エヴァンゲリオンAS
その参
後編
作:ベファナさん
「ただいまぁ!。」
帰宅を知らせる声とともに聡明な美少女の姿が台所に現れる。
街を歩けば世の中の男のほとんどが振り返るのは請け合いである。
「あっ、お帰り。アスカ!。」
台所では屈託のない笑みそれにで答える美少年の姿が・・。
少年の持つ屈託のない笑みは、世の中の女性を虜にするのに十分な破壊力を秘めている。
二人は今、訳ありで同棲中である。
その訳とは一週間後に予定されている使徒殲滅のため、
二人の息を合わせるといったものなのだが・・
「うわっ!。」
驚いたシンジが拭いていた皿を危うく落としそうになる。
後ろから近づいてきたアスカがシンジに抱きついたのである。
「ちょっとアスカ。離れてよ。お皿拭けないじゃないか。」
「へへーん、それぐらい何とかしなさい。私はシンジとこうしていたいの。」
「もぉ、アスカは一緒に暮らしてからそればっかじゃないか。」
文句は言うもののシンジの顔は全然イヤそうではなかった。
「シンジだって寝るときは私を抱いて離さないじゃない。」
「・・・・・・・。」
反撃するアスカの言葉に思わず赤面するシンジ。
「もうご飯にする?。」
すべての皿の拭き終わったシンジがアスカに問いかける。
「うん・・もう少しこのまま・・。」
アスカは甘えた声でそのままシンジに抱きついていた。
シンジもアスカの手にそっと手を添えた。
・
・
ブチッ!
「もぉ!やってられないわよ。どうしてこの私があの子達の監視役なのよ!。」
その声を上げたのは葛城ミサト。
本作戦の作戦部長の役を担っている。
彼女は今、シンジとアスカの住むマンションの下の駐車場に止めてある車の中にいた。
無論二人の行動を監視するためである。
二人は勘違いしているようだがこれは新婚生活ではなく。
れっきとした使徒殲滅のための作戦なのだ。
ズルズルズルズル・・
アスカとシンジが熱々の夕食を食べているとき、
ミサトは一人寂しくカップラーメンをすすっていた・・(涙)
車の中に設置してあるスピーカーからは二人の会話が、
独り身のミサトの耳に容赦なく突き刺さっていた。
「はい、シンジ♪。口あけて。」
「そ、そんな恥ずかしいよ。」
「なに今更恥ずかしがってんのよ。昨日の夜はあんなにすごかったのに・・・」
片手におかずを持ちながら赤面するアスカにシンジもつられて赤面する。
「わ、わかったよ。食べればいいんだろ、食べれば。」
シンジはそう言って口を開ける。
パクッ
「おいしい?。」
アスカは恐る恐る尋ねる。
一言断っておくが、食事を作ったのはすべてシンジである。
アスカが作った料理は一つもない。
「もちろんだよ。」
だがシンジは屈託のない笑みを湛えながら答える。
これが夫婦愛というものなのか・・
「ホント♪。よかったぁ。じゃあ、次はシンジが食べさせて。」
「えっ!?」
「イヤなの?。」
上目遣いでシンジに訴えかけるシンジ。
これを断れる男は世界中探してもトウジぐらいなものだろう。
「い、イヤなわけないだろ。」
シンジは箸で肉じゃがのジャガイモを挟み込むとアスカの口へと運んだ。
パクッ♪
「おいしい。」
やはり笑みを浮かべながらシンジに微笑みかけるアスカ。
シンジもそれにつられて微笑み返す。
「あっアスカ。ご飯粒ついてる。」
「えっ?どこ?。」
「取ってあげるから目閉じて。」
シンジに促されその目を閉じるアスカ。
彼女はまだシンジのたくらみに気付いてはいなかった。
アスカが目を閉じるのを確認するとシンジの唇が
アスカのそれへと近づいていった。
「んんー!!んーーん(ちょっとシンジ!、そんな急に)。」
驚いたアスカは声を上げようとする、だがその声はシンジの
唇に遮られ声にはならなかった。
次第にアスカの体からも力が抜け、シンジのそれに応える。
アスカが舌をシンジの方へ突き出すとシンジも唇を開きそれに応える。
んん!
