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エヴァンゲリオンAS
その壱
作:ベファナさん
「お前にしか乗れんからな。」
「乗るなら乗れ!でなければ帰れ!。」
窓越しに僕を見下ろす父さんの声が僕の胸へと突き刺さる。
「(なんだよ、いきなり呼び出しといてそれはないだろ・・。)」
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・
「ふん!。」
父さんの鼻で笑う声が聞こえる。
大方、鈍くさい様子の僕を見て落胆でもしたのだろう。
「レイをだせ。」
「いいのか?。」
「死んでる訳じゃない。」
初老の・・いや、かなり年の行っている老人と父さんがなにやら話している。
ガラス越しなのでこちらには向こうの声をうまく聞くことが出来なかった。
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・
数秒後、佇む僕の元へ、けたたましい音ともに担架が運ばれてくる、
その上には白っぽい、ボディースーツらしきものを着た青い髪の・・少女・・・が・・
って!
「姉さん!。」
運ばれてきた担架の上に横たわっていた・・いや、寝ていたのは
紛れもなく僕のたった一人の姉、碇レイであった。
「ん・・あっ、シンジじゃない。おはよう。」
「おはようじゃないだろ!、姉さん。こんなとこで何やってるんだよ。」
シンジにしては珍しく大声を上げていた。
「何でって、あんたと同じよ。授業中寝ている所を起こされて
無理矢理連れてこられたの。全くぅ人の眠りをじゃまするなんて・・・。」
そう言って姉さんは窓越しに僕らを見下ろしている父さんをにらみつける。
じりっ
その眼力に父さんが後ずさる様子が下からでもわかった。
「とっ、とにかくだ。レイ、予備が使えなくなった。お前がでろ。」
先ほどとは違ってどこか、弱々しい態度の父さん。
母さん(碇ユイ)曰く、「レイは私と似てるからねぇ。」だそうだ。
「や!。」
一言で父さんの要請を突っぱねる姉。
「レイ・・人類の未来がかかってるんだぞ。」
父さんの態度は懇願するに近づいてきてる。
「そんなのいやよ。めんどくさいし。シンジ、あんたがやりなさい。」
姉が僕の方にその矛先を向けてきた。
「そ、そんなの僕に言われても・・・・・・・・・・・・・。」
僕は断ろうとした。冗談じゃない!こんなところで人生終わりにしてたまるか・・
しかし、
「あら、あんた。私に逆らおうというの?・・・みんなに言いふらしても良いのかなぁ・・。」
後半姉がぼそっと言った。
僕はその言葉になぜか逆らうことが出来なかった。
「わかったよ!乗れば良いんだろ、乗れば。」
あきらめて僕は父さんの言葉通りに、目の前に
鎮座するエヴァと呼ばれしものに乗り込むことになった。
・
・
・
「LCL注入されます。」
静かなオペレーターの声とともに液体が僕の周りにまとわりついてくる。
僕はあのあと、すぐさまこのエントリープラグと呼ばれるものの中に入れられた。
「な、なんだ。これ!、」
「大丈夫よ。肺がLCLで満たされれば直接血液に酸素を送り込むわ。」
金髪のおば・”ビビビビビビビビ!”・・・・・・お、おねえさんの声がスピーカー越しに
エントリープラグ内に響く。
「先輩、いきなり電気ショックは危ないんじゃないですか。」
「いいのよ、あの子には良い薬だわ(まったく、口が悪いのはきっとユイさん譲りね。)」
直感的にシンジの声を読みとったのか、金髪のおばドカッ・・お姉さんこと、
リツコのささやかな電気ショックがエントリープラグをつつんだ。
彼女の相棒である伊吹マヤはただ、その様子を眺めるだけであった。
・
・
「レイ・・ところで、どうやってシンジを説得したのだ。」
丁度そのころ、指令席ではレイとゲンドウによる密談が行われていた。
レイはゲンドウの言葉に反応するとにやりと笑い。
「私ねこの前見ちゃったんだ。シンジが女の子の。しかも幼稚園の
女の子の写真を大事そうに持っているのを。信じられるぅ。」
「女の子?・・どんな子だった?。」
「どんなって言われても・・・そう言えば赤茶色の髪をしてたわよ、その女の子。
父さん知ってるの?」
「そうか・・赤茶色の髪・・・か。・・・。」
しかし、ゲンドウはレイの問いに答えようとはしなかった。
その代わりゲンドウは真っ直ぐと目の前に広がるセンタースクリーンをじっと見つめ直した。
そのときのゲンドウの目には誰にも言えない悲しみが宿ってた。
しかし、
ドカッ!!!
