プシュー!

「ちょっとリツコ!これはどういうこと?。」

ドアが開くと同時にショートカットの少女がEVA実験施設内に怒鳴り込んできた。

「あら、マナ。どうしたの一体。」

それに答えたのは金髪のおば・・いや、お姉さん。
赤城リツコであった。

「どうしたのじゃないでしょ。この実験はどういうことなのよ!。」

「この実験はこれからの戦いにどうしても必要なことなのよ。」

リツコは慌てた様子も見せず、きわめて冷静に対応する。
それに対してマナは今にも暴れ出しそうな雰囲気である。

「私が聞いていることはそんな事じゃない!。
私は!どうしてあの女と、シンジが。一緒のエントリープラグに入ってるのかって
ことよ。」

マナはその言葉と同時にスクリーンに映し出されている。
シンジとアスカは指さす。


マナたちのいるところには今もエントリープラグ内の
会話がステレオ放送で流れ続けている。

「ねぇ、シンジぃ。実験終わったらどっか連れてってよぉ。」

「えー、昨日も遊園地行ったばっかじゃないか。」

「別にいいじゃない。少しでもシンジと一緒にいたいのよ。」

「えっ・・。」

シンジはその言葉に思わず赤面する。

「アスカ・・。」

シンジは上目遣いでアスカの名を呼ぶ。

「シンジ・・。」

アスカもそれに答える。

そして画面に映し出されているエントリープラグ内では
二人の距離はゼロになった。

 

 

 

エヴァンゲリオンAS

その参

前編

作:ベファナさん

 

 

 

 

 

「こ、これは仕方のないことなのよ。」

そう言ったあと、リツコは手元のコーヒーを一口、口に含む。
冷静さを装ってはいるが顔が引きつっている。
手に持つコーヒーカップもかすかにふるえている。

確かに独身者には少々刺激的な映像かもしれない。

「何が仕方のないことなんですか!
今まで初号機はシンジ一人の手で動かしてたじゃないですか。」

「違うわ。」

ぴしゃりとリツコが言い放つ。

「初号機はアスカの力、そしてそれにシンジ君の力が
プラスされる事によって動いていたの。アスカが初号機と
シンジ君のインターフェースをしてたってわけね。
でも、前回の一件でアスカが表にでてきてしまった。」