ん!
その時二人のくぐもった声だけが部屋に響いていた。
・
・
数分後
二人がようやく離れた。
アスカの顔は上気しており、意識はもうろうとしている。
「ほらね、ついてたでしょ。ご飯つぶ。」
アスカに比べ幾分余力を残しているシンジがからかうように言った。
「ばか・・。」
アスカは小さくそう答えるだけで精一杯だった。
・・・・
再び車の中・
「ヒック!・・。」
しゃっくりをする声が聞こえる。
確かミサトは任務中だったはず・・・まさか・・
ゴクッ
ゴクッゴクッ
ゴクッ
「プハァー!。」
そう彼女はお酒を飲んでいた(笑)
後日その件に関する報告書には
「酒でも飲まなきゃやってらんないわよ。」
と書かれていた。
次の日彼女は任務をはずされた。
「何でその代行が私なんですかぁ!。」
伊吹マヤがその先輩にあたる赤城リツコ博士に詰め寄る。
「しょうがないじゃない、マヤ。ネルフで他に暇な人ってあなたぐらいしかいないんですもの。」
「先輩が行けばいいじゃないですか。」
ドキッ
「な、なんで私が・・」
「先輩だって暇なくせに・・・ボソッ。」
「いいからマヤ。あなたが行ってらっしゃい!。」
リツコは鬼の形相で愛する我が子を千尋の谷へ突き落とした。
マヤはしぶしぶその場を後にする。
「マヤ。あなたの犠牲は決して無駄にはしないわ。」
リツコは遠ざかるマヤの後ろ姿にそう言葉を投げかけた。
「ねぇ、シンジ〜。お風呂一緒に入ろうよぉ。」
甘えた声を出し、バスタオル一枚のアスカがシンジに詰め寄る。
「だっ、ダメだよ。」
かろうじてシンジは断ってはいるが、・・時間の問題だろう事は
その赤面している顔からも容易にわかる。
「なんで?。」
またしてもアスカは上目遣いでシンジに詰め寄る。
「ねぇ何で?何で?何でぇ?」
なんと言われてもくじけずにシンジに詰め寄るアスカ。
プラス今回はバスタオルからかすかに見える豊かな胸が次第次第に
シンジの理性を崩していった。
「・・・・・・・わ、わかったよ。」
シンジあえなく撃沈。
「えへへへへ、やったぁ!。」
大喜びするアスカ。
シンジも満更でない笑みをこぼしていた。
・・・・・
車の中・・
「え〜ん(;;)・・せんぱーい、助けてください〜。」
ここではそのあまりにも独身者にとっては残酷な会話が
伊吹マヤを容赦なく攻撃していた。
次の日、彼女はネルフを休んだ。
「赤城リツコ博士。報告したまえ。」
薄暗い司令室、そのやや中心部に鎮座している碇ゲンドウ。
その人物が目の前にいる金髪の女性に言い放つ。
「はい、今回の作戦における成果はあまり良いものとは言えません。
第一に目標としていた二人のシンクロ率。これが当初予定していたより
あがりません。このまま使徒と対峙すれば恐らく・・・・負けます。」
リツコは沈痛な趣で言う。
「そうか・・まぁ良い。作戦を続けてくれ。他に報告は?。」
「はい、サード・セカンド両名に対する監視員からの苦情が相次いでいます。」
「読み上げてくれたまえ。」
「では・・『もうたくさんだ』『いいかげんにしろ』『俺達を殺す気か』など多数です。
すでに入院している退院が16名。ネルフを去ったものが43名。事態は急速な対応が
必要かと思われますが・・。」
淡々と読み上げるリツコ。
確かに事は重大だ。だが、ゲンドウはあっさりと・・
「・・・・そうか・問題ない。すべてシナリオのうちだ。」
「し、シナリオですって!、これにどんなシナリオがあるって言うんですか。」
ゲンドウの言葉にさすがに声を荒上げるリツコ。
しかし、ゲンドウはあっさりと言い放つ。
「フッ、知りたいか?。」
ゲンドウは自慢のサングラスの位置を直すと言った。
「明るい家族計画。」
と、
バンッ!
