エヴァンゲリオンAS

その伍

作:ベファナさん

 

 

 

 


「パターン青、使徒です。」

伊吹マヤが静かに告げる。

発令所中央モニターにはブルーの8面体の使徒の姿が映し出されていた。

「そう、初号機は?。」

「両パイロットは今現在、新婚旅行の真っ最中です。」

「そ、そうだったわね。」

聞いた自分がバカだった、作戦部長葛城ミサトはそう後悔していた。

「と、言うことは弐号機に出陣して貰うしかないわね。
リツコ、修理はホントに完了してるんでしょうね。」

「もちろんよ、指令には10ヶ月と伝えてあるけど、実際は修理に1ヶ月もかからなかったわ。
その方が給料が長くでるから10ヶ月と伝えたまでよ。」

そう、すかさず答える技術部主任、赤城リツコ。
だが、何かが間違っている・・

「(それってから出張?・・・ちょっち・・・違うか・・。)」

ミサトのつっこみも声には出されることはなかった。




「マナ、準備はいい?。」

「もっちろんよ。誰がネルフで最強か、今度こそ証明してあげるわ。」

エントリープラグ内にいるはずのマナにミサトが話しかけると
直ちに元気な声が帰ってきた。

どうやら前回「イスラフェル」にこれでもかと言うほどやられた記憶は
残っていないらしい。
その件に関して技術部主任に問い合わせてみたが、ニヤリと笑うだけで
解答を得ることは不可能であった。


「いい?マナ。使徒の力は未知数よ。
上に出たら距離を置いて。パレットガンを出すからそれで牽制するのよ。」

「はぁーい。」

マナの返事を聞いたミサトは直ちに弐号機に出撃命令を出す。

「それでは、EVA弐号機。発進!。」

まるでそれが自分の唯一の仕事であると言わんばかりに。





ミサトの号令と共に弐号機の足がリフトからはずされ、
地上へと向けて凄い勢いで射出される。

発令所からわずか3秒で地上までEVAを送り出す優れモノ。
技術部の自慢の一品のひとつである。





だが






弐号機が地上へと射出されるわずか3秒の間に
使徒に異変が起ころうとは誰も予測したものはいなかった。



その異変に最初に気付いたのは伊吹マヤ。
決して遊んでいて発見が遅れたわけではない(^^;






「大変です。使徒を中心に高エネルギー反応。
目標は・・に、弐号機!。」


「何ですって!。」

それを聞いたミサトから悲鳴にも似た声があがる。

「マナ!避けて!。」


「ダメです!間に合いません!。」


いくら世界最高峰の技術力を誇るネルフの一員でも
わずか3秒では対処のしようがい。


使徒から収束した光の束が発射され・・・そして・・










 ゴンッ










鈍い音が発令所に鳴り響いた。











「ど、どうなったの?。」

思ったよりも少ない衝撃にとまどいの声のミサト。


その答えは直ちにマヤから告げられた。




「弐号機、・・・






沈黙






どうやら首を捻挫した模様。」





え!?

「ね、捻挫?・・・首を?。」

それを聞いた瞬間訳のわからなくなるミサト。

「・・・・・・ど、どういう事よ。使徒の攻撃が直撃したんじゃ捻挫ぐらいじゃ
すまないはずよ。」



「使徒の攻撃目標が弐号機ではなかったってことよ。」

淡々と話し始めるリツコ。
淡々と話すその口調は呆れているからだろうか・・・




「使徒が攻撃の目標に定めたのは弐号機の出るはずだったビル。
まぁ昔から臭いモノには蓋をしろという諺もあるし・・。」


「じゃ、じゃあ。」


「そう、高速リフトに立って乗ったまま弐号機は破壊されて、
機能しなくなった出口に激突。そのまま頭を打ち付けたってことね。
どちらにしろ、これ以上無様な負け方はないわ。」





リツコの声は弐号機内部で、かろうじて意識のある
マナにとどめを刺す結果となった。











「マァーナ!。」

首にギブスをはめ病院のベッドで横になっているマナに、
その場の雰囲気にはそぐわない元気な声で
たった今、待望の新婚旅行から帰宅したばかりのアスカが食事を運んできた。

