「目標をセンターに入れてスイッチ。」

カチッ

ババババババ


ドガッ



弐号機前方に使徒が現れると同時にそれに霧島マナは
ポジトロンライフルの引き金を引き、それを殲滅する。

ここ、ネルフ地下のEVAの訓練場ではそれが延々と繰り返されていた。



「目標をセンターに入れてスイッチ。」

カチッ

ババババババ


ドガッ





「目標をセンターに入れてスイッチ。」

カチッ

ババババババ


ドガッ










「マナ、調子良いみたいじゃない?。」

「ええ、やっぱり。使徒の顔を変えたのが良かったみたいね。」

と、その訓練の様子を見つめるミサトとリツコは、
その使徒へと顔へと目を向ける。

そこには・・





「な、なんで俺の顔がぁあ!。」

「別にいいじゃない。普段役にたってないんだからこれぐらい。」

「だからってこんな役は嫌だぁああ。」

アスカの言葉に泣き崩れるケンスケ。

そう、マナの訓練用に用意された使徒のCGにはケンスケの顔が張り付けられていた。
これでマナの命中率をあげようというのである。




「ケンスケ君に感謝しないとね。お陰で貴重なデータがとれたわ。」

「き、貴重ねぇ・・。」

友人の言葉に疑問の表情を浮かべるミサト。
マナのポジトロンライフルの命中率は通常に比べ400%増していた。




「目標をセンターに入れてスイッチ。」

カチッ

ババババババ


ドガッ




「目標をセンターに入れてスイッチ。」

カチッ

ババババババ


ドガッ

 

 

 

 

 

 

 

エヴァンゲリオンAS

その拾参

作:ベファナさん

 

 

 

 

 

 

「はぁ、すっきりしたぁ。」


エントリープラグから出てきたマナの顔はこれ以上ないほど
晴れ晴れとしていた。


「どう?マナ、新型の実験装置は。」

そう言いながらミサトはお疲れとばかりに、
手に持っていた缶ジュースをマナになげてよこすと、

パシッ

マナはそれを当たり前のように受け取る。

「もうさいっこう。なんて言うかこう、今までより集中できるのよね。
ミサト、次もこれにしてね。」

「おっけー。」

笑みを浮かべながらOKサインを出すミサト。


と、そこでマナの視界に先ほどの被害者相田ケンスケの姿が入ってきた。


「よ、霧島おつか・・・。」


と、彼はねぎらいの言葉をマナに発しようとした・



が・


バコッ☆



次の瞬間・・
見事マナの持っていた缶ジュースがケンスケの顔面にめりこんでいた。

「ぐはぁあ。」

(な、なんで俺だけこんな目に・・・)

沈黙するケンスケ。

その時、マナが「目標をセンターに入れてスイッチ」と呟いていたのを
ミサトは確かに聞いていた。






「哀れだね。」

「そう、哀れね。」

その様子を見ていたシンジとアスカ。
彼らは2人寄り添いながら、かつての友人を哀れみを込めた目で見つめていた。








「目標をセンターに入れてスイッチ。」

カチッ

ババババババ


ドガッ



その頃訓練場では、マナに続いてレイの訓練が行われていた。
ただし、その使徒の顔にはカヲルの顔が張り付けられていた。


「ほほほほほ、カヲル!昔年の恨み、今こそ晴らしてみせようぞ。
くらえ!、くらえ!、くらえぇええ!。」


バババババババ

鬼気迫る表情でその一つ一つを殲滅していくレイ。
その目は完全にイってしまっていた。



「た、たまにはこういうこともあるわね。」

リツコも呆れた表情で、その様子を見ていた。
















「に、しても最近使徒こないわねぇ。」

「そうだね。あれから一ヶ月、全くの音沙汰なしだもんね。」

「ま、だからこそシンジとこうしてのんびりと出来るんだけど♪。」

そう言いながらシンジに抱きつくアスカ。

学校の昼休み、シンジとアスカは中庭にある
草むらで2人っきりの時を思う存分味わっていた。

「シンジ、あーん♪。」

アスカに促され、あいたシンジの口へ卵焼きが投げ込まれる。

もぐっ

「美味しい?。」

「うん、もちろんだよ。アスカも段々料理の腕が上達してきたね。」

「そりゃそうよ。毎日シンジに手取り足取り教えて貰ってるんですもの。」

そう言うアスカの顔は何故か赤く染まっていた。

対するシンジの顔も何故か赤い・・・

「だって・・シンジ、エプロンの下は何も着るなって・・。」

(あ、アスカ・・・誰に言ってるの?。)