次の瞬間にはゲンドウの顔に報告書が叩きつけられ。
リツコはハイヒールの音を響かせながら司令室を後にしていた。
「無様だな・・。」
ゲンドウのそばで佇む冬月コウゾウはそう一言だけ言い放った。
(合掌)
そして決戦の日を迎える。
「良い?シンジ君、アスカ。敵は強敵よ。油断しないで。
それに人員不足で二人のサポートを十分にすることは出来ないわ。」
マイクに向かってミサト。
人員不足とは監視員に回され精神汚染にさらされた哀れなネルフ職員たちのことであった。
「任せてよミサト。あんな奴ちょちょいのちょいよ。」
「任せたわよアスカ。あっ、そうそうアスカ、一つ言い忘れてたわ。
今回の作戦が成功すれば二人そろっての温泉旅行をプレゼントよ。」
「「ホント(ですか)!。」」
二人は声をそろえてそれに答えた。
その時ミサトは正直不安でいっぱいだった。
なぜなら二人のシンクロ率は最高でも40そこそこ。
以前までの80%にはまだまだ届いてはいない。
このまま行けば勝てる確率は五分五分。
あるいはそれより低い・・
「がんばるのよ。二人とも。」
見守るミサトの手に力がこもる。
温泉旅行は過酷な戦いへ挑むアスカとシンジへの罪滅ぼしのつもりであった。
だが、
「大変です!。」
突然マヤの声があがる。
ミサトもその声に動揺を隠せずにマヤの方を見る。
何か重大なミスでもあったのか・・
「どうしたの・・・・・・・えっ!?なにこれ!。」
それを見たミサトの顔が驚きにあふれる。
シンクロ率 100%
「すごい・・。」
リツコがつぶやく。
だが、それ以降は誰一人として言葉を発する者はいなかった。
リツコでさえその原因をはかりかねている様子で言葉がでない。
しかし、答えはあっけないほど簡単であった。
<戦場>
ここではまさに二人の想いが渦巻いていた。
それが・・シンクロ率100%の秘密。
今、二人の心はある一つの想いを胸に完璧にユニゾンしていた。
「「(温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉
温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉
温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉
温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉
温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉温泉)」」
鬼気迫る表情でエヴァを動かす二人。
温泉をプレゼントと言うミサトの言葉はまさに的確だった。
完璧にユニゾンした二人の心はシンクロ率100%をマークすると、
使徒をあっさりと殲滅。
まさに電光石火。使徒に分離する間も与えないほど素早く一撃必殺、そのコアをうち砕いた。
かくして再び街に平和が戻った。
しかし・・はたして二人を同居させる必要が本当にあったのかは
不明である。・
「ねぇシンジぃ。一緒に温泉。入ろうね。」
「そうだね。」*^^*
エントリープラグ内で二人はそう囁きあうと一路本部と帰還していった。
あとがき
初めまして、ベファナともうします。
今回は少し、暴走気味だったかもしれません(笑)
中途半端な気もしますがこれにて「エヴァンゲリオンAS」は打ち止めとさせていただきます。
短い間でしたが、私の駄作につきあっていただきまことにありがとうございました。
どもども、こんばんわ。ぼく、ドラえぽんです。
ベファナさん連載お疲れさまでした。ドラえぽん好みのラブラブギャグSSをありがとうございました。
それにしても、明るい家族計画ってそれコン○ームの...。(爆)
らぶらぶな食事風景も最高ッス。ご、ご飯粒...。うきゃー
さあ、LASにんの理想の妄想(笑)を描いてくれたベファナさんに感想を書くべしべしぃ〜。うりゃ
ベファナさんへの感想はここです。
または簡単感想用掲示板へどうぞ。
◎感想用フォームです。2,3行の感想でも作者さんは嬉しかったりするのだ。