エヴァンゲリオンAS

その四

後編

作:ベファナさん

 

 

 

「準備はいい?。」

「「はい。」」

管制室に設置されているスピーカからシンジとアスカの元気な
声が響く。

耐熱防御のため潜水服のような物を着せられている初号機は
すでに浅間山火口上空に、大型のクレーンで吊り下げられている。

今回は使徒捕獲が目的のため、初号機の装備は腰に装着されている
プログレフナイフのみ、初号機は使徒捕獲用の電磁柵を持ったまま
火口へと突入する。


「マヤ、初号機の火口突入を開始して。」

「はい。・・初号機の火口突入始めます。」

リツコの指示でオペレーター伊吹マヤが操作を開始。
直ちに初号機を吊り下げているクレーンが動き、初号機を火口へと
招き入れる。

「どうなのリツコ。今回の作戦は。」

「問題ないわ。使徒はまだ孵化する幼体のまま。
つまり無力な状態よ。」

「なら、いいんだけど。」

「何を心配しているの?。」

「いえ、・ただ・・。」

「何?。」

「ただ・・胸騒ぎがするのよ。」

「ミサト・・あなたらしくもない・・。」

「初号機溶岩内に入ります。」

そこでマヤから声があがる。
ミサトとリツコの会話もそこで途切れることとなった。



「ジャイアントストロークエントリー。」

「アスカ、遊びじゃないんだよ。」

初号機内ではしゃいでいるアスカをシンジが後ろからたしなめる。

「はーい。」

アスカも渋々返事をする。


「ミサトさん。使徒はどこですか。」

そんなアスカとは対照的にシンジは冷静に発令所に指示を仰ぐ。

「そのまま下降を続けて。じきに見えるはずよ。」

「はい。」




「シンジ君冷静ね。」

シンジの声を聞いていたリツコがミサトに話しかける。

「そりゃあそうよ。今回の作戦は未体験の領域。
何にせよ危険が多すぎるもの。シンジ君だってアスカを死なせるような
事はしたくないはず。」

「初号機、次期に使徒と接触します。」

再び、マヤの声で二人の会話が途切れる。




「あれか・・。」

使徒の姿を確認したシンジが声を上げる。
使徒はさなぎの様な物に包まれており、こちらを攻撃してくる
気配はない。

安全を確認したシンジは発令所に言った。

「発令所。使徒を発見しました。これより捕獲に入ります。」


シンジの操作で初号機が使徒捕獲動作へと入る。
電磁柵を使徒へと向ける。

「使徒まであと60m・・・50m・・・40m・・・・。」

冷静に事を見つめるシンジ。

「30m・・20m・・・・・10・・・・・。」



ガコン!

初号機と使徒が接触。
使徒捕獲用のかごが使徒を飲み込むと同時に閉められる。


「発令所へ、こちらシンジ。使徒の捕獲に成功しました。
これより浮上します。」




シンジの言葉で作戦を指示していたミサトとリツコは一安心し、
額に吹き出ていた汗を拭う。

「了解、マヤ。初号機を・。」

戻して・・そのリツコの言葉は最後まで出されなかった。
再び聞こえたシンジの声に中断されたのである。


「発令所へ!・・・使徒が柵の中で暴れ出しました!。」



「何なの?。」

声を上げたのはミサト、状況をつかみ損ねている。

「そんな・・使徒が羽化するには早すぎるわ・・。」

リツコはそこまで考えるとある結論に達した。

「まさか、擬態!?。。無力な状態を装って獲物を誘ってたって訳?」

「捕獲用のかごでは持ちません、破られます!。」

マヤの悲鳴にも似た声が挙がる。

「地上までは?。」

「ダメです・・・間に合いません!。」

「シンジ君に使徒を至急切り離すように言って。」




「了解!?直ちに使徒を切り離します。」

指示通りに捕獲した使徒を切り離すシンジ。
だが、使徒はすでにその体を包み込んでいたさなぎから
出てこようとしていた。


「アスカ・・怖い?。」

シンジが優しく声をかける。

「ううん・・・シンジが一緒にいてくれるから大丈夫。」

「そう・・もう少しで外に出られるからね。」

「うん。」


・・・    ・  ・      ・



ガコンッ!