リツコはそこでジッと聞いているマナを見る
どこか具合が悪そうな顔をしている。

「と、言うわけで。初号機を動かすにはどうしても
二人を一緒にエントリープラグに入れるしかないの。わかった?。」

「ぐっ・・そ、そう言うことだったの・・。」

マナは他に打開策を見つけることが出来ず。
不本意ながら納得せざるを得なかった。


「マヤ、シンクロ率は?。」

マナの方はもう十分と判断したリツコは実験のオペレーターをしている
伊吹マヤに話しかける。

「駄目です。前回ほど高いシンクロ率は望めません。」

「そう・・やっぱり・。」

残念そうな顔をしながらリツコは手元に設置されているメーターを一瞥する。

そこには36%と言う文字が刻まれていた。

「これじゃ、実戦は当分無理ね。」

あきらめたリツコはエントリープラグ内の二人に話しかける。

「アスカ、シンジ君。もういいわ。今日の実験は終了よ。」

「「はい!。」」

二人の元気のよい声がユニゾンして聞こえる。
それとは裏腹に実験室にいるオペレーターたちは皆疲れたような顔をしていた。




それから三日後・・・



「パターン青。目標を使徒と確認。」

伊吹マヤの声が響く。

「そう、マナ。用意は良い?。」

リツコは手元のマイクに向かって話しかける。
そのマイクは直接弐号機のエントリープラグ内にいる。
マナへと通じていた。

「初号機のシンクロ率はまだ実戦の域までは達してないわ。
今日はマナ一人で行って。わかった?。」

「わかってるわよ。日本に来て初めてのデビュー戦だもの。
私一人で十分よ。」

司令室にはマナの元気な声が響いた。

「それじゃ、EVA弐号機。発進!。」

今まで出番のなかった葛城ミサト(こう見えても作戦部長)が発進の号令をかける。

使徒は「イスラフェル」と命名された。

射出された弐号機は大型のトマホークを携え使徒と対峙した。

「行くわよ!。」

その声とともに弐号機が翔ける。

あっという間に弐号機は大型トマホークの射程圏内に入り込むと、
トマホークを振り上げ、使徒を分断した。

すべてが一瞬の出来事であった。

司令所の人間もそのあまりの行動の早さに我を忘れ、
賞賛の声を上げることも出来ずにただ見とれていた。

「どう、私の腕は。」

エントリープラグでマナが叫ぶ。

得意げになるマナ。だが、そこで彼女は油断した。

使徒は殲滅されてはいなかったのだ。

使徒「イスラフェル」は分断されるとそのコアごと二つに割れ。
2体に分かれた。

「そんなインチキ!。」

その叫びを最後に弐号機の回線は途絶えた。
弐号機は使徒2体によるユニゾンキックを食らい
遙か彼方へ吹っ飛んでいった(笑)。




「弐号機は使徒の攻撃により大破。修理まで10ヶ月・・。」

「じゅ、十ヶ月もか・。」

作戦部長葛城ミサトの報告に碇ゲンドウは慌てていた。

「そ、それで。使徒の方は。」

「現在、N2爆雷の使用により活動を停止しています。
再び活動を開始するまで一週間。」

「そうか・・何か手はあるのか。」

「いえ、今その作戦を模索中であります。」

「そうか・作戦を急ぐように。」

「失礼します。」

ミサトはゲンドウに対し一礼するとその場を去った。



「委員会にはどう報告するつもりだ。」

ゲンドウの傍らに佇む、初老の男。冬月コウゾウが口を開く。

「なぁに心配はいらん。すべてシナリオ通りに進んでいる。」

「弐号機の大破がか?。」

「そ、そうだ。」

明らかにゲンドウは動揺を見せた。

「あまり虚勢をはらんことだ。」

「・・・・・・・・・。」

冬月の言葉を最後にその場の会話は途絶えた。






「で、どうするつもり。」

椅子に座ったリツコがそばに立っているミサトを見上げるように
話しかけている。

「う〜ん・・実のところ、作戦なんてないのよねぇ。
ゼロ号機は?。」

「駄目。レイの方がなかなか承諾しなくって。何か乗りたくないみたい。」

「そうよねぇ。ゼロ号機に取り込まれているのが渚カヲルだものね。
あの二人、幼稚園の時仇同士みたいにお互いの事嫌ってたもんね。」

ミサトはふと思いついたように声に出してみる。

「初号機は?」

「難しいわね。シンクロ率が元通りになれば話は別だけど。」

「なにか、手あるんでしょ。」

リツコの顔をのぞき込むようにミサトが言う。

「二人の心を一つにすることが出来れば。
シンクロ率は上がるかも・・でも・。」

「でも?。」

「それには二人を一つ屋根の下に住まわせる必要があるわ。」

「ゲッ!あの二人を?・・・。」

「そう、今あの二人を一緒にすると危険だわ。あらゆる意味でね。」

そこで二人は溜息をつくと力抜けたように肩を落とした。

それしか方法が残されていなかったからである。





ある晴れた朝。ミサトが二人に告げる。
二人とは無論アスカとシンジの事である。

「と、言うわけで二人には一緒の家に住んでもらいます。」

「「えぇ〜、」」

それを聞いた二人から歓喜の声が挙がる。

「良いんですか一緒に住んでも。前まであんなに反対していたのに。」

「それもネルフの方で住居を用意してくれるなんて。」

歓喜する二人を見下ろしていたミサトは溜息をつく。
あまりにも予想通りの結果に少々あきれていた。

「仕方のない事なの。弐号機が大破しちゃったから今回は初号機の
力だけが頼りなのよ。」

「わかったわミサト。まかせて!一週間後ちゃんと使徒を倒して見せるから。」

「わ・・わかったわ・。」

一抹の不安を残しながらミサトはその言葉を最後にその場を去った。

だが、ミサトは今回の同居の本当の意味・・
二人のユニゾンを高めるという目的を二人に伝えるのを忘れているのに気付いてはいなかった。

残された二人はその日から少し早い新婚生活を始めることとなった。

 

<後編に続く>

 

 

その参後編に進む
その弐に戻る



こんばんわ、ぼくドラえぽんです。ベファナさん、投稿ありがとうございます!!待ちに待った第3話ですー。
\( ^ 0 ^ )/いやっほい

うひー、ごろごろごろごろごろごろ。さいこーですよ、この設定。ラブラブエントリープラグにラブラブユニゾンだー!!マナちゃんご愁傷さま。(ニヤリ)

さあ、こんなゴロゴロな作品を書いてくれたベファナさんに感想を書くのだー!!

ベファナさんへの感想はここです。

または簡単感想用掲示板へどうぞ。

感想用フォームです。2,3行の感想でも作者さんは嬉しかったりするのだ。

ここから是非感想を送るのだー。\(●> _ <●)おーっ

お名前:
E mail:

お題を選択

ご意見その他はここへ