「アンタまた負けたんだって?。」

「うっさいわね。次こそはアンタ達に目にモノみせてあげるわ。」

「はいはい、元気がいいのはわかったから。今はちゃんと安静にしときなさい。」

そう言ってアスカはマナの前に食事を並べはじめる。



「ねぇ、アスカ?ここのシュウマイが一個足りないみたいなんだけど。どうしたのかなぁ?」

その様子をじぃっと観察していたマナから疑問の声があがる。

「え!?、気のせいじゃないの?。」

マナの台詞にアスカは思わず冷や汗を隠せない。

「いいえ、気のせいじゃないわ。ここの病院のシュウマイの数は
4個って決まってるのよ。」

そう言うマナの声はどこか自信に満ちあふれている。
だけどちょっと悲しいのは何故だろう・・。

「い、いいじゃない、それぐらい。アンタ最近太ったみたいだから、
協力してあげたんじゃない。」

「だ、誰が太ったですってぇ?。」

「アンタよアンタ。」

「盗み食いしておきながら良くそんなことが言えるわね。」

「毒味してあげたのよ。感謝してほしいぐらいよ。」

アスカはここぞとばかりにマナを挑発する。
先ほどまで「安静にしてない」と言ってたのは誰だったのだろうか・・・






「ところでアスカ。あの使徒はどうするの?。」

大人しく食事をとりながら不意にマナが口を開く。

「う〜ん、詳しい事は知らないけど。今度の戦闘には
どっかの誰かの代わりにレイが出るみたいよ。」

「(まだ、言うか!。)」

マナはあえてその言葉を口には出さなかった。

「よく、レイが承諾したわね。」

「あぁ・・そのことね。結構碇指令も苦労したらしいわよ。」
















「いやよ!ぜぇーったいにイヤ!。何でこの私が
あの変態のいるゼロ号機に乗らなくちゃいけないのよ。」

「レイ!命令よ。」

相変わらずゼロ号機の搭乗を拒否するレイに向かって
ミサトの叱咤が飛ぶ。まぁ対して効果は見られないが。

「ミサトは私がどうなっても良いって言うの?。
もし、あの変態のいるエントリープラグの中に私が入って、
私に何かあったらミサトはどう責任取ってくれるのよ。」

「そんな事より、今は使徒の殲滅が先決なのよ。」

「酷い・・ミサトは私がどうなってんも良いって言うのね・・シクシク。」

思わず涙を流すレイ。
しかし、どう見ても泣きまねにしか見えない・・・


呆れきったミサトがそばにいる碇指令に助けを求める。

「指令・・・いかがいたしましょう。」

すると碇ゲンドウは珍しく動いた。

「問題ない。今日は助けを呼んである。」

「(た、助けって・・・アンタ指令だろ・・・ネルフで一番偉いんじゃないのか)。」

ミサトは辛うじて、その言葉を出すのを押さえた。





「ユイ。入ってくれ。」



ビクッ!

その言葉に泣きまねをしているレイの方が反応する。


ゲンドウの言葉に促されるように、シンジとレイの母親。
そしてゲンドウの妻である碇ユイがその場に姿を表した。


レイの体は今、恐怖から小刻みに震えていた。


「レイ?。」

レイのそばに来たユイが、優しく語りかける。

しかし、レイからの返事はない。
恐怖から声が出ないのである。


「返事は?。」

静かにゆっくりと重圧をかけた声がレイに浴びせられる。

「はい!お母さん。」

すると、はじかれたように礼儀正しい声がレイから発せられる。
これには周りの一同は顔を見合わせてびっくりする。
只一人ゲンドウだけがニヤニヤ笑っている以外は・・。



「ゼロ号機に乗るわね?。」

「はい、お母さん。」

結局レイは碇ユイの一言でゼロ号機に乗ることが決まった。






「フッ・・すべてはシナリオ通りだ。」

サングラスの位置をなおしながら言うゲンドウ。

「(だったら、最初からやれよ!)」

またしてもミサトの思いは声に出されることはなかった。









ヤシマ作戦。
戦略自衛隊から押収した荷電粒子砲。それを用いてヤシマ山から
使徒をねらい打ちにしようという作戦。









「二人とも用意はいい?。」

「「いつでもOK(です)。」」

荷電粒子砲を構えている初号機のシンジとアスカから返事が上がる。
今、二人は結婚したばかりで幸せの絶頂にいる。
エントリープラグ内では相変わらずラブラブな状況が繰り返されていた。





「ミサト・・なんで私が盾なのよ。」

ゼロ号機に乗り込んでいるレイから文句が発せられる。

「あら、仕方がないでしょ。レイとゼロ号機は初陣なんですもの。
今回はより精度の高いオペレーションが必要なの。
戦闘の経験の差から言って、初号機が砲手を担当するのはあたりまえじゃない。」

