたまま動かないケンスケを見かねて
発令棟のリツコから声がかかった。
「今度は暴走しないわ。」
「え・でも・・。」
「大丈夫、ちゃんとシンジ君とアスカが説得してくれたから。」
「そ・・そうですよね・・・・。」
(どうせ俺なんて・・・・)
ケンスケはそう思うと、うつむきながら3号機のエントリープラグへと入っていった。
「では、エヴァ発進!。」
電気の無い、真っ暗な中、
どうにかエヴァに乗り込んだ四人はミサトの号令を受け、
歩いて、使徒殲滅へと向かった。
「もう何でエヴァに乗ってまでこんな狭い道を通らなくちゃいけないのよ。」
「仕方ないよ、普通リフトも電気で動いてるんだから。」
「それにしてもかっこわるいわねぇ。」
文句を言いながらもマナは匍匐(ほふく)前進でエヴァを進めていく。
シンジもそれに続くモノの、どうも後ろの元気のないケンスケの様子が
気になるようだ。
「大丈夫?ケンスケ。」
「心配するなよシンジ。どうせ俺なんて期待されてないんだから。」
それだけで、二人の会話は終了した。
「縦穴に出たわ。」
先頭を進む弐号機は縦穴に出ると、そこを登り始めた。
続いて初号機、3号機と進む。
「それにしても格好悪いわねぇ・。」
ぼやきながらもマナは順調に上っていく。
と、突然マナの視界に奇妙な物体が飛び込んできた。
「何?これ・・。」
マナが確認する間もなく、それは弐号機を見る見るうちに高熱で溶かして行く。
「キャァアアア。」
そのあまりの熱さに悲鳴を上げ、マナはつい自分を支えている手を離してしまった。
「え?。」
アスカといつものように甘い会話を楽しんでいたシンジは
、上から落ちてくる弐号機へと対処が一瞬遅れ、
弐号機を支えることも出来ずにそのまま一緒になって落ちて行く・・
だが、1人冷静に状況を確認していたケンスケ、
「クッソォオオオオオオオオ!。」
気合いを入れると。
ガシッ
上から落ちてくる初号機と弐号機を必死で支えた。
しかしそれは生半可な重みではなかった、当然3号機には大きな不可がかかり、
ケンスケの表情もそれに応じてゆがむ、
「ケンスケ!。」
「相田・・。」
シンジとマナはその様子を心配そうに見つめていた。
そして、3号機ケンスケの活躍でどうにか上から落ちてきた2体は、
下まで落ちず、元の横穴へと隠れることが出来た。
だが、三体がもつれた拍子で三体の所持していたパレットガンが皆、下へと落ちてしまった。
3人が隠れている間も使徒の放つ溶解液は下へ下へと落ちて行く。
「どうする?。」
ここから使徒を殲滅するには下にあるパレットガンで使徒を攻撃するしか
方法がないのはシンジにも分かっていた。
だが、肝心のパレットガンは遙か下に・・これではパレットガンを取りに行く前に
使徒の溶解液にやられてしまう。
「私に考えがあるの。」
そう口を開いたのはシンジと一緒に搭乗しているアスカだった。
「まず、三体が分かれてオフェンス、ディフェンス、補助を担当。
ディフェンスは溶解液から他の2体を守り、補助がパレットガンをとったら
オフェンスにそれを渡して使徒を殲滅。」
「でも、それじゃディフェンスが危険すぎる。」
「俺がやるよ。」
「「「え?。」」」
「ケンスケ・・。」
「相田・・・。」
シンジとマナはそれぞれケンスケに向かって声をかけた。
「じゃあ、マナがオフェンス、私とシンジが補助をやるわ。良いわね。」
一同は軽く頷いた。
そして、
作戦がスタートした。
まず3号機が飛びだし、縦穴に水平になるようにその身をおいた。
これなら下へ行く溶解液を多少なりとも防ぐことが出来る。
続いて初号機、弐号機と飛び出した。
「クッ・・・。」
通常”痛み”という感覚はパイロットのケンスケのみに届き、
ケンスケと3号機のインターフェイスをしているマユミには影響はない。
「大丈夫?。」
ケンスケを嫌っていたマユミもこの時ばかりは心配そうに
声をかける。
「大丈夫さ、これくらい。」
苦痛に顔をゆがめながらもケンスケは、必死で笑顔を作りマユミにそう答えた。
その時、下へ降りた初号機がパレットガンを手に取った。
「マナ!受け取って!。」
そう言いながらシンジはパレットガンを、縦穴に対し水平に体勢を取っている
弐号機へと投げた。
そして、弐号機はそれを見事にキャッチ。
「相田!避けないと撃つわよ!。」
マナの声にケンスケは必死に体を反らせる、
と、そこへ丁度パレットガンの銃線が通っていった。
そして、それは使徒の体を見事に突き破った。
ドゴォオオオオオオオン!!!!