思わず心の中でそうつっこむシンジ。


2人は顔を真っ赤にしたまま仲睦まじく昼食を続けた。


また、その様子は教室のベランダから丸見えであったことを
ココに記しておく。





「シンジと惣流のやつ。毎度毎度よくあきへんな。」

「そんなこと言って鈴原、碇君が羨ましいんでしょ。」

「う、羨ましいことなんてあるかい!。」

委員長こと洞木ヒカリ・
そのつっこみに思わずトウジはうろたえる。

だが、2人そろって外の様子を見つめる2人の様子は
他のクラスメイトから見れば充分ラブラブな雰囲気につつまれていた。


「お。委員長その唐揚げおいしそうやんか。」

「え?・・よ、よかったら食べる?。」

「お、おお。」

ヒカリは顔を赤くしながらも、その箸で唐揚げをつまむと
何気なくトウジの口へ運ぶ、トウジもそれにあわせ口を開く・・


他のクラスメイトはその様子を出来るだけ見ないよう努力を続けながら
食事を続けていた。





と、その時であった。




ウーーーーーーーーーーーー!




第三新東京市中にサイレンが鳴り響いた。


「これは!。」

そのサイレンにシンジが飛び起きる。

「あんっ、シンジぃ途中でやめちゃいやぁ。」

だから2人とも丸見えだって・・


「アスカ。そんな事いってる場合じゃないだろ。使徒だ。」

ぶー

シンジにそう言われてもふくれっ面のアスカ。

「もう、しょうがないなぁ。」

シンジはそんなアスカに顔を近づけると、そっと唇を重ねた。
するとふくれっ面だったアスカの顔も直ぐに笑みを取り戻した。


「ほら、いくよアスカ。」

「うん♪。」

アスカの手を引き、立ち上がらせるシンジ。

2人はその足でネルフ本部へ向かっていった。


トウジとヒカリを含むクラスメートは一目散にシェルターへと走っていった。







「シンジ君とアスカは?。」

「まだ到着してないわ。」


リツコの問いに速やかに応えるミサト。

ふぅ

リツコは溜息を一つつくと、口を開いた。

「まぁ、いいわ。幸い今回の使徒は大したことないみたいだし、
マナ、それとケンスケ君頼むわね。」

リツコは中央モニターに映っている昆虫(?)の様な容姿の使徒
『シャムシエル』を見ながらそう言った。


「「はい。」」

弐号機と参号機のエントリープラグ内の2人は口を揃えてそれに応える。

「使徒は現在浅間山方面から市内に向かってるわ。
何とか市外でくいとめて。」


「了解。」

エントリープラグ内でマナが応える。

「いい?ケンスケ。今回は私にまかせなさい。」

「何でだよ。」

「レディーファーストよ。」

「何がレディーだよ。レディーがいびきをかくかってんだよ。」

「!。」

その瞬間マナの目が大きく見開かれ顔が怒りにゆがむ。

「ケンスケ!あんたまた人の部屋に盗聴器をしかけたわね!。」

「げっ。」

「帰ったら覚えときなさい。ただじゃ置かないから。」

「とほほほほ。」


「リツコ!、早く弐号機を出しなさい!さっさと使徒を片づけるわよ。」



「はいはい。」

マナに促され渋々返事をするリツコ。



「EVA弐号機、及び参号機発進!。」

と、ミサト。

かくして弐号機、参号機の初の共同戦線ははじまった。







「いい?私がオフェンス。アンタはバックアップだからね。」

「わかってるよ。」

マナはケンスケにそう言うとゆっくりと機体を使徒へと近づけていく。



「今回の使徒はホントに大したことなさそうね。」

「マナ、油断大敵よ。」

「わかってるわよ。」

司令室のミサトから注意がはいる。



ガチャ

迫り来る使徒に向けて、ポジトロンライフルを構える弐号機。


「目標をセンターに入れて・・、」

訓練通り引き金を引こうとするマナ。


だが、
その直前・・・突然使徒の触手が弐号機を襲った。


「キャー。」


マナの悲鳴と共にその手からポジトロンライフルがはじき飛ばされる。
続けてその触手が弐号機を襲う。

「霧島!。」

慌ててケンスケは手に持つポジトロンライフルで弐号機を援護する。


しかし、使徒の触手が作り出した爆煙によって、その銃線も使徒を捕らえることなく
空を切り裂く。


「くっ。」

悔しさを露わにするケンスケ。

「霧島!大丈夫か。」

「何とかね、それより使徒は?。」

苦痛に顔をゆがめながら言うマナ。


「え?使徒?。」

「バカ!見失ったの?。」

「でもこの爆煙じゃ・・・・・!。」

「ケンスケ後ろ!。」

「え?。」

バコッ!