「何?。」

突然の初号機を揺らす衝撃にアスカが声を上げる。
しかし、シンジは落ち着いて対処する。

「落ち着いてアスカ。・・・使徒だ。」

シンジの言うとおり、使徒が上へ上ろうとしている初号機に
攻撃を仕掛けていた。




「使徒が攻撃を!?・・初号機の武器は?。」

「接近戦用のプログナイフのみです。」

ミサトの声にマヤが反応した。




「また、逃げられた。」

シンジの声からは焦りが読みとれる。

使徒が初号機に突撃してくるたびに、プログレフナイフを
振り回す初号機。だが、マグマの中を自由自在に動き回る
使徒はそれを華麗によけ、初号機への攻撃を繰り返していた。

「シンジぃ・・。」

アスカが心配そうな声を上げる。
するとシンジもすぐに冷静さを取り戻した。

「ごめんアスカ。ちょっと焦ってたみたいだ。
大丈夫、ちゃんと帰れるよ。」

シンジとアスカが話している間にも使徒が、再度突入を仕掛けてくる。
今度の使徒はその口を開いていた。

「口ぃいいい!。」

コレに悲鳴を上げたのはアスカ。
だが、シンジがそれに冷静に対処。

「僕ら獲物が弱ってると判断して、とどめを刺すつもりらしい。
でも、使徒が近づいてくるんならチャンスだ。」


ガキッ!!!

使徒が初号機を包んでいる耐熱防護服に食らいつく。


「こんのぉおお!!!!!!!。」

シンジが気合いとともに握りしめていたプログレフナイフで
使徒を攻撃する。

だが、
ガキン!
プログレフナイフは使徒の表面ではじき返される。

再びナイフを降りろすが結果は同じであった。



「何で刺さらないのよ!。」

焦りの見えるミサトが声を上げる。

「高温高圧、これだけの極限状態に耐えているんですもの。
プログナイフじゃダメだわ。」

「じゃあ、どうすればいいのよ!。」

それに答えたのはリツコ。だが、彼女にも今の状況下における
打開策は思いつかないようだった。
が、エントリープラグ内にいるこの二人は違った。


「「そうだ!。」」

その瞬間、二人の声が重なる。

「「この間のあれ!。」」



シンジとアスカはこの間の熱膨張に関する出来事を思い出していた。

「ねぇ、シンジ知ってる?物質というのは、高い温度の場所にあるものを、急激に冷やすと原子の結合が緩くなって
柔らかくなっちゃうのよ。ってことはシンジのコレも冷たくすると柔らかくなっちゃうのかな。」

「わ、わかんないよ。」

アスカの言葉に何故か赤面するシンジ。

「シンジって、か〜わいい♪。ねぇ、試しにやってみようか。」

「恥ずかしいからそんなことやめてよ。」

「い〜や〜だ!。それっ!。」パクッ

何かをくわえ込むアスカ。・・・・一体何を(^^;

「私の口の中で冷やしてあげるわね。」






「ホントに柔らかくなっちゃったね。」

「ねぇ、アスカ・・これってちょっと違うんじゃない?。」









初号機は背中についている冷却用のホースをむしりとると
使徒の口の中へと押し込んだ。


ピーピーピーピー

発令所には警報が鳴り響く。

「どうしたの?。」

「冷却用のホースが破損した模様。」

「まさか使徒が?。」

「いえ・・。」

まさか・・マヤの声は途中で途切れた、
シンジが二人の会話に入り込んできたためである。

「冷却液の圧力を全部三番に回してください!早く!。」



「そうか!熱膨張!。マヤ急いで!」

「はい!。」

直ちに三番にすべての冷却液の圧力がかけられる。


すると使徒の体に亀裂が走る。

((いける!))