「ぐっ・・・何も言えないところが悔しい・・。」

こみ上げる怒りをぐっと抑えるレイ。
だが、そんなレイを逆なでするようにゼロ号機のカヲルから声が・・

「レイ、君の心はガラスの様に繊細だね。」



ブチッ



その時、レイの中の・・・何かが一瞬でキレた。


相当カヲルの声がレイの心にきたらしい。



「ぐぉおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!。」


異様な叫び声をあげながらレイの駆るゼロ号機が立ち上がると、
そのままゼロ号機は一直線に使徒へとダッシュをかけた。






「どうしたの?。」

ミサトが叫ぶ。


「まさか・・。」

同じくディスプレイを見ていたリツコが信じられないと言った表情で口を開く。

「暴走!?。」




暴走を始めたゼロ号機にもう一つ不幸が降りかかった。


「使徒の周りに高エネルギー反応!。」

「なんでこんな時に・・。」

マヤの報告を受けたミサトの表情は苦渋に満ちていた。






「来ます!。」






プシュゥー!!!!!

マヤが言った直後。

その音共に使徒から収束した光の束がゼロ号機を襲う。


だが、その光の束はゼロ号機に届く前に
その手に持つ盾にはじかれた。




「レイ!。」

盾越しとは言え光の束の直撃を受けたレイの身を案じてミサトが声を出す。
普段喧嘩はするものの、相手の事を何より気遣っているミサトであった。





だが、ミサトの心配をよそに。
ゼロ号機は無傷、尚も前進を続けていた。





呆気にとられるミサトにリツコが声をかけた。

「大丈夫よ。あの盾はあの使徒の攻撃にも17秒は耐えるわ。」

「17秒?。」

「そう、あのまま使徒の元へとたどり着くには十分な時間ね。」

そう言いながらもリツコの手に思わず力が入る。

ミサトも黙って目の前のスクリーンに集中した。










スクリーンには使徒の攻撃に逆らって走るゼロ号機の姿が、

そして・・





ジャンプ!




そしてゼロ号機は足を振り上げ・・・・








 バコッ


見事なまでのかかと落としを8面体の使徒に喰らわせた。

その衝撃で使徒の側面はあえなく砕かれ・・

殲滅された。







「よ、良くやったと誉めるべきなのかしら?。」

「さぁ、あなたの判断に任せるわ。」

結果良ければすべて良し、結局ヤシマ作戦に費やされた莫大な予算は
無駄に終わった。

後日、作戦部長である葛城ミサトはこの作戦の責任を
取らされることとなった。






「フッ・・すべてはシナリオ通りだ。」

「碇・・・・本当か?本当にシナリオ通りなのか?。」

「問題ない。」

司令室では相変わらずの冬月とゲンドウの姿があった。






さて、そのころシンジとアスカの二人はどうしているかというと・・。


「ねぇ、シンジぃ。私がお願いしたからゼロ号機が暴走したんだよ。」

「うん、ありがと。アスカ。」チュッ!


その後二人は口づけを交わすと、エントリープラグ内でしっかり抱きしめあった。


周りの状況など二人にとっては関係のないことであるようだった。







尚、






使徒を倒したゼロ号機は、未だレイの悲鳴と共に、暴走を続けている事をお忘れなく。




 「イィヤァアアアアア!!!!!!!!!・・・・・・・・・・・・・・・・






<その5 完>

 

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どもども、こんばんわ。ぼく、ドラえぽんです。

ベファナさん、投稿ありがとうございますー。\( ^ 0 ^ )わーい、ふっかつー

「エヴァンゲリオンAS」が復活しました。嬉しい事にまだ終わってなかったのだー!!!
うう、このときをどんなに待ちわびたか...。( T - T )ういーひっく

それにしても、リツコさん。から出張、イヤから修理をやっていたとは...。(笑)ゲンドウ、気づけよ。
しかも、マナは一体何をされたんでしょう?今、流行のマインドコントロールでしょうか。でも、無駄だったのね。(爆)リツコさん、怪しすぎるッス。

ヘボなマナちゃんとマッドなリツコさんはおいといて(爆)アスカ様ー!!!!
つまみ食いなんて可愛いなー。( ^ - ^ )

そして、レイ姉さん。そんなにユイ母さんが恐ろしいのでしょうか?一体なにされたんだろう。想像すると何か怖いな....。あの家族だからな。(笑)
何か、エヴァの暴走っていうよりレイの暴走だったような....。恐るべしカヲル君。( ^ - ^;)

そしてラスト。アスカ様お願いって...。ホントですか?(笑) でも、ラブラブなのでオッケーなのだー!\(●> _ <●)/うひょう

さあ、楽しい作品を書いてくれたベファナさんに感想を書くのだー!!感想を書くと次回作の期待大ですぜ。げへへ

 

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