「ぐわっ!。」

突然の一撃に苦痛の声をあげる









「なんてスピードなの!。」

「使徒レーダーでも捕らえきれません。」

驚愕するリツコ。
それはオペレーターのマヤも同様であった。





「ぐはぁ!。」


「きゃー。」


発令所にはケンスケとマナの悲鳴が再び木霊していた。








そのころ。

シェルターの一室では・・

「委員長ワシ、ちょっと便所いってくるわ。」

「そ、そんなこと私にいちいち断らないでよ。」

「さよか〜。」

ヒカリに許可をとったトウジがトイレへと向かっていく。


だが・・


「あれ?このシェルターにトイレなんてあったかしら。」

と疑問を抱いたヒカリ。
こそこそとトウジの後をついていく。



するとトウジはヒカリの見守る中、シェルターの外へと出ていく。

「鈴原のやつぅ〜。」

そうは思うものの、ヒカリは監視の為、
トウジの尾行を続けた。


ずんずんとシェルターからでて山道を進んでいくトウジ。
時たま立ち止まっては後ろを振り返るが、ヒカリに尾行に気づく様子はなかった。


「どうしたのかしら。鈴原の奴・・こんな遠くまで。」


ヒカリが疑問に思っている中。
トウジは立ち止まると・・草むらに入るとジャージのズボンを一気におろした。


(す、すずはら・・トイレって大きい方だったの(@@))

思わず顔を赤らめ、木の陰に隠れるヒカリ。
だが、その頭の中はすでにトウジのお尻の事で一杯であった。


(鈴原のお尻・・鈴原のお尻・・鈴原のお尻・・鈴原のお尻・・
鈴原のお尻・・鈴原のお尻・・鈴原のお尻・・)





もちろん、そんな彼女の前にシンジとアスカが現れても、
彼女は気づくことはなかった。


「あれ?委員長どうしたのこんなところで。」

「へ?あ、・・・え・・と・・碇君?・・碇君こそどうしたのこんなところで。」

「僕らは・・・・あ!なんだトウジも一緒なんだ。おーい!トウジ!。」


トウジのトレードマークであるジャージを見つけ、大きな声で彼を呼ぶシンジ。
だが、トウジが今それどころでなかったのを彼は知らない。


(ぐげげげげ、な、なんでシンジの奴がここにおるんや。
それに・・委員長まで・・かぁ・・もしこんなところを見つかったら
ワシの面目まるつぶれやんか・・どうにかしてごまかさんと。)




「お、なんや。シンジやないか。一体どうしたんやこんなとこで。」

「あ、僕ら今からネルフの本部へ向かう途中なんだ。ね、アスカ。」

「そうよ。アンタこそそんなところで何やってるのよ。」

「わ、ワイか・・ワイは・・こ、ここで野鳥の観察を・・。」

(鈴原のバカァ・・そんな言い訳通じる訳ないでしょうが。)

ヒカリはシンジとアスカの後ろであくせくしている。


「トウジいつまでもそんな草むらにいないでこっちにおいでよ。」

カサッ

そう言いながらシンジは草木をかき分け、トウジの方へと
歩み寄っていく。


「ま、まて!シンジ。こっちへきたら危険やぞ。」

(た、確かに危険ね。)

そう心の中で呟くヒカリ。


「そんなわけないだろ。ほら・・・トウジ。」

(やばいで〜やばいで〜・・このままじゃワイのイメージ丸つぶれや・・
何とかせんと・・何とかせんと・・)

近づいてくるシンジ・・・
だが・・

(何とかせんと・・何とかせんと・・)