「レ・・レイ・・。」
今度こそ本当にゲンドウの両目からは涙がこぼれおちていた。
「なによ!父さんが何も言わないのが悪いんじゃない。」
レイはゲンドウをにらみつけながら言う。
「それで?誰なのあの女の子は?」
「レイは覚えてないないのか?。」
「覚えていない?。」
その問いにいぶかしげな表情のレイ。
「昔、うちの近・・。」
ゲンドウが真相を話そうとしたとき、都合よくオペレータから声が挙がった。
「初号機準備完了しました。」
「そうか、・・ではエヴァ初号機、発進!。」
某エクセリヲンの船長のようにゲンドウがほえる。
それに応えるかのように初号機が地上へと射出された。
ガシャン!
初号機を乗せたリフトが解除され、初号機は今完全に自由の身となった。
そんな初号機の前には第三使徒サキエルが存在していた。
二人の巨人はしばらくの間対峙していたが、そこへ司令部から声がかかった。
声の主はシンジをここへ連れてきた、葛城ミサトその人であった。
「シンジ君。まずは歩くことに専念して。」
「う・・うん。」
シンジはおびえながらもレバーを握りしめ、指示通りに歩くイメージを浮かべてみる。
するとそれに呼応したようにエヴァンゲリオンの足を上げ歩くという行動をとった。
「「「「「「おお!。」」」」」
管制塔内に歓声が上がる。
だが、その歓声も次の瞬間には落胆のため息となった。
「あぶない!。」
赤城リツコの声とともにエヴァは前のめりに倒れた。
そんな倒れたエヴァは目の前に佇む使徒の格好の的となってしまった。
「逃げて!。」
管制塔の悲痛な叫びも遠く、急造のパイロットにそれを要求するのは酷というものだ。
使徒はゆっくりと近づいてくると無防備なエヴァの頭を鷲掴みにする。
そして、
一発 二発 三発 四発・・・・・・使徒の手のひらから発せられるエネルギー弾が
悲痛にもエヴァの頭をうち砕く、初号機の電源が落ちる。
誰もがエヴァの死を・・・・シンジの死を確信していた。
しかし
次の瞬間それは起こった、聞こえた。
それは本来聞こえる筈のない声。それはシンジのエントリープラグの中に響き渡った。
「馬鹿シンジ!。」
「えっ?。」
シンジは思わず聞き返した。
シンジにはその声に聞き覚えがあった。
「この声は・・・・。」
シンジが考えに更けているとその声はまたもやエントリープラグに響いた。
「なによ!あんな奴ぐらい早く倒しちゃなさい。」
「う、うん!。」
誰の声かも思い出せないままシンジはその声に、尻をたたかれ
再びレバーを握りしめた。
再びレバーを握りしめたシンジ、だがその感覚の違いに戸惑っていた。
「(なんか・・さっきと違う・・・)。」
「どういうこと!。」
もっと訳が分からないのは司令室、正体不明の声が聞こえてから、
なんと!シンジのシンクロ率は80%を軽く越えていたのだ。
「そ・・そんなさっきまで、40台がやっとだったのに・・。」
ただ呆然としているミサトにリツコが声をかける。
「目覚めたのよ、彼女が・・・。」
「彼女?。」
「10年前に初号機に取り込まれた自称美少女。・・惣流・アスカ・ラングレーがね。」
「あの声・・。」
「思い出したか?レイ・・・。」
「思い出したわ、あの声・・・アスカ・・・。」
「そうだ、10年前の初号機機動実験で初号機に取り込まれてな・・
あの時の情報操作には苦労した・・・。」
「苦労するなぁああ!!!!!。」デュガシャァアアアン!!!!!!