そう判断した二人は直ちにプログナイフを全力で
使徒に振り下ろした。

「「こんちくしょぉおお!!!!!!。」」

二人の声がユニゾンする。


そして、振り下ろされたプログナイフは
見事使徒に突き刺ささり、使徒は初号機から離れて行く。


だが、その経過で使徒が初号機を吊しているワイヤーを切ってしまうという
ハプニングに見舞われてしまった。


「うそ・・・・。」

呆然と離れて行く地上を見上げるアスカ。
そんなアスカをシンジが後ろから抱きしめる。

「アスカ・・・・。」

二人は離れて行く地上をそのまま見つめていた。









不意にシンジが口を開く。

「アスカ・・・これでずぅっと一緒だね。」

「うん・・。」

それに答えるようにアスカが体をひねりシンジの方を向くと
最後の口づけを交わす。


二人はお互いだけは離すまいと、力の限り抱きしめあった。



そして初号機はそのまま重力に引かれ・・地球の中心へと向かってゆっくりと落ちていった。





だが、














その時・・










奇跡が起きた。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・










ドカァーーーーン!

 

 

大きな音をたて、圧力に耐えきれなくなった使徒が爆発した









「大変です!。」

管制室では使徒が爆発したことによってマヤが声を上げた。

「今度は何!。」

落下して行く初号機を救う手だてがないものかと
模索していたリツコの声には焦りがあった。

「いえ・・・大したことではないんですが・・・・。」

「早く言いなさい!。」

煮え切らない態度のマヤにリツコの檄が飛ぶ。

「はい・・先ほども言ったとおり大したことではないんですが・・。
浅間山のマグマが・・急速に上昇をしています。」

「えっ!?」

寝耳に水をかけられたように驚くリツコ。

「そ、それって、浅間山が噴火する前兆じゃない!。
何ですぐに教えないのよ!。」

「だ、だって先輩がぁ・・グスッ!。」

「言い訳は後で聞くわ。すぐにここから逃げるわよ!。」

このとき管制室は浅間山の下に設置されていた。
つまり、浅間山が噴火したら自分たちに被害が及んでくるのだ。

ネルフ一行は必死の形相でその場を逃げだして行く。

その直後、

 

ドッカァアアーーーン!!!!!!!!

 

地球全体を揺らすかのように、ものすごい音が鳴り響かせ、
浅間山が噴火した・・


そして、噴火口からは初号機が吐き出され、
後日無事、ネルフによって救出された。

なお、見つかったときの二人は、ネルフの職員総出でも離れないほど
強くお互いのことを抱きしめあっていた。


その姿からは今にも二人の声が聞こえてきそうである・・


「「シンジ(アスカ)・・ずぅっと一緒だよ。」」


と、言う声が・・・





<その四 完>


あとがき

ちょっち、中途半端な終わり方だったかな?
今回は暴走する面もしばしば、たぶん続きを書くことはないでしょう。
(前もそんなこと言ってたな。)
感想くれたら嬉しいな♪
それでは これにて失礼します。

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どもども、こんばんわ。ぼく、ドラえぽんです。

ベファナさん、投稿ありがとうございますー。\( ^ 0 ^ )いつもありがとー

「エヴァンゲリオンAS」もついに今回で最終回。何か、感慨深いものがありますね。ベファナさんに連載してもらえると聞いたときはどんなに嬉しかったか...。( T - T )ううっ←思い出し泣き
しかも、予想以上ふたりのラブラブぶり。もう、転がりすぎて何回転したか覚えてません。(笑)
ベファナさん、本当にお疲れさまでした。また何かよろしくねー。(爆)\( > 0 < )

しかし、今回もすごかったですねー。

やっぱり今回は、熱膨張の回想シーンでしょう。(笑) おいおい、アスカ様それ間違ってるよ。と突っ込んだ方は多かったでしょう。
それって冷えたから柔らかくなったんじゃないんじゃ.....。(笑)
あの緊迫した戦闘シーンでのこの回想。うまいですねー。思わず、笑いましたよ。マジで

そして、ラストのワイヤーが切れたシーン。二人のお互いへの愛情が強く伝わってきて思わず引き込まれました。
二人は深い愛で繋がってるんですねー。 .........スーツの中でも繋がってたんでしょうか。←台無しセリフ(爆)
ぎゃー、ごめんなさいごめんなさい。でも、良かったですー。

さあ、LASにんの為のラブラブエヴァンゲリオンを書いてくれたベファナさんに感想を書こー!!\( > 0 < )おーっ
あなたの感想が次回作を産むかもしれませんよ。(ニヤリ)

 

ベファナさんへの感想はここです。

または簡単感想用掲示板へどうぞ。

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ここから是非感想を送るのだー。\(●> _ <●)おーっ

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