トウジの頭でその場を打破する方法を考えつけるはずもなく・・




















バコッ



ドコッ



ガコッ


男として・・いや、人間として最悪の場を目撃されたトウジは
アスカの一撃(?)をうけ、殲滅された。




「まったく、さいってぇ・・・同じクラスメイトとして軽蔑するわ。」

「し、仕方ないやろ。人間なんやから。」

バコッ


「やかましい。」

アスカの容赦ない一撃がトウジへとたたき込まれた。



「所でなんでヒカリがあんな所にいたの?。」

「え?・・・・。」

1人蚊帳の外にいたつもりでいた、ヒカリの元へ
突然矛先が向けられた。



「え・・と・・私は・・・その・・・・・・・・・。」


(ひゃぁあああ。ど、どうしよぉ・まさか鈴原が何をしに外に
でてきたのか気になってついてきたなんて言えるはずもないし・・
ど、どうしましょ・・このままじゃ私まで”変態”のレッテルを貼られてしまうわ
唯一の清純派としてそれだけは阻止しないと・・それには言い訳よね・・言い訳・・
いい・・わ・・け・・・そんなのあるわけないじゃない!。)



「どうしたの?ヒカリ。」

思い悩むヒカリにアスカが話しかける。


「な、なんでもないわよアスカ・・そうね言い訳・じゃなかった理由だったわね。」


悩むヒカリ、その時彼女に神の手が差し出された。





ズドォオオオオオオオオンン!!!!