大爆発を起こし、使徒は殲滅された
しかし次の瞬間、その爆風が縦穴で体を支えている3号機と弐号機を襲った。
「グワッ!。」
「キャー。」
爆風にあおられ、2体は真っ逆様に縦穴を落ちて行く・・・
が、
ガシッ
その途中・・
3号機が例の横穴に手をかけ、落ちて行く弐号機ごとその体を支えた・・・・
「大丈夫か・・霧島。」
「ばか・・それはこっちの台詞よ・・。」
二人はお互いの顔を見ながらそう声を掛け合った。
その後
「あいたたたたたたたた。霧島!もう少し優しく手当できないのかよ。」
「うっさいわね。せっかくこの私が手当をしてあげてるっていうのに文句を言う気?。」
ここ医療所では使徒の高熱溶解液を背中に浴び、水膨れになっているケンスケの
背中を治療するマナの姿があった。
通常、エヴァの受けたダメージはパイロットには作用しないモノの、
高熱によるダメージだけは肉体にやけどに似た影響をおよぼす。
「あーら、マナ。さっきまであんなにケンスケの事嫌ってたのに・・どういう風の吹き回しかしら?。」
と、なかなか雰囲気のいい二人のとこへ当然の如くシンジ達お邪魔虫が・・
「う、うっさいわね。これは単に借りを返しているだけよ。」
「へーそれにしてはケンスケ。なんか幸せそうな顔してるけど?。」
「え?。」
アスカに言われマナはケンスケの方をみる。
と、瞬間、二人の目と目があい、軽く頬を染める・・・
「ば、バカ言わないでよ!。誰がこんな奴に!。」
すぐに正気に戻ったマナが声を張り上げる。
「ケンスケ、アンタもいつもでも寝てないでさっさと起きなさい!。」
そう言いながらマナは照れ隠しの為かケンスケの背中を軽く叩く。
「イッテェエエエエエエエエエエ。」
ケンスケはネルフ中に響くのではないかと思われるような悲鳴をあげた。
こうして使徒『マトリエル』の襲来により、
マナとケンスケの仲も落ち着きを見せ、
そして、3号機のマユミもこれを期にケンスケを拒否することはなくなったという・・
どもども、こんばんわ。ぼく、ドラえぽんです。
ベファナさん、第9話ありがとうございます。\( ^ 0 ^ )/わーい
そ、それにしても、くっくっくっくっく。ひー、おかちー。(
T - T )どんどんどん
マナちゃんむちゃくちゃいいますね。哀れケンスケ.....。アスカ様とシンジ君にも当てられまくってるし。(笑)
それにしても、パイロットになっただけでマナを精神崩壊寸前まで追いつめるケンスケもすごいな。(
^_^;)
マナを容赦なく縦穴にたたき落とすアスカ様も面白いです。マナちゃんゴミなのね。(爆)
>「大丈夫?ケンスケ。」
>「心配するなよシンジ。どうせ俺なんて期待されてないんだから。」
>それだけで、二人の会話は終了した。
ぎゃははは。 .....友達って何だろう。(激爆)
しかし、ここまでされてもケンスケ男じゃないですか。溶解液の盾になりそして対マナマグマダイバー。
うーん、さすがのマナちゃんも心を動かされましたね。やるねえ、ケンスケ。(
^ - ^ )
さあ、今回も思いっきり笑わせてくれたベファナさんに感想を書いて続きを書いて貰うのだー!!\(
^ 0 ^ )おう
次回ラブラブになるかギャグになるかシリアスになるかはあなたのメールで決まるかもしれません。(ニヤリ)
ベファナさんへの感想はここです。
または簡単感想用掲示板へどうぞ。
◎感想用フォームです。2,3行の感想でも作者さんは嬉しかったりするのだ。