レイの必殺技がゲンドウにヒットする。
「レ・レイ・・。」
何かすがるような目でレイを見るゲンドウ。
「はぁはぁはぁ・・ドイツに引っ越したって言ってたけど、まさかこんなのに取り込まれてたなんてね。」
レイは再度サキエルと対峙する初号機を見た。
「おかしいと思ってたのよ。あのアスカがシンジを置いて行くわけないもんね。
シンジの奴が暗くなったのもあの時からだった・・・・・全部父さんのせいだったのね。」
「皆まで言うな!」
「でも、このこと・・母さんが知ったらどうなるかしら。」
ギクッ!
「レ・レイ・・か、母さんにだけは内密に。」
「それじゃお小遣い上げてね、期待してるからね。父さん。」
交渉成立、ゲンドウにはユイに逆らう事が出来るはずもなかった。
だが後日、このことを知ったユイからお仕置きを受けるのは・・また別の話である。
ドカァーン!
あっさりとサキエルは退治された。
シンジが覚醒した初号機を駆ってからわずか30秒後の事であった。
「アスカなの?」
戦闘が終わってからエントリープラグの中でシンジが声を上げる。
「やっと、思い出したの?」
「やっぱり、アスカなんだね。よかったぁ。」
バコッ!(アスカはLCLをコントロールし、シンジに一撃をくらわせた)
「よくなんかないでしょ!全く、たくましくなったと思ったら中身は全然変わってないわね。」
「ほっといてくれよ。」
「でも、まぁ今回あいつを倒した事だけは誉めてあげるわ。全部私の力のおかげだけど。」
「なんだよそれ。」
二人が他愛もない会話を楽しんでいたとき、作戦部の葛城ミサトから声がかかった。
「ハイハーイ、お二人さんもう良いかしら?。」
「シンジ、このおばさん誰?」
エントリープラグ内に写った画面を見てだろうか、アスカが反応する。
「おば!、ち、違うよ、アスカ。この人はおばさんなんかじゃなくて。この作戦の
作戦部長をしている葛城ミサトさんっていうんだ。ただ行き遅れてるだけだよ。」
思わず墓穴を掘ってしまうシンジ。
「ちょっとシンちゃーん・・後でお姉さんとゆぅっくりお話しましょうね。」
ミサトは努めて冷静にシンジに言った。だが顔は・・引きつっていた。
「ちょっとミサト!私のシンジに何かしたら、ぜぇーったい許さないわよ。」
「ちょ、ちょっとアスカ・・。」
さすがに気まずいと思ったのかシンジが声を上げる。
「なにがぁ私のシンジよ。・・・わ・た・し・のシンジ?・・・・ってあんたら!」
そこまで考えてミサトは硬直する。
代わりに声を出したのはオペレータの一人、マヤの悲鳴だった。
「ふ、不潔ですぅーー!!!」
場が本来の落ち着きを取り戻すのには、数十分を要した。
・
・
・
そんな会話のやりとりをレイとゲンドウは静かに見守っていた。
突然ゲンドウが何か思いついたようにレイに話しかける。
「レイ、そう言えばさっきの話・・・・・なぜアスカ君がシンジに何も言わずに
引っ越すわけないと思ったのだ?」
その問いにレイは静かに理由を話した。
「結婚の約束してたのよ、あの二人。幼稚園の時ね。」
再び騒がしさの増したネルフ作戦指令室。
それをレイとゲンドウはただじっと見つめていた。
シンジとアスカの時計は再び動き出した。
二人の未来へと向けて・・
ベファナさん、ありがとうございます。ぼく、ドラえぽんです。
ベファナさんによると、エヴァンゲリオンASのAとSはアスカとシンジの名前だそうです。うひょー!最高ー!!
イヤー、流石ですねベファナさん。ほのぼの親父ゲンドウのバカっぷりが最高です。
レイ姉さんも強烈ですね。ゲンドウが雑魚扱いです。(爆笑)
リツコさんもいきなり電気ショックって鬼ですね。(笑)
しかも、設定がすばらしいですね。まさか、アスカが初号機に取り込まれているとは。
目覚めたアスカとシンジのその後が気になりますー!
さあ、皆さん感想を出して続きを書いて貰っちゃおー!!!!
ベファナさんへの感想はここです。
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◎感想用フォームです。2,3行の感想でも作者さんは嬉しかったりするのだ。