突然アスカ達の近くで爆音が鳴り響く。

「何!。」

慌ててそちらの方向に視線を向けるアスカ。


そこには・・

「弐号機・・・。」

「マナの機体じゃない。どうしてこんなところに。」


驚きの色を隠せないのはこの2人、シンジとアスカ。
弐号機は今、使徒と交戦中のはずだった。





「あれは・・・・シンジ・・それにアスカ・・ヒカリに、鈴原まで!。」

弐号機の中では直ちにマナが四人の姿を捕らえていた。






「何であの子たちがあんな所にいるのよ!?。」

「私に聞いてもわかるわけないじゃない。」

発令所でもそれは同様であった。

「どうするのよ!あの子達、あのままじゃ危険よ。」

「・・・こうなったらやむをえないわね。」

リツコは苦渋の表情を浮かべながら弐号機直通のマイクを握りしめた。


「マナ。聞こえる?。」

「ええ。」

「至急エントリープラグのハッチを開けて四人を中にいれるのよ。」

「へ?、・・そ、そんなの冗談じゃないわ。このエントリープラグに
そんなに入るわけないじゃない。」

「心配しないでマナ。エントリープラグはこういった状況にそなえて
最大15人まで収容可能に設計されているわ。」

「嘘・・・。」

リツコにそう言われ思わず改めてエントリープラグ内を見渡す
マナ・・しかし・・

「どう見ても15人は無理よね(^^;」

そう彼女は再確認していた。


「とにかく、これは下の四人の命を守る為考えられる最善の方法なの。」

「わ、わかったわよ。乗せればいいんでしょ、乗せれば。」

マナは渋々ながらも承諾、四人を乗せることを決心した。






「な、なんや水やないか。」

開いたエントリープラグのハッチの中をのぞき込むトウジ。

「ほら、あとがつかえてるんだからさっさと入りなさい。」

「こ、こら惣流な、何するっ・・。」

どっぼ〜ん!。

アスカは躊躇する彼を容赦なく中へとたたき込んだ。

「ほら、ヒカリも。」

続いてヒカリ。

「え・・ちょ、ちょっとまってよ、まだ心の準備が・・。」

「後が使えてるんだから早くっ。」

「きゃ〜!。」

どっぼ〜ん!。

その時のアスカの表情はとても楽しそうであったという。

「次は私たちの番よ、シンジ。」

「う、うん。」

そんなアスカの意外な(?)一面にシンジは少しばかりの恐怖を抱いていた。


無事にエントリープラグに乗り込んだ四人・・
だが、その中は正に地獄さながらであった。

「せっま〜い!。」

「トウジあんた幅とりすぎよ!もっとちっちゃくなりなさい。」

「そない言ったかて、そんなの無理にきまってるやろが。」

「ほら、アスカもっとこっちへおいでよ、思いっきり抱きしめてあげるから。」

「う、うん。」

「あああああああああ、なんで私だけこんな目にぃ!。」


口々に愚痴を漏らす5人・・

そこへ再度リツコから通信がはいった。


「マナ。準備はいい?。」

「な、何とかね。」

声を絞り出すように発するマナ。

中央モニターに映し出されている
エントリープラグ内の様子にリツコの顔も多少引きつっていた。

「ではこれからの作戦を説明します。」




その作戦とは・・

高速移動する使徒を片方のEVAが犠牲となり、その動きを止め、
その隙にもう一方のEVAが使徒を殲滅するという
かなり無茶のあるものであった。




「問題はどっちのEVAが使徒の動きをとめるかね。」

沈痛な趣で言葉を発するリツコ。
だが、マナを見ると答えはすでに決まっているようであった。

「と、いうことでケンスケ。頼むわね。」

「な、なんで俺が!。」

余りにも一歩的な事に声を荒上げるケンスケ。

「あら、こういうのは昔から男の仕事だって決まってるのよ。」

「だ、誰が決めたんだよそんなの!。」

「あんまりぐだぐだ言ってると、また簀巻きにしてベランダから吊すわよ♪。」

なかなか恐ろしい事を笑みを浮かべながら言い放つマナ。


対するケンスケ、
簀巻きにされ、ベランダに吊された時の事でも思い出したのであろうか、
その顔はたちまちサーッと真っ青に染まっていた。

「わ、わかりました。」

絞り出すようなケンスケの声。

あっけなくケンスケは撃沈した。







「いいの?ミサト。へたすればEVAを一機失うことになるのよ。」

この作戦をたてたミサトに非難の声を浴びせるリツコ。

「だいじょうぶよ。」

だが、ミサトは割と平然と答えを返す。

「参号機だもの。」

「そ、それもそうね。」

これもまたあっさりと納得するリツコ。

地球の平和を守る(?)ネルフ・・
それでいいのか。








「それでは作戦スタート。」

ミサトの号令によって多少無謀な作戦が開始された。




対峙する参号機と使徒。
その参号機の裏では弐号機がポジトロンライフルを構え、
いつでも発射できるよう、待機していた。

使徒の触手が参号機をとらえんと左右に揺れる。


「くっそ〜。捕まえるって言ってもどうやってやればいいんだよ。」




「何、やってるのかしら。ケンスケの奴。さっさと使徒を捕まえなさいよ。」

一向に使徒に向かっていかない参号機に苛立ちを隠しきれないマナ。

だが、緊迫しているこの状況、下手に動いたら危険である。


「マナ、いいから撃っちゃいないよ。」

「え?・・そうね。やってみるわ。」

突然のアスカの言葉に一瞬目を丸くするマナ。
だが、瞬間的にその意図する所を掴むと、ゆっくりと頷いた。






「ちっ、今頃霧島のやつ苛ついてることだろな・・
かと言って下手に動いたら危険だし・・・。」

かわって参号機。
相変わらず緊迫したムードの漂うエントリープラグ内・・

その時だった・・


バババババババ


「へ?。」

参号機の背後、弐号機からその足下へ向け、ポジトロンライフルが発射された。

あわてて、その銃弾をさけるように小躍りする参号機。

「き、霧島!なんて事をするんだ!。」

思わず振り向くケンスケ。


そこへ・・


シュッ


使徒の触手が参号機へと向けられた。

「くっ。」

慌ててレバーを引き、参号機の顔すれすれの所で
それを避けるケンスケ。

ほっとしたのも束の間、使徒の攻撃第二波が参号機をおそった。

「ちっくしょー・なんで俺だけこんな目に・。」

容赦ない使徒の触手による攻撃。
それの巻き起こす爆風の中、参号機はその一つ一つを間一髪避けていた。




「へーケンスケの奴やるじゃない。」

その情景に思わず感嘆の声をあげるマナ。

「ほほぉ、珍しいわね。マナがケンスケを誉めるなんて。」

「わ、私だってたまには誉めるわよ!。」

「それにしては顔が赤いのは私の気のせいかしら?。」

「!。」

アスカの思わぬ指摘にマナはより一層顔を赤らめ、うつむいてしまった。





「ぐはっ。」






その時、突然弐号機内にケンスケの悲鳴が届いた。


「何!?。」

急いで顔を上げ、その様子を確認するマナ。



そこには右肩を使徒の触手で貫かれた参号機の姿が・

「ケンスケ!。」

思わずその場へ駆け寄ろうとするマナ。

だが、

「まて!霧島。」

中のケンスケがそれを制止した。


ぴたっ、

弐号機は一歩足を踏み出したところで動きを止める。


「少しは俺を信頼しろよな。」


と、ケンスケ。

参号機は貫かれた右肩をそのままに、
残る左手で抱きつくように使徒を捕らえた。

そして彼は言った・・

「今だ!撃て霧島!。」


だが、


肝心の使徒は参号機を挟む形で弐号機と対峙していた。
つまり・・下手したらポジトロンライフルの銃弾は参号機に当たる・・


「そんなのできるわけないじゃない!。」

「チャンスは今しかない、撃つんだ!霧島。」

ケンスケの顔は苦痛にゆがんでいた。

ためらうマナ・・


「大丈夫マナならきっとできるよ。」

「シンジ・・・。」

いつのまにかマナの傍らにはシンジの姿があった。


「ほらあそこ・・。」

シンジの指さすとこには、使徒のコア・・・・
EVAより一回り巨大な使徒、その中心にあるコアは
抱きかかえた参号機の顔のすぐ隣に存在していた。


「無理よ、私には。下手したらケンスケの乗ってるエントリープラグに直撃
じゃない。それに使徒だって止まってるわけじゃないのよ。」

マナの言うとおり、使徒は張り付いた参号機をふりほどこうと必死に体を
動かしていた。



「大丈夫だ霧島。」


ケンスケから通信がはいる。

「俺はお前を信頼している。」



「ケンスケ・・・・・・。」

その言葉涙をのむマナ・・彼女の心はきまった。




そして・ゆっくりとマナは
ポジトロンライフルの引き金が引いた・・



カチッ





ババババババ








弐号機のポジトロンライフルから銃線が舞う・・




そして・・それは確実に参号機の顔のすぐ横・・使徒のコアのみを貫いていた。








チュドォオオオオオン!。




かくして使徒は殲滅され、

使徒の爆心地付近より参号機と共にケンスケも無事、救出された。









その後、



「それにしてもまさかケンスケからあんな言葉が出てくるとはねぇ。」

にやにや顔でマナにつめよるアスカ。
その様子は小姑そのものであった。

「俺はお前を信頼してるだっけ?普通言えないわよねぇこんな恥ずかしい言葉。」

「う、うっさいわね。あんなの一時の気の迷いにきまってるじゃない。」

「あ〜ら。そうかしら?私にはマナとケンスケの間に2人だけの
ふか〜い絆が見えたんだけどな♪。」

「そんなのあるわけないでしょ!もう止めてよ。」

「そんな事言ってもねぇ・・もう遅いと思うんだけど。」

「へ?。」

「あの時マナのエントリープラグに他に誰が乗ってたかしら?。」

サーッ

そんな形容詞と共にマナの顔がたちまち顔面蒼白になる。


そう・・あの時、マナのエントリープラグに乗っていたのは
クラス1口の軽い鈴原トウジと・・
噂好きで有名な洞木ヒカリ・

霧島マナ・・彼女の苦労は今始まったばかりであった。




「おや?霧島どうかしたのか?。」

そんな顔面蒼白で棒立ちのマナに事態を飲み込めていない
ケンスケが話しかける・・


が、


バコッ☆


ガコッ☆



一瞬後、マナの容赦ない一撃がケンスケにたたき込まれた。



「哀れだね。」

「そう、哀れね。」

その様子を見ていたシンジとアスカ。
彼らは2人寄り添いながら、かつての友人を哀れみを込めた目で見つめていた。






<その13 終わり>

その拾四に進む
その拾弐に戻る



目標をセンターに入れて..。目標はケンスケだったのか。(爆笑)

というわけで、ベファナさんAS13話ありがとうございますー。\( > 0 < )おもろいっすー

しかし、『かつての友人』って。シンジ君ひでえ。(笑) おもろいけど

>「あんっ、シンジぃ途中でやめちゃいやぁ。」
....青○ですか?(爆)

うーむ、しかしケンスケほど盗聴器が似合うオトコがいるだろうか?いや居ないな。(笑)
セルビデオ向きなオトコだな...。

ヒカリちゃんののぞきプレイもナイスですねー。
くっくっく、ヒカリのココロの声が爆笑ですよね。(笑)

しかし、ケンスケ。今回は見せ場ありましたね。(@_@;)おお
なかなか良い役.....でもないか。(笑)

ラストも良いオチでした。やっぱりヒカリちゃんは噂好きなんですね。

さあ、今回も楽しいお話を書いてくれたベファナさんに、感想&応援を書いてまた続きを書いて貰おー。\( ^ 0 ^ )

ベファナさんへの感想はここです。

または簡単感想用掲示板へどうぞ。

感想用フォームです。2,3行の感想でも作者さんは嬉しかったりするのだ。

ここから是非感想を送るのだー。\(●> _ <●)おーっ

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